夢のつばさ・29 呼吸を合わせて | つくることでつながりたい

つくることでつながりたい

何気ない毎日がどんなにしあわせか・・
不器用で遠回りばかりの私の 大好きなハンドメイドと夢への道のり、日々とキモチ。



ほんの小さなことだけど

それは、積もれば

確実に、心を覆う雲、になる。


ほんの小さなことだから

見過ごしたり、ごまかしたり

簡単でラク、なんだけれど


だけど

心は、知っている。



いつだって

命いっぱい



”生きたい”と願っているから・・・・・



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先日、洋裁教室に行ってきました。


コツコツ作ってきたリバティのスカート、
今日でいよいよ完成するな~♪と

張り切って家を出ました。


前半は、まぁまぁ順調だったのですが
なんとなく、休憩を過ぎて後半に入ったころから

感覚的に
前に進んで行っていない、感じがしていました。


前回は、どんな作業をしていても
道具に私の身体をのせて、スイスイと進んでいるような
リズムにのっている感じで、進んでいるような感覚がありました。

けれど
先日は何をやっていても、楽しさがあまり感じられなかったり

しつけをしていても
針の進みも何となく悪いし

進もうとすると、糸がだんごになったり
針を指に刺してしまったり・・・。

生地に丁寧にはさみを入れているつもりでも
先生にやり直ししてもらうくらい、曲がっていたり。



なんとなく、調子がよくない・・・


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きっと、それは

あまりに、小さいから


その小さな痛みや苦味を

そのとき、素直に

直視できなくて



”たいしたことない”



でも、たった、そんなことが


積もっていって


トゲとなり



”生きたい”という願いを



蝕んでいくか・・・・・


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そんな違和感、みたいなものを感じ始めて
少したった頃

スカート完成を目の当たりにして
ちょっとした、壁にぶつかりました。

ロックミシン、です。


裾やベルト部分、
端という端にロックミシンをかけていく作業で

アイロンで割った裾の脇の部分が
折れたままロックミシンをかけてしまい

少しの、失敗だけれど
なぜか、何度やってもその同じ失敗を繰り返してしまって

そのたびに糸をほどくのですが

だんだん生地が引きつれて、穴があき
糸と生地が絡まって縮んでしまうほど

ぐちゃぐちゃになってしまいました。


何度も時間をかけて、ほどいて
やり直しをしているうち

ふいに、その折れた部分をまつって隠そうという
想いが芽生えました。

悪魔がささやいて
「別に裾だし、何度もやり直さなくても、折ってまつれば見えないじゃない?」

そんな想いが芽生え
気づくと、割った部分が折れて厚みが出たまま
裾を折って、しつけようとしていました。


けれど、そこへ先生が。

「・・・。確かに隠せば簡単だし、隠れるけれど、許せる?」

そう先生に声をかけてもらったことで
我に返り

私は、返事を返すことが出来ませんでした。

先生は「まぁどっちでもいいけれど(^_^) 私だったら、イヤね。」
と言って、別な場所へ行ってしまいました。


そうなんだよね・・・

ずっとずっと、大事に作ってきたスカート

だったんだよね・・・



目の前にある、ぐちゃぐちゃになった生地を見たとき


”こんなに強く引っ張られて、糸がたくさん絡まって


 とっても痛そうだな・・・”


そんなふうに感じました。 



自分では、いつもと変わらない気持ちで
スカート製作に取り組んでいるつもりでした。

けど

その痛そうな生地を見たときに、初めて
自分の心にトゲが積もっていることに、ようやく気がつきました。


いつもと違って
なんとなく、楽しくない

それは
完成を目前にして、早く完成させたい

そんな焦りというより


目の前にある、スカートとお話できていない

そばにいるのに、呼吸が噛み合わない


噛み合わないのに

私が、前へ進もうとして・・・気持ちを押し付けてしまって
スカートの呼吸を無視してしまった


きっと、そんな感覚だったと思います。



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小さなことだけど

生活の中で、滞ってしまった些細なこと

人とのかかわりの中で、芽生えたキモチ


直視できなかった、あれやこれや


だけど

直視できなかった、という事実を
心は知っているから


その事実がトゲとなって
私自身が、とても傷ついてトゲトゲしていた


そういう私の呼吸は
生地にもしっかり伝わって

作業に、心が入っていなかった


それは

生地にも
針にも、糸にも伝わって



ぐちゃぐちゃ



きっとこれは、今の私自身の


心・・・。



自分の手が生み出すものには

こんなにも、生々しく



こころが、反映されるのですね。



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結局、スカートは完成するどころか
ファスナーもつけられないまま、持ち越しになりました。

哀しくて、乱暴なキモチで作ってしまったから
呼吸が合わなかったんだ


ごめんね


そんな気持ちで、スカートに謝りながら
生地が痛くないように、ミシン糸をほどいていきました。

不思議ですが
先生に教わっても、あれだけ絡まっていたロックミシン糸のほどき方

気持ちが伝わったのか

信じられないくらい、スルスル~と


ほどけていきました。



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なんとなく、生活が荒れていました。


部屋が散らかって

気づけば、食べ物も
インスタントばかりになっていました。

ちょっとしたことに傷ついて
その気持ちを直視できず、買い物や食べ物で、紛らわせていました。

ちょっとしたことにイライラして
すごく意地悪な気持ちに、なっていました。


命は有限なのに
待っても待っても、夜が明けない気がして

生きたいという気持ちが、どんどん尽きていく気がして

周りのみんなが、自然な流れで人生を進めたり
望むものを手にしていく姿が

その分、努力してるから

わかっていても


もがいても、努力しても
なかなか、自然な流れに入れない自分を感じている私は


羨ましくて、仕方ありませんでした。



そうして、痛くて苦い小さなトゲを

傷つくのがイヤで



全部、ゴミ箱に捨てて


知らんふり、していました。



いつの間に


こんなに、トゲが、積もっていたんだろう・・・・・・



スカートが、私に、教えてくれた



そういう自分に気づけたから


呼吸を合わせて


今度は、やさしい気持ちで、スカートが縫えたらいいな。


それには、まず

ちゃんと、トゲの痛みを味わって

涙を流すところから、また始めよう。




”命いっぱい、生きたい”



願う




自分を信じて。



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