国公立大・理系 志望の人は「数学」「物理」「化学」と言う教科・科目を攻略する必要があり、これに「英語」が加わります。
そして、”共通テスト”という壁も乗り越えなければなりません。
これらを”共通テスト”は高3の1月中旬までに、志望大の”二次試験”は高3の2月末までに仕上げなければなりません。
これらを”学校の勉強”とは別に、”志望大学合格に向けた受験勉強”として各人のカリキュラムを作成し、スケジュール管理をする必要があります。
志望大学・学部が違うため、”受験勉強”は一人一人 違います。
「化学」の勉強法に関しては、
「2024年 武田塾参考書ルート 化学編」(武田塾)
「独学で物理・化学を勉強するときの落とし穴」(CASTDICE)
「物理・化学の全体像」(PASSLABO)
「理論・無機・有機のつながり」(PASSLABO)
「化学が苦手な人の勉強法」(桜凛)
「化学が苦手な人でも得意科目にする勉強法」(桜凛)
でいくつかのYouTube動画を紹介しました。
「化学」は、「理論」「無機」「有機」と分かれていて迷子になりやすい教科です。
「化学」は”暗記”と”理解”が半々とも言われています。
「独学で物理・化学を勉強するときの落とし穴」の中でも”暗記”に偏ったり、”理解”に偏ることの落とし穴について言及がありました。バランスが重要です。
「物理・化学の全体像」の中でも”暗記”や”理解”や”計算”などがあることが「化学」の特徴だと言っています。
ただ、面白いことに「化学が苦手な人の勉強法」や「化学が苦手な人でも得意科目にする勉強法」で初学の人や「化学」が苦手な人にとっては、何を”暗記”して、何を”理解”すれば良いのかわからないと言っていることです。
妙を得ています。
桜凛進学塾の新宮さんの「化学」に関する考え方は、「化学」は体系的な科目だということです。
そのためには、「データベース」を作成することだと言っています。
新宮さんの言う「データベース」とは、亀田先生の『面白いほどわかる本』シリーズの別冊である「データベース」のようなものではないかと思っています。
一度、書店で手に取って見て下さい。
購入するか動画は別です。
入門書としては『宇宙一』が好評です。
『面白いほどわかる本』シリーズは、
『大学入試 亀田和久の 化学基礎が面白いほどわかる本』
Ⅰ 物質の構成
第1章 物質の分類
第2章 物質の三態
第3章 原子の構造
第4章 元素の周期律
Ⅱ 化学結合
第5章 イオン結合
第6章 共通結合
第7章 分子
第8章 金属結合と結合の強さ
Ⅲ 物質量
第9章 化学式量と物質量
第10章 溶液の濃度、反応式からの計算
Ⅳ 酸と塩基の反応
第11章 酸と塩基の定義
第12章 pH の定義と計算
第13章 中和反応と塩の生成
第14章 中和滴定
Ⅴ 酸化還元反応
第15章 酸化と還元の定義
第16章 酸化剤と還元剤
第17章 酸化還元滴定
第18章 イオン化傾向と電池の基本
『大学入試 亀田和久の 化学[理論・無機]が面白いほどわかる本』
Ⅰ 物質の状態と気体
第1章 物質の状態変化
第2章 気体の状態方程式と気体の法則
第3章 実在気体と飽和蒸気圧
Ⅱ 固体の構造
第4章 固体の分類と金属結晶
第5章 イオン結晶・共有結合の結晶・分子結晶
Ⅲ 溶液
第6章 溶解平衡
第7章 希薄溶液の性質
第8章 コロイド溶液
Ⅳ 熱化学
第9章 熱化学方程式とエンタルビー
第10章 ヘスの法則と反応エンタルビーの計算
Ⅴ 電池と電気分解
第11章 電池
第12章 電気分解
Ⅵ 反応速度と平衡
第13章 反応速度
第14章 化学平衡
第15章 電離平衡
Ⅶ 非金属元素
第16章 水素と貴ガス
第17章 ハロゲン単体の性質
第18章 ハロゲン化合物の性質
第19章 酸素とその化合物
第20章 硫黄と化合物
第21章 窒素とその化合物
第22章 リンとその化合物
第23章 炭素とその化合物
第24章 ケイ素とその化合物
第25章 気体の製法と性質
Ⅷ 金属元素の単体と化合物
第26章 アルカリ金属の性質
第27章 アルカリ土類金属の性質
第28章 両性を示す金属(Al、Zn、Sn、Pb)の反応
Ⅸ 遷移元素の単体と化合物
第29章 鉄の性質
第30章 銅と銀の性質
第31章 クロムとマンガンの性質
第32章 遷移元素の特徴と金属イオンの分離
『大学入試 亀田和久の 化学[有機]が面白いほどわかる本』
Ⅰ 有機化学の基礎
第1章 有機化合物の分類
第2章 炭素の結合
第3章 元素分析
第4章 異性体
Ⅱ 脂肪族炭化水素
