どの教科・科目の参考書・問題集にも言えますが「目次」が非常に大切です。
「目次」には、その参考書・問題集の全体像(内容)が体系的に書かれています。
「化学が苦手な人でも得意科目にする勉強法」の中にある勉強法のように「化学」の参考書の1単元を2~3時間かけて”データベース”を作るという勉強を行います。
そうすると、参考書1冊終えるのに「2~3時間の勉強」が「単元の数」だけ必要になります。
何が言いたいかというと、”その参考書”一冊を終えるのにどのくらいの時間(期間)が必要かが大体 わかるようになります。
教科書を1年で1冊、参考書・問題集を1年で1冊 終えるペースではなく、1冊を1か月とか2週間とかで終えるイメージが湧いてくるはずです。
1冊を終えるイメージ・・・今週1週間でどれくらい終えるのか?・・・今日1日の分量は?・・・こういったものが見えてきます。
そうすることによって「受験勉強」の計画が立つのです。
「目次」を見渡すことにより、全体像が見えてきます。
最終的には「目次」を見て、その単元・章では何を学んだのか、何が大切なのかを言葉で説明できるようにしたいと思います。
よく「人に説明できるように・・・」と言われますが、自分の言葉で説明します。
”ことば”とは”抽象”です。
つまり、「言葉で人に説明できる」ということは、その単元や章を”抽象”に戻せているということです。
「数学」なら、『基礎問題精講』でも、『青チャート』でも、『黄チャート』でも構いません。
「目次」を見て全体像をイメージします。
単元の数や小単元の数などを確認します。問題(例題)数を確認します。
中身をパラパラと見て、何となくの分量を感じます。
『青チャート』や『黄チャート』は、各一章を1か月で終えるとすると、1年もかからずに終わらせることができます。
ただ、どうでしょうか?
各一章に1か月も必要でしょうか?
もし、各一章を3週間で終えることができたら・・・各一章を2週間で終えることができたら・・・
こうして考えていくと、何となくですが一冊を終えるのに必要に時間(期間)が見えてきませんか?
1日当たりの必要な勉強時間が見えてきませんか?
平日、多く勉強できないなら土・日・祝や夏休みなどの長期の休みを上手く活用する必要が出てきます。
土・日・祝や長期の休みなどで重要なのが、午前中の活用です。
午前中(12時まで)に2~3時間勉強できれば、その日は相当な勉強ができそうな気がしませんか?
午後(12時~18時)までに2~3時間、そして、18時~寝るまでに、もう2~3時間。
実際には部活や友達と遊ぶこともあるとは思いますし、それも必要です。
ただ、勉強に関して各教科・科目の全体像、参考書・問題集一冊の全体像があるように、今月1か月、今週1週間、今日1日の全体像もあります。
”勉強”の全体像と”時間(期間)”の全体像を常にリンクさせておく必要があります。
今日1日、何も勉強しなくても勉強しなくても、大学入学試験当日は1日分 減っていきます。
1週間が経過すると、大学入学試験当日に1週間分近づきます。
1か月が経過すると、大学入学試験当日に1か月分近づきます。
新高3生は、大学入学試験当時はまで、既に1年(12か月)を切っています。
新高2生は、大学入学試験当時はまで、2年(24か月)もありません。
まだ、中学校を卒業したばかりの新高1生でさえ、大学入学試験当時はまで、もう3年(36か月)を切っています。
全体像を把握する。
一つは全体像をイメージすることです。
参考書や問題集一冊の全体像をイメージすることから、武田塾の参考書ルートの全体像をイメージすることまで、さらには志望大学の「過去問」に挑み・跳ね返され・勉強をし直し(復習)・また、挑む、を繰り返すまでの全体像をイメージすることが重要です。
全体像という観点から言うと、志望大学の入学試験当日、目の前にある問題を解くことをイメージすることから始めます。
制限時間が何分で、大問がいくつあり、どのような形式で出題されてされているのか?難易度はどのレベルなのか?
その教科・科目の配点は何点で、全体の中の何割を占めているのか?
