映画のタイトルは
「おしどり うたがっせん」
と読みます。念のため。
この映画は、戦前に制作されたオペレッタ時代劇映画でございます~。
先日取り上げた和製ミュージカル映画「素晴しき男性」はストーリーは良かったものの、ミュージカル映画としての出来はもうひとつ・・・と感じたのですが、
この「鴛鴦歌合戦」は
紛れもなくオペレッタ時代劇です!
宝塚歌劇団演出家 高木史朗先生が、わざわざ京都ホテルまで行かれて、
「日本初のオペレッタ映画だ!」
と絶賛されたのですから、間違いありません!
戦前の映画のほうが出来がいいとは、ちょっと意外。
でも1930年代はレビューが盛んだった時代ですものね。
1930年代のほうが、そっち方面の感覚が良かったのかも?
時代劇なのにジャズを歌ってるのが面白いですね(笑)
オペレッタ映画ということで、テイチクから歌手のディック・ミネさんと服部富子さんが特別出演。
ディック・ミネさんは、お名前は存じていたのですが、お顔と歌は、この映画で初めて見て聴きました。
お名前から西洋風の雰囲気の方かと想像していたのですが、日本人らしい雰囲気の方ですね(笑)
服部富子さんは、作曲家 服部良一さんの妹さんです。
「おお~、音楽一家やな~」
と思いつつ、服部富子さんのWikipediaを見ると、なんと宝塚歌劇団21期生だったと書いてあるではないか!
この記事は、当初は「宝塚にこじつけ」の書庫で書いていたのですが、宝塚OGが出演されていることが分かったので、「宝塚OG」の書庫に移しました(笑)
服部富子さん以外にも、この映画、宝塚とご縁のある映画ですよ。
まず、マキノ監督が宝塚歌劇の殿堂入りをされている轟夕起子さんと夫婦・・・・・
・・・・・だった時期がある(^_^;)
主演の片岡千恵蔵さんの許嫁役の深水藤子さんは、宝塚歌劇の殿堂入りをされている朝丘雪路さんのお父様の日本画家 伊東深水さんが芸名の名づけ親。
宝塚ネタはここまでにして、映画の内容について、ちょこっと触れますと・・・
お春(市川春代さん)は、父(志村喬さん)と傘張りをして生計を立てていた。
父は骨董品に目がなく、生活費を骨董品購入につぎ込んでいるために、毎日、麦こがしを食べて飢えをしのいでいた。
お春は、隣に住む浪人(片岡千恵蔵さん)と相思相愛だが、浪人の許嫁が現れたり、商家?のお嬢さんのお富さん(服部富子さん)が浪人に思いを寄せたり、殿様(ディック・ミネさん)がお春を妾にしようとしたり・・・と69分の映画ですが、いろいろ起きます。
歌は・・・吹き替えなしなのかなあ?
深水さんは吹き替えっぽいような気がするけど(^_^;)
私は、志村喬さんが最も多く歌っているように感じました!
志村さんの歌は、映画「生きる」で聴いたことがあります。
公園のブランコに乗って「ゴンドラの唄」を歌う場面は、名場面ですよね(^-^)
「鴛鴦歌合戦」」の志村さんは、とても明るく歌っておられます。
なかなか、歌がお上手です。(だから、いっぱい歌ってるんでしょうね)
Wikipediaによると、ディック・ミネさんは本気で志村さんに歌手デビューを勧め、テイチクがスカウトに来たとか(^-^)
映画の終盤・・・
お春は、浪人への思いを貫くために、ある行動をとりますが、私が同じ立場だったら、お春と同じ行動をとれるか、まったく自信がありません(爆)
最後には、歌いながら、傘を開いてクルクル回すというSKD・OSK式のフィナーレのようなものもありました(笑)
最後まで徹底してますね(笑)
ユーモアがあってテンポも良くて、とても戦前の映画とは思えません~。
この映画を見られて良かったです♪