ぼくは数学といえば『青チャート』という意識がありました。
だから、数学の参考書は真っ先に『青チャート 数学Ⅰ・A』を購入しました。
ぼくが受験勉強の勉強を始める前のブログやYouTubeで情報収集をしている頃、この『青チャート』の勉強法に関するものが多かったような気がします。
東大をはじめとする超難関大に合格した人たちのノウハウ紹介のようなものです。
ぼく自身は「こーやって勉強するのかぁ」と感心していたものです。
その一方で武田塾では一貫して『青チャート』を否定していました。
そして『基礎問題精講』推しです。
『青チャート』はみんな挫折するとの理由です。
難しい上に、問題量が多くやり遂げられる人を見たことないとのことでした。
やり遂げられない『青チャート』をやるよりも、『基礎問題精講』を完璧にすることの方が意味があるとのことです。
そして次のレベルの参考書へと移っていきます。
これが参考書ルートです。
武田塾では上手くいった特別な人を参考にするより、普通の人がどうやったら上手くいくのかに焦点を合わせている気がしています。
「『基礎問題精講』が終わった後にやる参考書」の2つ目の紹介動画(CASTDICE)で、『青チャート』『Focus Gold』『NEW ACTION LEGEND』(難しめな網羅系)に関しては、高1生のうちに『青チャート Ⅰ・A』に着手できるくらいがギリギリのタイミングだと言っていました。また、高2生の夏から『青チャート』を始めるなら遅いとも言っています。
また、旧帝大や早慶以上を目指す人以外は必ずしもやる必要はないと言っています。
全高校生・受験生に『青チャート』や『Focus Gold』が必要というわけであはりません。
今回の紹介動画では、武田塾の特別講師である伊藤さんによる『青チャート』『Focus Gold』を使って勉強してもいい人に関するものです。
伊藤さんに関しては「桜蔭を蹴る。都立高から東大へ -1-」
で紹介しています。
もう一度 簡単に伊藤さんのプロフィールを紹介すると、
小学2年生から日能研に通い始めます。
中学受験で国立(こくりつ)の東京学芸大附属小金井中学校に合格し進学します。
このとき桜蔭中学校も受験し合格します。しかし進学しません。
中学時代、塾はZ会に通います。
内部進学もできますが、再度 高校受験をし見事合格します。都立西高校です。
高2からZ会で数学を始めます。高3からZ会で英語と物理を駿台で化学の対策を行います。
そして、現役で東大 理Ⅱに合格します。
「都立高校から現役で東大合格」といわれても・・・
小2からずっと勉強していて、3度の受験のその全てで頂きに立った才女です。
本題に戻ります。
『青チャート』に向いている人の条件:
① 分厚い問題集をやり切る時間がある人
② 1つの参考書をやり切れる人
③ ある程度の計画を立てて、スケジュール通りに終わらせられる人
④ 問題を取捨選択できる人
条件① を満たす人の特徴:高校1・2年生のうちから勉強し始めることができる人
条件② を満たす人の特徴:取り組む参考書を一冊に決めて完成させる力がある人
条件④ を満たす人の特徴:学校の進度に合わせて、必要な問題だけを抜粋して取り組める人
『青チャート』に向かない人の特徴:
① 色々な参考書に手を出し、難しいときに逃げる癖がある人
② 新しい参考書に移る際に上手く方向転換できず適当に始める人
一つは時間的制約です。
これはCASTDICEと同じです。
・ CASTDICE では高2の夏では遅いと言っています。
・今回の紹介動画では高1・2生のうちから始める必要があると言っています。
二つ目は意志の問題です。
計画を立てて、スケジュール通りに終わらせられる、1冊の参考書をやり切れる。
これまでにも「鉄緑会」では中2・中3の2年間で数学ⅠA・ⅡBを一周(範囲学習)することを、「中高一貫校」では中3・高1の2年間で数学ⅠA・ⅡBを一周(範囲学習)することを紹介してきました。
「公立高校」では高1・高2の2年間で数学ⅠA・ⅡBを一周(範囲学習)します。
大体 2年間かけて1周目の範囲学習を終えています。
いつから始めるかの違いです。
「鉄緑会(中学)の進度について」の2つ目の紹介動画で「鉄緑会」では中学時の授業で扱うのは『基礎問題精講』レベル、宿題では一部 難しい問題も含まれている。高1で『青チャート』(ⅠAⅡB)レベルを1周、高2は応用問題でもう1周と言っています。
つまり、『青チャート』レベルに入る前に『基礎問題精講』レベルを固めているということになります。
時間的制約や意志の問題と合わせてレベルの問題もあると考えた方が良さそうです。
「各高校の数学・化学・世界史の進度」で紹介したように、公立高校でも学校によって数学の進度は様々なようです。
