一姫、25歳。
職業看護師
ネコ2匹と、3歳年上の彼氏「モモ」と都内の1LDKに暮らす。

5年前、一姫はたちの誕生日の記事。
すっきりしないわたしの気持ちが書かれていた。
たぶん、わたし以上にすっきりしていなかったのは一姫自身。

自活とか自律とか自立って意味も、真には理解していないながら、なんとかはしなくちゃなんだと薄々思い始めていたのかな。
何より、一姫を苦しめていたのは、やはり父との関係。
そして両親の不仲。

親としては本当に申し訳ないが、
「これがわたしの親たちなのだ」
と受け入れて生きていこうと覚悟し始めたころだったのかもしれない。

あれから5年、一姫はちゃんと社会の一員として暮らしている。
思ってもいなかったくらいちゃんと。
仕事のことで、泣きながら電話をしてきたことも数知れず。
それでも、なんとかかんとか、もうすぐ1年。
父親とも定期的に会っているようで、必ず彼女を連れてくることに辟易しながらも、それが父なのだ、と受け入れているようす。

早朝、お誕生日おめでとうをLINEでやりとりし、一姫は、「モモ」の企画でお食事に、母は念願のお伊勢参りに、と出かける。

楽しいことがたくさん起こるといいね。
たまには、母とも遊んだりしてさ。