「雨は嫌いじゃない」
なんて気取って言ってきたけれど、
雨が好きだ。
雨の降り始めの匂いをかぐのも、雨の音を聞くのも、雨の中を歩くのも、雨を眺めるのも、好きだ。
雨に濡れた感じはもちろん好きではないけれど、着替えるときに生地がさらっと感じるのも好きだ。

「雨の匂い」って実は細菌の匂いなのだって。先日土屋礼央さんのラジオで聞きました。気取ってても「菌」、、、。
うふふ。

夏の終わりの雨はさみしい。
雨をひとつやり過ごすたびに、暑さは去り、朝夕はぐっと涼しくなって、やがて肌寒くなる。
ここ数年はこんな風に段階を経ることもなく、突然肌寒さがやってくることも少なくはないのだけれど。

雨はよく季節の変わり目にやってくる。
雨が好きなのは、なにかを洗い流して、新しい気持ちにさせてくれるせいかも。
起きたことすべてをなかったことにできないことはわかっているけれど。

長い歴史の中では、広い宇宙の中では、なにもなかったのと同じなのかも。
私の毎日。
それでも、今日も生きている。
私の命は今日も続いているのだ。
小さな小さな世界の片隅で。
ささやかに。