前回のお話→夢のつばさ・16
スカート製作も含めて
洋裁そのものに手が止まってしまっている
大きな理由のひとつに
”迷い”
というのがあります。
もともと、大のお洒落好きで
ずっと自己流に洋裁を楽しんでいましたが
一般のソーイング雑誌や市販のパターンでは自分の身体に合わない、と
いう壁にぶつかり
週に一度、洋裁教室に通い始めて、身体に沿うお洋服作りが楽しく
通うたびに
もっと、もっと、学びたい!
そんな気持ちがあふれるように湧いてきました。
先生もそんな私の気持ちを温かく受け止めてくれ
パターンのお話や、洋裁をもっと学びたかったらこんな方法がある、など
少し突っ込んだことも色々教えて下さいました。
ところが、ある日のこと。
先生が、皆に言いました。
「私の教え方や教室の在り方に、何か意見があったら教えてね」
私は驚きながらも
「楽しく作っているので特に。」そう答えました。
ただこの時すでに
もっと学びたいという気持ちの強さと、現状の範囲で学べるバランスに
だいぶ開きが出ていることに
私は、物足りなさともどかしさを感じていました。
先生の質問には、私だけじゃなく他の生徒さんも
「十分楽しく習っているから、何も問題ないわよね?」
と、みんな満足の様子。
ところが、先生がその後
「なんでこんなこと聞いたかっていうとね・・・」
話し出しました。
きっかけは、
ある生徒さんのこんな意見だったそうです。
その生徒さんは
ごく最近入会された方で、60代の女性の方だそうです。
洋裁を学びたいという気持ちがとても強く
熱心に取り組まれていたようですが
ある時
教室で先生と一緒に作図して作ったスカートを
履いてみたら
自分が思っていたラインとあまりに違っていた為、
持っていた原型のサイズを
文化服装学院(日本有数の服飾の専門学校)の作図数式で
再度点検したら
各所、数値が違うことを発見し
「なんで、計算式と違うのか?
これじゃ、洋裁を習っている意味がない!」
と憤慨されたそうです。
そこで先生は
「人間の身体は平面ではなく凹凸があり、個々それぞれ違うので
決められた値だけで作図することは不可能なため
その方1人1人に合わせて数値を多少調整している」と説明したそうですが
「なぜ決められた数式通りじゃないのか?
だから、おかしい形のスカートが出来たのだ」
と、説明は受け入れられなかったようです。
その上で、本格的な作図を学びたいと要望したそうです。
その話を聞いた、他の生徒さんからは
「ここは、趣味の教室なんだから
そんな人は、専門の学校へ行ったらいいんだ!」
「60代で、何を目指してるんだ!」
など、だいぶ辛辣な意見が出ました。
でも、その意見を聞いたときに
私は、あぁそうか、と気づいたんです。
私がずっと感じてきた物足りなさやもどかしさって
まさに、それなんだ、と。
私が通っている教室は
趣味で、のんびり楽しくお洋服を作りましょう
という空気の教室です。
当初は、私もそれで十分満足でしたが
ただそれ以上学びたいとなると、やはり限界があるのです。
もう少し突っ込んで学びたいという気持ちは
”浮いて”しまう
むしろ
その熱心さは、一歩間違うと
教室の空気を乱し兼ねない、要素なのだと。
高い技術と抱負な経験のある先生だったので
やる気にまかせて、あれこれ質問したり相談したりして
随分、趣味の洋裁教室以上の専門的な話をしました。
先生も「あなたのやる気が嬉しい」と
たくさんのことを教えて下さいました。
けれど
そんな私の”やる気”をあまり快く感じていない方も
いたと思います。
「そんなに学びたかったら、学校へ行けばいい」
実質私に向けられた発言ではありませんでしたが
その一言を聞いてから
私の中で、沈殿していたであろう迷いが次々と
明確に心に浮き上がってきました。
何より、とまどったのが
自分にとっての、洋裁の占める位置づけが
やる気が湧くにつれて変わってしまい
わからなくなったことでした。
時間も費用もかけてもっと本格的に学ぶのか
趣味と割り切って、その範疇で続けていくのか
何か、両者の間を取れるような全く新しい道を見つけるのか
両方をゆらゆら揺れながら
迷いながら
地元の他の洋裁教室や、服飾学校の通信教育・オープンキャンパス・・・
ありとあらゆる方法を模索しながら
自分の今の生活で可能な範囲と今のやる気が
しっくりくる場所を探る
そんな日々が続いていきました。
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