過去虐待からの防御の犬
人馴れしていない犬
野犬
恐怖から防御攻撃に出てしまう犬の
センター及び野犬の野での捕獲時の首輪の掛け方をセンター引き出しボランティア様
野犬捕獲ボランティア様に説明致します。

センターでも野でも犬の保護捕獲は首輪を掛け
全てが始まります。
少しでもボランティア様の足しになったら嬉しいです。

まず、犬達が身体で感じでいる時の経ち方と
私たち次に用事があり常に後の事を考えている
人間とでは時の経ち方が違います。
犬達は急いで無いのです。

そして過酷なセンター収容時の環境に置かれた
犬達、野で捕獲された犬達は極度の緊張から
その時身体が感じでいる事、感覚は普通の時の
感覚、気持ちとは異なるので

センターで、野でのその犬の第一印象、接してからのこちらの、この子はきっとこう言う子だろう。
と言う予想、想像は犬が普通の環境、状況下にいない為、とても判断が難しい
また、その環境下にいる犬達を
この子はこう言う子だ。
と決めてしまう事はどちらに転んだとしても
危険な事と私は経験から考えています。

危険な意味とは
センター側からすれば譲渡不適合犬と決めてしまう事からの殺処分、
ボランティア側からすれば引き出してからの
想像の当てが外れる事。

その状況下にいる犬達の判断は千頭近くセンターの犬達を引き出してきましたけどとても難しいのです。
こんな次元にて譲渡不適合の判断をしているセンターはもう無いとは思いますが
収容時の個体の究極な精神状態の中
ご飯やおやつを差し出した時、個体が唸る
唸らないにての判断なんてもってのほかなのです。

決めつけず個体の先を想像し
多分こんな感じかな?位の判断がちょうど良いかなと思います。

ここからはセンター大部屋、個室
野での捕獲のトラップの中、捕獲器、
を同じとして書いて行きます。

始めに書いた通り犬達と私たちの時の経ち方が違います。

対面してまずこちらが思わなくていけない事は
さて、
何時間でもこの場所にいるよ。
ここは家だよ。
今はピクニックに来ているよ。
よかったらここで一緒に昼寝しようか。
時間はたっぷりあるからゆっくり焦らないで
仲良くしようね。
こちらの気構えはこんな所でしょうか。

こちらの意味はトラップ内部で逃げる犬の気持ちに同調しないと言う意味。

逃げる犬の動きを読み
最終的に角に追い詰める様に、
そのスペースにもしバリケン等犬が隠れられる
物がある場合はあらかじめ撤去しておく。


犬に対して直線で近づいてはいけなく
円を描き回り込む様に距離を詰め
目線もそらすようにし

対面しても正面を見せずに身体を横向きにし
近づきます。

例えば先日の茨城の捕獲では私の着ている
パーカーの両袖に血縁達、仲間達の匂いを付けてから現地に行っており

犬に横向きに歩み寄り座り
手では無くパーカーの両袖から
犬の胸元、首元、首輪を掛けるのに触らなくてはいけない身体の箇所を徐々に優しくそっと触れていきます。
動画にてパーカーの袖を犬が噛んでいる場面があります。

これは犬との距離感がよくわかり
どの様な力で噛んでいるか?
今、力を弱めた、今はまだ強い力で噛んでいる
等、犬との駆け引きがよくわかるとても良い場面になります。

勿論、過去に刃物を通さない肘まである手袋を
もっと強力に改造しても
手の中は血だらけや
急所を狙って攻撃されると言う時も沢山ありました。

汚い話ですがセンターでの触れ無い犬の首輪掛けの時に私が昔からよくやる事なのですが

犬の鼻先に自分の唾を付けることもよくやり効果的で野犬にもやります。

それと同時に可能な時期に来たらこちらの心臓の音も胸元にて聴かせる様にします。

これは、怖く無いよ、俺も動物で一緒だよ。
俺も怖くてドキドキしてるから一緒だよ、
安心してと言う意味合いになります。
子育てにて赤ちゃんを抱く意味合いに似ている感覚です。

このやりとり、日々の犬達の生活の中で
意味が無くただのおやつ以外で私は
おやつを使いません。

特にこのやりとりの中で
甘い物は現状の解決にはならず、犬達はおやつをくれた事により
こちらに心開く事は無く
無意味で時間を長引かせ
根本的解決にならずに、従って後々の生活、やりとりが遅れ言い方悪いですが面倒臭くなるからです。

それどころかセンター引き出し時から丸一日、
野での捕獲時から丸一日は身体の中を綺麗にし
駆虫もしますので水しかあげません。

間違えても保護捕獲時にジャーキー等をあげる行為はしません。

関係性と犬からのこちらへの信頼性を掴む大切な初期段階にこちらから解決にならない媚を売る行為は無しなのです。

私が甘い物を一つやるとすれば
懐かなく心許さない子に対してわざと沢山歩き
疲れ、今だと言う時を見逃さずに
大丈夫?と声を掛けて抱き上げ歩きます。
数十歩で大丈夫です。

