こんにちは

しまりすです!


「黄色い目の魚」(佐藤多佳子さん著)を

読みました


最初、この本を手に取ったのは

図書館でたまたま手にしたら

絵を描くこと、に絡むお話で

私の友達は絵を描くことが大好きな子と

絵を描くことに目覚めてる子

そんな2人を見ていて、逆の意味の巨匠の私は

絵を描くってどういうことなんだろうと

そんな興味からこの本を手にしました


最初、登場人物が2つの家庭が出てくる

別々の話かと思ったんです

すると、高校でこの2人の関係が交錯してくる

それもほんとに深淵なところで


まず幼少期や中学の2人を見ていて、

私はまずそれぞれの気持ちがなんとなく

すごくわかりました

ちょっと歪んでるところも

でも、男の子と違うなぁと思ったのは

ずっと会ってなかった父親を受け入れるところ

女の子と違うなぁと思ったのは

これほどまでに人を嫌いとは相手に言えないところ


でも、この2人のどことない気難しさ、不器用さは

特に幼少期、中学のときに抱えてる気難しさは

とてもよくわかった


そして、ミン(女の子)が高校になって

世界が広がっていってオセロゲームのように

世界の嫌いが好きに変わっていくところ


そして、ミンが大好きな2人、おじさんと

同級生(悟)


おじさんも同級生(悟)もその亡くなった

お父さんもみんな絵を描く

絵を描くといっても、真剣に絵を描く


おもしろいなと思ったのは

おじさんはミンを漫画では描けるけど

絵にはできない

同級生は絵で描ける

なんでおじさんはミンを絵に描けないのかと

悟が聞いたら、はっきりした答えは出なかった

身近すぎるのかな

と言った

悟はその答えのなかに

ミンのことがとても大事なんだ

という答えを見つけた

そして、自分はこのおじさんよりミンを

大事にすると思う


悟には妹がいて、ネタバレになってしまうので

割愛するけれど、ともかくあることで

家出をし、傷ついて帰ってきた妹を

傷つけた人を絶対許さないと思う

傷つけ方も15歳の女の子に最低だった

でも、悟もまたおじさんがミンを大切に

するように妹のことを大事にする


あと一人謎の女性、似鳥ちゃんが出てくる

似鳥ちゃんはどんな過去を持ってるのか

私も気になった

似鳥ちゃん、ちょっといろいろあったけど

ミンのおじさんともあったかもしれないけど

この人は結局消える人だと思う

ミンは逆、消えない人になる


絵を描くことに真摯に向き合う

仕事にしてる人、これから絵を勉強しようと

してる少年、それに対しミンは2人の

絵を描くのを見るのが大好きだ

そして、絵のことを悪く言った人を許せない

一生懸命描いたその人の気持ちを知っているから

私も絵は描けない

ことばではどうしても表現しきれないことがあって

絵などで表現できたらすごいなぁと思う

悟も絵で気持ちを伝えた


あとがき(角田光代さん)を見ると

ミンの潔癖さ、強さ、正直さ、不器用さ

それは悟も持ち合わせてる部分があり

私は最近読んだ小説のどの登場人物よりも

気持ちが近く読めた


そして、同じあとがきに

このミンと悟を取り巻くおとなたち

ものごとに縛られず、やりたいことをやりたいように

しかできない、ゆえにまっとうとは言い難い大人

略 自由な大人というのは子供にとって

非常にやっかいだ、というようなことが

書いてあった

そして、私は、大人になった今も

まだこういう不器用なところ、かたくなな

ところもあって、そして、普通の大人より

自由なんだろうと思った


ミンと悟がどう成長したのか

おじさんとの関わり方

成長していくうえでおじさんと

いろいろ話すことはどんなことなのか

続きがあればいいのにと思ったけれど

この世代のきらめきはこのまま

箱に閉じ込めたほうがいいのかもしれないと思った





この小説を読んでいたら

なんとなくこの歌が思い浮かびました