こんにちは。
CFRPを加工してきた中でよく耳にするフレーズがあります。
『CFRPは金属と同じような精度に加工できない』
『難削材』
『普通の刃物で削れない』
これらのフレーズはもう何百回と聞きました。
ある意味そうではありますが、ある意味そうではありません。
①CFRPは金属と同じような精度には加工できない
確かに数μ(ミクロン)というオーダーになると厳しいと思います。それでも製品の形状、厚み等々条件があればそれも可能です。
しかし一般産業用途では数μの公差のある製品は多くはありません。そう考えると、金属の図面からの材料置き換えで図面を出されてもできないことはありません。ただ基本的に使用する際に多くは不都合な点が生まれ、かつ高価なパーツになってしまいます。
加工する会社としては図面通りでなんら問題ないのですが・・・
②難削材
③普通の刃物で削れない
弊社では難削材と呼ばれる金属も色々と加工をしてきました。
そういった中でそれと同じステージの材料か?と言われるとそれは違うと思います。ただ難削材の定義も曖昧ですので・・・
しかし金属の難削材と言われる材料を加工されている会社であれば間違いなく金属の難削材の方が加工は難しいと言われるでしょう。
なぜならCFRPは普通の刃物でも削れます。
普通のドリルで穴加工もできます。ハンドドリルでも可能です。
ただ摩耗が激しいため、刃物に耐久性が無いと寸法精度に影響したり、CFRPの材料を傷つけることになります。
実はそれを勘違いされている方が多く普通の刃物で削れないと言われるようです。
ただ簡単な素材ではない事は確かです。
それは金属では当たり前のようにバリが出ても後処理でカバーできますが、CFRPはバリ=剥離となり、厳密には製品強度へも影響するためNGとなります。そうはいっても加工だけの問題ではなく剥離することもあります。
また繊維の方向によっても剥離を防ぐため、加工方法を変える必要もあります。展示会などで並ぶCFRPを見ると加工後に手仕上げをしている製品はすぐにわかります。CFRPは基本的には樹脂なので磨くことは容易だと思います。しかしその痕跡はよくわかります。
機械加工だけで完全に加工できる技術を確立することが、難削材と言われない材料になり普及していく前提にもなると思います。