もし学校(高校)の進度に合わせるなら、賛否はありますが教科書傍用問題集で問題演習を行う一方で、『基礎問題精講』を固めていくのが良いかと思います。
そうすると高1の3学期くらいから『青チャート 数学Ⅰ・A』に入れます。
(中高一貫校なら各自の進度に当てはめて検討して下さい)
高2では、数学Ⅱ・Bの範囲学習をしつつ、数学Ⅰ・Aは深化や復習を行います。
非常に忙しいです。
ポイントは夏休みや冬休みなど長期休暇と土日祝の活用になると思います。
部活動にもよりますが、学校の授業で考えると年間180日は休みです。
理系であれば高2中に数学Ⅲの範囲学習が終わるスケジュールで先取り学習していく必要があります。
本当に理系は大変です。
ただし、数学ができれば進学の選択肢が広がります。
条件④ は「難関大志望者 数学おすすめ参考書」で紹介されている、苦手な問題・分野だけを特化して集中的に活用する方法と似ています。
ぼくも『青チャート』をやりましたが、コンパス1~3までと、4・5は難易度が違います。
もし『青チャート』を全部やらないのなら『青チャート』でなくても良いのではとの考えもあると思います。
あの CASTDICE でも、参考書フロー(2023)で地方国公立(理系)レベルで『青チャート』ではなく『黄チャート』に変わっていました。
参照:「CASTDICE 2023 数学(理系編)参考書フロー」
範囲学習を終えて『黄チャート』です。ここでは『基礎問題精講』はやりません。
『青チャート』『黄チャート』は新課程版に刷新され、例題の動画が見れるとのことです(参考書を購入して確認していません)。
解説動画を活用すれば、参考書を読んで勉強するよりは理解はできると思います。ただし、視聴することに時間がかかります。時間の無駄にならないよう活用して下さい。
公立中学から公立高校に進学する場合は、「中学数学」と「数学Ⅰ・A」の接続に注意が必要です。
学校の授業も中学のペースに比べ、もの凄いスピードで進んで行きます。
時間当たりも多くのことを学びます。
覚えることも重要ですが、考えること・理解することも必要です。
復習と問題演習を絶えずやり続ける必要があります。
一つ一つバラバラに学習することを体系化していく必要があります。
『青チャート』も『黄チャート』も『基礎問題精講』も網羅系参考書です。
「『基礎問題精講』の勉強法」を参考に勉強して下さい。
紹介動画:武田塾
■『青チャート』『Focus Gold』で大丈夫な人ってどんな人■
高田先生は『青チャート』批判をすることで、『青チャート』最強と思っている人たちから、度々 炎上している。実体験から『青チャート』をできている人は少ないと思っている。
伊藤さんも一理あると思っていて、むしろ正しいのではと思っています。
ただし、『青チャート』や『Focus Gold』を勉強して東大に合格する人がたくさんいるのも事実。
どんな人に『青チャート』や『Focus Gold』が合っているのかを解説します。
伊藤先生も『青チャート』を使いましたが仕上げられませんでした。周囲にいた仕上げられている人はどんな人だったのかという観点から思ったことがいくつかあります。
『青チャート』に向いている人の条件 ① :
分厚い問題集をやり切る時間がある人
伊藤先生は高3になってから、数学がヤバイと思い『青チャート』を買いました。
買ったものの高3から『青チャート』はまず無理。
→ 数学Ⅰ・Aであの問題数
→ 数学Ⅱ・B、数学Ⅲという3冊の量を1年間でやり切るには時間が足りない
数学Ⅰ・A / Ⅱ・B / Ⅲ の一冊に絞ればやり切ることは可能。
高3から三冊を始めるのは普通に考えて無理。
できれば高1から学校の進度に合わせてやっていく方がいい。
→ 最低でも高2からで、時間がある人というのが条件になる
条件 ① を満たす人の特徴:
高校1・2年生のうちから勉強し始めることができる人
高2生でも部活をやっていたらキツイと思う。
→ 高2から受験生のように勉強ができる人に限定される
『青チャート』に向いている人の条件 ② :
1つの参考書をやり切れる人
伊藤先生はそのタイプではなかった。
→ 色々な参考書の良いところを少しずつ利用していた
→ 気が変わってやりたくなくなるタイプだった
「この参考書をやる」と決めたら最後まで一冊に絞って、その一冊を完成させる力がある人に向いている。
条件 ② を満たす人の特徴 :
取り組む参考書を一冊に決めて完成させる力がある人
やり切る意思がある人。
→ 今の時点では『青チャート』を頑張ろうと思っていても・・・
→ 本当に3~6か月の長い時間、『青チャート』一冊をやり続ける自信はありますか?
