はじめましての方へ

息子は、我が家の三人目の子どもで長男。2000年生まれ。その時、母は39歳。1歳にならないうちに筋ジストロフィー症と告知される。

 一時保育で保育園に通いながら、年中からは姉たちも通った幼稚園に入園。小学校も姉たちが卒業した小学校の通常学級に通い、無事卒業。中学校は、在籍は支援級だったがほぼ通常学級で過ごした。中学校2年生の冬から不登校になり、3年生は修学旅行と文化祭と卒業式だけ出席した。通信制高校に進学するが、定期テストを受けに登校するのが体力的に厳しく中退を決める。それから自宅で過ごしている。


 入院の方向で調整(3ヶ月前)

 息子の高熱は溶連菌感染症が原因らしいとわかって、訪問診療の医師からは「抗生剤で治りやすい病気です」と告げられたが、息子が「喉痛くて薬飲めない」とかすれた声を絞り出し、「注射にしますか?」と言いながら過去の記録を見直していた医師が、抗生剤注射で具合が悪くなったことがある、と気づき、いろいろ相談の結果、「入院の方向で調整します」となった。

 病院までの移動手段

 訪看ステーションのチーフと訪問診療の医師による交渉で、すぐに近くの公立病院に受け入れてもらえることになった。母の付き添いが可能なら、という条件付きではあったが、受け入れてもらえるだけありがたい…。急いで病院にむかいたかったが、時々お世話になっている介護タクシーには断られてしまった。理由は、熱の高い人は感染のリスクが高いから皆お断りしている、とのこと。訪看ステーションのチーフに話すと「救急車呼びましょう」と。「電話すればすぐ来てくれますから入院の準備を整えてから電話して」「えっ?緊急じゃないのに救急車呼んでいいんですか?」と内心びびりながら荷物をまとめて、人生初体験の119に電話。

本当にすぐにサイレンが近づき、救急車が来てくれた。受け入れ先も決まっているためか、救急隊員のかたも明るくテキパキと作業を進めてくださった。楽な体の姿勢が限定されていることを伝えると「枕とかクッションこのまま行きましょう」

と枕ごとタンカに乗せてくれた。

ありがたいことに、サイレンを聞いて息子の就労支援の事業所の方が見に来てくださったので軽く説明をして、救急車に乗り込む。親子で救急車に乗るのは初めて。息子、検査入院以外の入院は初めて。実は私も出産以外の入院は初めて。初めてがいっぱいの経験となった。