この時犬達は助けられた、助けてくれたと思い
一気に関係が近くなります。
勿論これが通用する犬は長期にわたりセンターに収容されていて体力が無い人馴れしていない犬、
人馴れしているが飼い主しか信用していない犬等にしか使えません。

センターから来たばかりのイケイケで
社会性が無くお山の大将で捨てられ来て
しかも人の言う事等聞く気が無い犬には

じっと観察し
その犬が他犬に喧嘩を売り少しやられた
時を見計らい間に入りわざと助けたふりをします。

これも人の言う事を聞く気が無かった犬が
こちらに付き、言う事を聞いてみようかなとなる事の近道にもなります。

ただ犬は1000頭いたら1000通りですので
その個体の判断を間違えると危険ですし
基本、喧嘩はさせない方が良く、駄目ですので
やらないでください。

喧嘩にはやらせて良い場合と
絶対にやらせては駄目な場合。

この個体とその個体は今だけはやらせた方が良いが、ちゃんと今だと言う止める瞬間がある場合。

この個体とこの個体は絶対やらせては駄目な場合
等があります。

これは一家庭での話では無く
人様に譲渡しないといけなく、その犬が
捨てられた原因をまた繰り返し新しい家族の元で
間違いなく暮らしていく為のリハビリをしないと人様に託せない、いけない私の場所での話になりますので間違い無くお願い致します。

この様な社会性を身につける場所にて
センター内で他犬を噛み殺した犬達、
野で外犬を噛み殺した猟犬、
飼い主を噛みつき、触る事を許さない犬達が
私の元からリハビリをして今では立派な家庭犬として巣立って行っています。

このように私の所では全ての個体の特性、性格を把握しつつ
全てをコントロールして生活しています。

話はそれましたが
その様に焦らず時間は無限大にあると言う気持ちの中、犬が許すタイミングを見落とさないで
首輪を掛けます。

犬の保護捕獲は全てをイージーに
常に保護捕獲後の日々の生活に繋げて
想像して、その時に先回りしてやる事はやってしまう。

と言う事ができれば保護捕獲後が楽になります。
私がセンターからの引き出し後、
野犬の捕獲後にバリケンの中に押し込め輸送しない理由がそこにはあり、

センター引き出しから首輪掛け、
野での捕獲からの首輪掛け、その瞬間から
KDPでの生活を想像し、その犬のみんなの中での立ち位置、どの辺りに立場を置くか、

そしてこの個体はどのように群れに入れるかまで想像し実行しています。

書いて無いですが野犬捕獲後に必ずやっている事があります。

五分、十分で良いので犬達の側に寝そべります。
その時の時間、思いを共有するのです。
同調するのでは無く、リラックスしドンと構えた
気持ちで、その時を共有するのです。

同じだよ。と、通じ合うのです。
全ては近道の為に行います。

ですがこれも個体によってです。
人への依存性が高い犬等にやってしまったら
逆効果ですし

人への依存性が高い、もしくはその後そうなっていくであろう個体には基本こちらから
一切触りません。
必要以上に優しくもわざとしません。
全ては群れのペース、こちらのペースを乱され無い為です。
良い意味で鈍感に。
良い意味でこちらの手の中で上手く転がすかが
人と犬の幸せな共存には不可欠なのです。

そして、群れへの新入りの入れ方ですが
これも個体によって変えて入れます。

例えば社会性が無い犬ならば、あまり助けず
ガードせずにささっと群れに入れ
みんなから囲まれると言う洗礼を。

社会性があり犬、人とが上手い犬にはガードし
助け群れに入れる。

全てはイージーに。シンプルに。
事を面倒臭く、複雑にしない様に
スパっと終わらす。
犬達はシンプルな生き物で
人の様に難しく考えたりしません。

犬達の姿を見て学び、動き、真似し接する事が
近道になります。

犬の怒りに対して怒りで返すこと、
犬の力に力で返すことは全て負の連鎖で
百害あって一利なし。
それは水と油なのです。

過去にイケイケな若いオス犬とイケイケな若い猟犬とを不意を突かれた瞬間に喧嘩させてしまった事がありました。

これは絶対にやらしては駄目なパターンの二頭でした。

焦った私はその二頭と同じテンションで止めに入ってしまったのです。

その二頭と同じテンションで喧嘩の間に入る事とはもう一頭加わる事と同じになり二頭もより興奮する事になり、
そうでは無く
常にこちらが同調せずに静かな興奮しない気持ちにより喧嘩の間に入る必要があるのです。

この時は一瞬にしてその部屋の電気のブレーカーがバン!と音を立てて落ちたのです。
私もビックリしたのでこの時の喧嘩を覚えているのですが、その位エネルギーがぶつかり合う力が凄かったと言う事。

まさに
犬の怒りに対して怒りで返すこと、
犬の力に力で返すことは全て負の連鎖で
百害あって一利なし。
それは水と油。

犬達には
押されたらその方向に力を逃し
引かれたらその方向に力を逃す。

言葉通りにするのでは無く
犬達との付き合い、生活、接し方はと
言う意味です。