一度も信号に引っかからずに

スムーズに到着。

そこには既に姿が。



前回はわたしが30分先に到着。

今日はあのひとが30分先に。



どうも

噛み合ってないね。




雷予報の冷たい風が

少し強めに吹く。

「寒い」と

半袖からのぞく腕を両手で覆う。


少しだけ

歩き

まずまず

話した。





最後に

ハグ。

あのひとにしては

長いハグ。




その暖かさ

喜びや

安心感や

想いを

言葉にして伝えたかったが

わたしの選んだ台詞は

どれもしっくりこなかった。




ただ

あぁ癒されたーと

吐かれた捨てゼリフを

遠くに聞き

わたしも

あのひとの

なにか少しにはなれているのかな

なんて

思い上がった。


癒されたのは

こっちのほうだよ。




あのひとのハグは

あのひとの

とてもいい香りがする。

わたしのだいすきな

その匂いに包まれた間

このまま時が止まればいい

思ってしまった。



もっと話して

もっと知りたい

あのひとのこと。