「化学」に関しても「化学が苦手な人の勉強法」や「化学が苦手な人でも得意科目にする勉強法」の中で言われているように東大と京大でも問われることが違います。
旧帝大の中でも、東大と北海道大学や九州大学では問われることがちがいます。
国公立大の二次試験と共通テストで問われることが違います。
もし、大学に一般入試ではなく推薦などの進む場合、面接があると想定します。
そうすると「志望理由は何ですか?」とか「高校時代に頑張ったことは何ですか?」とか「あなたの長所は何ですか?」のような想定問答に関して練習すると思います。
事前に問われる可能性がある質問に関して、自分がどんな人間であるのか矛盾無く説明できるよう事前準備するはずです。
筆記試験も同様のはずです。
事前に問われることは大体 決まっています。
それを分析するのが「過去問」分析・演習です。
公開情報です。
誰もが知っているし、調べれば分かります。
志望大学ごとにこの問われることが違うのが大学入試です。
この「過去問」分析・演習にどのくらいの時間を割けるのかが合否を分けるとぼくは思っています。
高3の9月からなのか、高3の夏休みからなのか、高3のゴールデンウィーク明けからなのか・・・
私立の中間一貫校では中・高の6年間で大学受験を考えています。
鉄緑会では、「英語」に関しては、中学生の間に武田塾で言う「日大レベル」や「MARCH・地方国公立レベル」を完成させることを目指しています。
「数学」であれば、中学生の間に「数学ⅠA」「数学ⅡB」の範囲学習を終え、武田塾でいう「日大レベル」を完成させることを考えています。
鉄緑会では高校に入り「数学ⅠA」と「数学ⅡB」をくっ付けた勉強を2年間行います(2周)。
これとは別に「数学ⅢC」を勉強します。
高3(おそらく高2の冬から)で「数学ⅠA」「数学ⅡB」「数学ⅢC」をくっ付けた東大レベルの「数学」を1年間勉強します。
こういった受験当日までの全体像を勉強内容と時間軸でカリキュラム化、スケジュール化していく必要があります。
ぼくがそうでしたが、公立中学・公立高校に通うとみんな一緒に授業を受けて勉強していきます。
当時は、大学・学部ごとに問われることが違うとか思いもよりませんでした。
公立高校受験は基本的には都道府県内は一斉に同じ問題を解きます。問われることは同じです。
しかし、大学受験では、大学ごとに問われることが違います。
同じ国公立大学というカテゴリーの中でも大学ごとに問われることが違うと言うことです。
ましてや、私立大学では大学ごとに問われることが違うだけではなく、難関大になればなるほど学部ごとに問われることが違います。
同じ「英語」でも、国公立大の二次試験と共通テストでは問われることが違います。
もし、国公立大の文系志望なら、志望大学の二次試験の受験科目「英語」「国語」「社会」の対策が必要になります。
その上で、共通テストの「英語」「数学」「国語」「社会」「理科」の対策が必要なります。
「英語」は更に細分化され「リーディング」や「リスニング」「ライティング」に分かれます。
「数学」なら「数学ⅠA」「数学ⅡB」に分かれ、それぞれに様々な単元があります。
「国語」も「現代文(評論・小説・随筆)」「古文」「漢文」に分かれています。
「化学が苦手な人でも得意科目にする勉強法」の中で新宮さんは、「化学」の各単元のデータベースを作るのに2~3時間の時間がかかるという話をしています。
また、『化学の新標準演習』は、一見 分厚くて難解そうに見えるが、解説が詳しく『セミナー』や『重要問題集』よりも短時間で終わらせることができると言っています。
一つ一つの問題・単元についてどれくらいの時間がかかるのか時間を計ったそうです。
これは「受験勉強」をする上で非常に大切な観点です。
「どれくらいの時間がかかるのか?」
ぼくも仕事が終わった後の夜や休日に勉強をしていました。
だから、「英単語」を50個覚えるのにどれくらいの時間がかかるのか?
「英単語」を1時間 勉強すれば、どれくらいのことができるのか?
「数学」での1時間はどうか?
「現代文」の1時間ではどうか?
こういったこと一つ一つを知っていくことはとても重要です。
ぼくは受験勉強の勉強を始めて、すぐに思ったことは、
「受験勉強」にとって重要なことは、
「現在の自分の実力」を知ること、
「志望大学が求めるレベル」を知ること、
そして、「自分自身」を知ることです。
「現在の自分の実力」と「志望校が求めるレベル」の差分を埋めるのが「受験勉強」です。
「現在の自分の実力」は客観的には中々わかりにくい面があります。
過大評価は禁物です。
塾の先生などに評価してもらう必要があるかも知れません。
「受験勉強」を始める際は、中学レベルなど初歩的な位置から始めた方が良いと思います。
本当にできるのであれば、短時間で駆け抜けることができます。
そして「志望大学が求めるレベル」とは「過去問」で知るのです。
全然 レベルに達していないと「過去問」に挑んで跳ね返されても何を勉強すれば良いのかさえ気づけません。
しかし、ある程度 勉強できていると足りないものが何となく分かり、何を勉強し直せば良いのか・復習すればよいのかが分かるようになります。
これが「化学が苦手な人でも得意科目にする勉強法」で言っていた「勘所」です。
ある程度 勉強していないとこの「勘所」も検討が付きません。
また、「過去問」を勉強しないと当然 「勘所」も検討の付きません。
「地方国公立大学」志望なら、武田塾の言う「MARCH・地方国公立レベル」の勉強を、「旧帝大」志望なら、武田塾の言う「早慶・旧帝大レベルの勉強をある程度 完成させておく必要があります。
「ある程度」と言うのは、「自分の中では100%」というレベルです。
そして「自分自身」です。
「英単語」100個覚えるのに、どれくらいの時間がかかるのか?