→ そこを誓えるかどうか?
色々な参考書に手を出してしまう、難しいときに逃げてしまうような人は要注意。
『青チャート』に向かない人の特徴 ① :
色々な参考書に手を出し、難しいときに逃げる癖がある人
ex. 『青チャート』を始めたが途中で逃げてしまった・・・
→ ある1分野しかできないことになる
→ その状態で次の参考書に移ってしますと結構 危険
その場合はできている分野とできていない分野に分けて考える・・・
→ 新しく移った参考書でやるべき箇所を考えられるのなら良い
そういうことが考えられずに適当に始めてしまうと要注意・・・
『青チャート』に向かない人の特徴 ② :
新しい参考書に移る際に上手く方向転換できず適当に始める人
最初から『青チャート』ではなくて、もっと薄い参考書や確実に終わる参考書をやった方が良い。
『青チャート』に向いている人の条件 ③ :
ある程度の計画を立てて、スケジュール通りに終わらせられる人
ex. 『青チャート』はすごく分厚い。
→ ただ順番通りに最初のページから1日1~5ページずつ解く方法で進める・・・
→ いつまで経っても終わらない
無計画に参考書を進めると、中途半端なまま次の参考書に移ることになる。
ex. 『青チャート 数学Ⅰ・A』はこの期限までに終わらせると決める(計画を立てる)。
→ そうすると○月までにこの分野が終わっていないといけないという計画を立てる
→ ということは1日○ページのペースで進めていくという計画を立てる
『青チャート』を終わらせるという見込みを立てて、スケジュールに落とし込む必要がある。
当たり前のように聞こえるが、できていない受験生がほとんど。
『青チャート』をみんな持っているけど、それをいつまでに終わらせる計画なのか?
→ 『青チャート 数学Ⅰ・A』の問題数と1日 何問のペースで進めていくのか?
→ 復習はいつするのか?
→ 何周する計画なのか?
実現可能ないつまでに終わらせるかの目標・計画を立てている人は、まだ間に合う見込みがある。
→ ほとんどの人はその計画がないまま、とりあえず配られているから1日2~3ページ進める
→ 参考書を変えたくないので、とりあえず『青チャート』でやっていく
無計画なまま、何となく『青チャート』や『Focus Gold』を進めている人が多すぎる!
だから、高田先生は「変えた方が良い」と言っています。
→ 『青チャート』批判
→ 炎上
『青チャート』に向いている人の3つの条件:
時間も十分あり、計画も立てられて、やり切る自信がある人
そういう人は伸びるし、東大・京大の理系や医学部に合格する素養がある。
この3つの条件はクリアして欲しい。
『青チャート』は完璧にできれば本当に強い問題集。
非常に良い問題集ではあるが、網羅的だからこそ意志を持って完璧にできる受験生はほとんどいない!
→ 気軽に『青チャート』を選ぶことには警鐘を鳴らしたい! (by 伊藤さん)
→ 慎重に判断する必要がある
もう一つ付け加えるなら問題を取捨選択できる人
『青チャート』に向いている人の条件 ④ :
問題を取捨選択できる人
『青チャート』の例題を全部 解くのであれば、今までの3つの条件は大前提になる。
→ 条件を満たしていない人はやってはいけないと思う
ただし、『青チャート』を辞書代わりとして利用するのはあり。
→ 問題演習のとき、「どこで出てきたかな?」「どういった解き方なんだろう?」と調べる
→ 網羅的なので『青チャート』は非常に有用
『青チャート』の上手な使い方:
問題を解いたときに、分野や解法を知るために使用する
学校の進度に合わせて、先生が解く問題・解かなくていい問題を指定してくれる。
→ 載っている全部の問題を解くという使い方ではない
→ 理由を持って上手く取捨選択できる人
条件 ④ を満たす人の特徴:
学校の進度に合わせて、必要な問題だけを抜粋して取り組める人
やるべき問題を取捨選択できる人は、時間がない場合でも使い道はある。
これまでに言った条件に照らし合わせれば、『青チャート』を使ってもいい人はだいぶ絞られる。
受験生の上位 数%のエリートにだけ認められた参考書が『青チャート』『Focus Gold』です。
[今回のまとめ]
・『青チャート』と『Focus Gold』に手を付ける前には
参考書をやり切る計画を立てることがとても大事!
・一冊完璧にできれば志望校合格に向けて周りと大きな差をつけられる!
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
武田塾:【数学】青チャート・Focus Goldが向いている人4選(2023/3/15)(7:29)