朝食のお味噌汁の白菜がおいしくて、涙がつつーーと、流れた。

思いがけない涙にややびっくりだったけれど。

明日も、明後日も、来週も、来月も、おいしいものを味わいたいなあ、そして来年もこの季節にはおいしい白菜を食べたいなあ、と思って。

この6年は、3年日記でしか刻めなかった。
ニ太郎の進学の時期などを考えて、なんとか3年間はがんばらねば、と繋いだ期間だった。

夜眠るときには、
「このまま永遠に目覚めなければいいのに」と思うことも、
朝目覚めると、
「ああ、また目覚めてしまった。」
と思うことも数えきれないほどあった。

人を思いやる余裕も、季節を感じる心も、景色を楽しむ気持ちもなくしていた。

でもがんばった。
乗り切った。
よくやった。

この暮れに、6年ぶりに10年日記を買った。


これからの10年なにが起きるのだろう、どんなことができるかな、と期待しながら。
いまの私には希望しかない。
絶望も悲しみも、辛い出来事も、そのすべてのノルマを果たしたと信じている。

箱の中に残るのは、楽しいことばかりだ。
心弾むことの繰り返しだ。

10年後、60歳を超えた私は、どんな風景に出会えているのかな。
 
10年、思い切り仕事をしよう。

この騒ぎが収まったら、また小山を歩いたりもしよう。

行きたかったところはどこもかしこも行ってやろう。

ひとり旅しよう。

ドライブ旅行も行こう。

おいしいものをたくさん食べよう。

贅沢しなくても、楽しいことはたくさんある。

身の丈にあった暮らしを丁寧していこう。

今日死んでも悔いはない、そう思える毎日を積み重ねていこう。