「英単語」100個覚えると、翌日も覚えているのは何個なのか?
「数学」を1単元終えるのに、どれくらいの時間(1日の勉強時間 × 日数)がかかるのか?
1日に何時間勉強できるのか?
何時間 集中して勉強できるのか?
勉強するまでにどれくらいの時間がかかるのか?
こういったこと一つ一つを知っていく必要があります。
「勉強の効率」です。
この「勉強の効率」を知らないと計画が立てれません。
もし、一般に「英単語」を100個覚えるのに30分かかるとします。
しかし、自分は「英単語」を100個覚えるのに60分(1時間)かかるなら、60分かけて「英単語」を覚えなければなりません。
同じ事をやるのに人よりも多く時間がかかるなら、多くの時間をかけて勉強するしかありません。
「覚えていないこと」を「覚える」のが「受験勉強」です。
「できないこと」を「できる」ようにするのが「受験勉強」です。
「覚えていないこと」は、覚えようとしない限り覚えません。
「できないこと」は、できるようにしない限りできません。
そうして「時間」だけが過ぎていきます。
「自分の現在の実力」を高く見積り、「志望大学の求めるレベル(過去問)」も知らず、そして「受験勉強」もしない。
そんなことでは、志望大学合格などあり得ません。
国公立大学の各学部では倍率が2~3倍程度あります。
不合格の人の方が多いと言うことです。
中高一貫校に通っている生徒は、ある程度の高校レベルの「英語」を履修し終えています。
「数学」も「数学ⅠA」が学校の授業レベルで終わっています。
それに「鉄緑会」のような塾にも通っている生徒もいます。
中だるみも終わり、そろそろ「大学受験」を意識するような人も出てきます。
初めての受験が終わり、公立高校や私立高校に進学した人もそういった中高一貫校の生徒たちとの競争にもなります。
随分と先に進んでいます。
「大学受験」は東大や京大・医学部のようなところから旧帝大・早慶、地方国公立大・MARCH・関関同立という風にレベル・ランクが高いところから順に埋まっていきます。
「コバショー式 「数学」勉強のポイント」で言っているように、全体が100 あるうちの70 のところで躓いていると1~69 のどこかで躓いているということになります。
だから、場合によっては30 とか50 のところからやり直さなくてはなりません。
一方で「先に進むことによって、わかることがある。」に書いたように先に進むことによって、ある程度 全体像が見え、今やっている勉強の意味・役割がわかることもあります。
「数学ⅡB」に入って、「数学ⅠA」の意味が分かることもあります。
だから「鉄緑会」では何度も何度も「数学ⅠA・ⅡB」を繰り返しているのだと思います。
基礎・基本的なことを学び、次に典型問題を解き、そして応用レベルに引き上げていきます。
ここで終わりではありません。
ここから入試本番レベル・「過去問」へと続きます。
これが「大学受験」です。
「コバショー式 「数学」勉強のポイント」の中で、コバショーさんは高2の秋に東進に通い、「数学ⅠA」のド基礎の映像授業から勉強し直された話がありました。
ただ、ぼくの意見だとこの時点でコバショーさんにとって、「数学ⅠA」は初学ではないし、一応 「数学ⅡB」も終えた状態です(ここまでは開成高校の高1の間に)。
そして、高2になってからも開成高校の「数学」の授業でなにがしかを勉強していたはずです。
ただ、「学校の勉強」は平日の3~5授業程度で、土・日・祝や長期の休みなどでは勉強の進捗がストップしてしまいます。
それよりも真剣になり「化学が苦手な人でも得意科目にする勉強法」にあるように、1つの単元を一気に勉強するように、1冊の参考書を一気に勉強したり、1つの教科・科目を一気に勉強するという発想も必要になります。
先に進んで分かるようになることもあるし、躓いているとことがあれば戻ってやり直すという勉強もあります。
一つの教科・科目であったり、一冊の参考書であったり、一つの単元であったりを一気に勉強します。
そしてこれらのもの一つの教科・科目へとくっつけていきます。カタマリにしていきます。体系化していきます。
「数学の解法暗記は無駄?」の中で、CASTDICE では「解法暗記」を5段階に分けていました。
第1段階は「何となく解く」段階で解法暗記ではありません。
第2段階では「1対1で対応させている」レベルです。その問題は解けるレベルです。