第5章 アルカン(鎖式飽和炭化水素)
第6章 シクロアルカンとハロゲン置換体
第7章 アルケン(エチレン系炭化水素)
第8章 アルキン(アセチレン系炭化水素)
Ⅲ 酸素を含む有機化合物
第9章 エーテル
第10章 カルボニル化合物
第11章 アルコール
第12章 カルボン酸
第13章 カルボン酸と無機酸の誘導体
第14章 油脂とセッケン、界面活性剤
Ⅳ 芳香族化合物
第15章 芳香族炭化水素
第16章 フェノール類
第17章 芳香族カルボン酸と医薬品
第18章 窒素を含む芳香族化合物と染料
第19章 芳香族化合物の分離
Ⅴ 高分子化合物の基本と天然高分子化合物
第20章 高分子化合物の分類
第21章 糖類と炭水化物
第22章 アミノ酸とタンパク質
第23章 核酸
Ⅵ 合成高分子化合物
第24章 合成繊維
第25章 合成樹脂
第26章 ゴム
の構成になっています。
大きな単元が「20」、章の数が「76」あります。
勉強の大半が「データベース」作るに当てるのが新宮流です。
体系的な「化学」の体系を頭の中に構築していきます。それが新宮流です。
「化学」を克服した新宮さんをして、「化学」に”行間”とか”勘所(かんどころ)”のような言葉が出てきます。
ただし、この”行間”や”勘所”はどの教科・科目にもあると思っています。
これが初学の普通の高校生にはわかりにくいと思います。
参考書の表見的な字面(じづら)だけを読んだり、先生・講師の話を聞いても、この”行間”や”勘所”が身に付いていないと、「数学の解法暗記は無駄?」にある5段階中の2段階で止まってしまいます。
1対1対応で暗記するだけの勉強になってしまう可能性が高いです。
志望大学合格も覚束ない状態です。
「化学が苦手な人でも得意科目にする勉強法」に”速習”と言うのが出てきます。
上記の「データベース」を1単元につき2~3時間で学習し、理解し、体系化していきます。
この”速習”という考え方・勉強のやり方は非常に重要だと思っています。
これは「数学」や「英文法」などでも1単元・1項目を短時間で一気に勉強することがポイントだと思っています。
学校の定期テストのように7割・8割取れればOK、平均点を超えていればOKという考えでは「受験勉強」では失敗します。
「受験勉強」では一つ一つを完璧にしながら前に進む必要があります。
”速習”により一気に完璧にしていきます。体系化していきます。
新宮流の「化学」の勉強で言うと、上記の「データベース」を作る段階を「ステップ0」と位置づけています。
単元ごとに攻略して、体系化していきます。
また、覚えるべきことを一気に覚えます。
ただし、この段階では”理解”と”暗記”の区別がつきません。
とにかく一気に体系化して理解します。
ここでは、自分に合った参考書を使用します。
「ステップ0」ですが、ここが一番重要です。
ここさえ完成すれば、『セミナー』か『重要問題集』はチェックシートのように確認のために使うものになります。
頭の中に体系的な「データベース」が完成しているかの確認です。
「データベース」が頭の中に構築されていれば、『セミナー』や『重要問題集』はスラスラ解けるとのことです。
ここが「ステップ1」になります。
桜凛の新宮さんは、『化学の新標準演習』をオススメしています。
それは、この後に使う『化学の新演習』や『化学の新研究』と著者が同じだからです。
特に難関大を目指すなら『化学の新研究』の理解を重視しています。
そして「ステップ2」で授業を受けます。
一旦 参考書学習で自分の頭の中に「化学」の体系を構築した上で授業を聞くと、「これは大事です」と言われると、「それが大事」なのだと気づけるからです。
これは参考書や授業動画を何度も勉強することにも通じます。
自分のレベルがゼロの初学場合、30くらいしか理解できないかも知れません。
しかし、レベル30の状態でもう一度 参考書学習や授業動画を視聴すると、レベル0では気づかなかったことに気づけるはずです。そうすればレベル50くらいになるかも知れません。
レベル50の状態でもう一度 勉強するとレベル30では気づけないことに気づくはずです。
「先に進むことによって、わかることがある」に書いたように、一旦 最後まで勉強して全体像をつかみ、もう一度 勉強し直します。
全体を見たからこそ関係性がわかり、気づくことが増えてくるのです。
”理解”できたら”覚える”ことが少なくなってくる経験を以前 ブログに書いています。
「ステップ3」は「過去問」演習です。
大学ごとに求められるものが違っています。