「英単語」では、1語1訳レベル、「数学」では『基礎問題精講』や『チャート式』などで、その問題は解けるレベルです。
そして第3レベルになると、少し”抽象化”された部分も出てきます。
第4レベル、第5レベルの詳細な解説はありませんが、より”抽象化”され、”体系化”された状態だと思われます。
高校レベルの勉強でさえ、どの教科・科目でも、具体的な事例を用いながら”抽象化”・”体系化”していくことが重要になります。
短期間に一気に勉強し、それをグルグル回した方が身につきやすいです。
コバショーさんは高2の秋に「数学ⅠA」のド基礎から勉強をし直して、東大文Ⅰに合格しています。
武田塾の「2024年 武田塾参考書ルート 数学編 1/2」では、『やさしい中学数学』を3週間で復習する計画になっています。
中学3年間で学んだことをたったの3週間です。
「中学数学」とはこのレベルです。
新高1生も、この春休みを利用して『やさしい中学数学』の復習をした方が良い人も多いと思います。
「中学数学」は「数と式(方程式)」「関数」「図形」「資料の活用」と各学年とも非常に分かりやすい構成になっています。
真剣に勉強すれば、どんなに遅くともゴールデンウィーク中には終わるはずです。
「中学数学」の”数と式”は「数学ⅠA」の”数と式”に繋がっています。
「中学数学」の”関数”は「数学ⅠA」の”2次関数”に繋がっています。
「中学数学」の”図形(三平方の定理)”が「数学ⅠA」の”図形と計量(三角比)”に繋がっています。
「数学ⅠA」の”集合と命題”は不思議な単元ですが、頭にたたき込んで下さい。「数学A」と関連しているので戻って復習することが大切です。
新高1生にとっては、教科書レベルの「数学ⅠA」が夏休み中に終われば、まずは良しとしましょう。
まずは全体像を把握することから始めます。
そのためには「目指す大学」が必要です。
旧帝大レベルなのか地方国公立レベルなのか、早慶レベルなのか、MARCH(関関同立)レベルなのか・・・
武田塾の参考書ルートも一つの「目次」になります。
そして、参考書や問題集の「目次」。
これらを把握して、何をいつまでに勉強するかのカリキュラム・スケジュールを作成します。
忘れてはならないことは志望大学の「過去問」分析・演習する期間です。
高3の12月までに教科書が終わるというペースでは対応できません。
志望大学の「過去問」演習には高3の9月には入れるのか、高3の夏休みには入れるのか、高3の4月から入れるのか、この「過去問」分析・演習ととても重要になります。
間違いなく「過去問」に挑めば跳ね返されます。ここから何を勉強すればいいのかの「勘所」を働かせます。塾に通っていれば塾の先生との相談です。
いずれにしても「受験勉強」の全体像を把握することから始めます。
そのためには「志望大学」が必要になります。
どの大学のどの学部を志望するかです。
そうすると必然的に受験科目が決まります。
国公立大学なら、共通テストと二次試験の各教科・科目の配点が決まっています。
共通テスト重視か二次試験重視かが分かります。
どの教科・科目を重視して勉強しなければならないのかが決まります。
いまは多くの私大でも”共通テスト利用”という受験制度があります。実際にその大学の入学試験を受けなくても”共通テスト”の得点で合否が判定される便利な制度です。
参考書ルートという長い道のりを念頭に置きつつ、目の前の参考書を完璧にすることも大切です。
そのためには「目次」を確認することにより、その参考書の全体像を把握することです。
その参考書を勉強するだけでは中々 完璧になったか分からないと思われます。
次の参考書に進むことにより、その参考書の役割が分かることもあります。
その参考書に立ち返り、復習する時間もスケジュールの中に入れておく必要もあると思われます。
いずれにしても参考書や問題集、教科書を含めて「目次」を大切にして下さい。
そして、単元ごとに一気に勉強していきます。
単元ごとに体系化し、参考書全体でも体系化していきます。
全体像を把握したり、何を学んだのか、何が重要なのかを人に説明できるレベルにあるのか確認して下さい。
人に説明できるとは”抽象化”できていることになります。
”具体的”に学びながら”抽象化”していくことがとても重要になります。
”抽象化”できているからこそ、応用できるのです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。