いくら難しい問題集の問題が解けるようになったとしても、志望大学が求めているものとズレた勉強をしていると合格に近づけません。
志望大学の「過去問」分析・演習を少しでも早く見て、自分の勉強の方向性を定めるとこが非常に重要です。
特に”共通テスト”は、”センター試験”と随分 形式が変わりました。
この”共通テスト”対策も大きな負担になるはずです。
「数学」にしても「日本史」にしても、まず文章を読まされます。
何を問うているのか考えながら読み進まなければなりません。
「国語」の読解力です。
1対1で暗記しているだけでは解けません。
まず、何を言っているのかがわかりません。
普段の勉強は、「思考力・判断力・表現力」ですが、試験本番では「処理能力」です。
処理能力を高めるためには、演習・練習・特訓が必要になります。
高3の冬休みや1月になって、初めて”共通テスト”の「過去問」に挑んでも、既に残り時間は僅かしか残っていません。
PASSLABOの宇佐美さんは、「化学」の各単元を勉強した後の確認のために”センター試験”の「過去問」を解いてみることを薦めていました。
ぼくも「数学」なども”センター試験”の「過去問」で確認するのが良いと思っていますが、”センター試験”と”共通テスト”は全く違います。
桜凛の新宮さんも地方国公立大の「化学」二次試験よりも”共通テスト”「化学」の方が難しいと言っています。求められるレベルが”共通テスト”の方が高いと言っています。
本当に志望大学に合格したいと思うなら、この「過去問」演習にそれなりの時間をかける必要があります。そして復習をします。
志望大学 合格に足りないもの、差分を埋める勉強を行います。「受験勉強」です。
「英語」や「数学」、「現代文」「古文」「漢文」くらいは、高2の”共通テスト”同日くらいに力試しができるレベルにしておくことが大切だと思います。
できなくても構いません。できないことに気付くことが大切なのです。
残り時間はわずかです。
春休み、ゴールデンウィーク、夏休み、そして冬休み・・・
まとまった時間はあまり有りません。
ぼくも「古文」や「漢文」を勉強するときに、”助動詞”・”助詞”・”敬語”・“古文単語”・”句形”・”漢字”などを勉強していましたが、ふと「過去問」を見たとき、それらも大切なのですが、それらだけでは得点できないことに気付きました。
ぼくは受験生ではないので問題ありませんが、「受験勉強」の方向性を決めることは非常に重要です。
武田塾の参考書ルートを例に出すと、おそらく一番大変なのが「日大レベル」だと思います。
中々 参考書と参考書がつながらないと思います。
そもそも「覚える」とはどういうことなのかもわからないと思います。
「覚える」とはどういうことなのかがわからないので、英単語帳 一冊が終わらないのです。
単に参考書を一冊ずつ勉強していくのではありません。
共通テストや志望大学の「過去問」に挑み跳ね返されてからも大変です。
まず、あまりにも解けなさすぎてショックを受けるはずです。
受験科目の数だけショックを受けます。
このショックから立ち直るための時間が必要です。
本当に1年間で教科書1冊を終えるスピードで勉強していたら教科書レベルの勉強しかやらないことになります。
”速習”や”体系化”や”暗記”や”理解”や”過去問”など、「化学」の勉強法に登場した勉強法は他も教科・科目にも有効だと思います。
そして何より重要なのは新宮さんは「化学」の勉強を始める前に、「化学」ができる人に勉強法を教わっていることです。
過去に紹介して人たちの中にも、まず、勉強法・・・どのように勉強するかを決めてから受験勉強を開始している人がいるということです。
何(参考書)を勉強するのかではなく、どう(勉強法)勉強するのかが重要な視点です。
参考書でいうと、その時に勉強するレベル感さえ合っていれば何でも良く、自分に合ったものを選ぶことを推奨しています。
大切なのは「どう勉強するか」です。
参考書ルートが提示されていても、闇雲に順番に参考書をこなすだけでは前に進めていないことになります。
武田塾では参考書ルート以外にも、様々な勉強法も紹介しています。
参考書ルートも大切ですが、勉強法の方がもっと重要です。
受験勉強を始める前に、まず勉強法を決めることが大切です。
そして、受験勉強を進める中で自分のやり方に修正・確立していくことが大切です。
ここでも「守・破・離」です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。