今回は「計算」についてです。
参考書でいうと『合格る計算』と『最速計算』の2択くらいになるのでしょうか。
ぼくも高校生の頃は、答えが出せればいいという中学生レベルの考えでした。
また、公式は導出できることが大切で、導出できれば公式を暗記(覚える)する必要はないとも思っていました。
正に「暗記」か「理解」か論争の一端です。
今でもはっきりと覚えているのは高1の数学の三角比で、
sin(180°- Θ)= sin Θ
cos(180°- Θ)= - cos Θ
tan(180°- Θ)= - tan Θ
を習った後の定期テストなどでは、いつも図を書いて導出していました。
正解になるので問題ないように思われますが、時間がかかります。
「公式に当てはめるだけではダメ」と言われてきたと思いますが、大学受験 数学では公式に当てはめて時間短縮します。
公式を暗記して自明の理として当てはめます。
もちろんその公式は導出できるように理解しておく必要があります。
その結果 時間短縮されます。
1つ目の紹介動画の中でも武田塾 特別講師の伊藤さんも「数学は理解が大事」とか「公式は導出できればいい」と思っていたそうですが、数学Ⅲの微分・積分になると計算力の重要性に気づかされたそうです。
計算するスピードの重要性です。
計算は正確性だけではダメで、スピードも要求される能力になります。
公式はスピードを速める魔法の杖です。
高1で習う”平方完成”。
y = ax^2 + bx + c を
y = a(x +p)^2 + q の形にする計算です。
ぼくは受験勉強の勉強を始めて、自分の思考過程と違う解答をみたりしました。
決して間違いではありませんが、式変形の行数が少なければそれだけ時間短縮になります。
ただ、この思考過程は癖として脳内にしみ込んでいます。
これを修正しするのは少し労力を要します。
簡単な問題でいいので計算演習が必要がです。これは『4STEP』などの教科書傍用問題集でいいでしょう。
入学試験は制限時間のある試験です。
特にセンター試験から共通テストに変わって、数学の問題は読む文章量が増え、考えさせられるようになりました。その分 計算のスピードはより重要になりました。
解き切らないというより、読み切らないということです。
読み・考える時間が必要なら、計算する時間を短縮していくしかありません。
また、数学の勉強で概念や考え方を理解し操作できるようにしても、計算ミスで取れるはずの点数を落とすことになればダメージは絶大です。
受験の鉄則は「取れる点を確実に取る」です。
特にCASTDICE では、センター試験では満点が取れるような人でも、共通テストでは怪しくなるようです。対策に苦心しています。
「共通テスト対策 数学・参考書ルート(武田塾)」でも、考えさせられる問題の対策法に苦労しているようです。
計算力は重要です。
「計算練習」には2パターンあるように思います。
1つは始点(問題)→ 終点(答え)で正確に終点にたどり着ける練習です。
小学生や中学生であれば、答えが正確であれば問題ありません。
2つ目が始点から終点に至る途中の思考過程です。
正確に答えが出ても、もっと効率的に時短で答えが出せるならその方法を習得する必要があります。
こちらは脳内にしみ込んでいる思考の癖を修正する必要があります。
思考過程を効率的にし、スピードを上げていきます。
数学は論理的とか思考力とか言われていますが、頭の中で考えているだけではダメです。
実際に手を動かせながら考えなければなりません。
図やグラフを書きながら考えなけれなりません。
文章・図・グラフなど様々な表現に置き換え・理解しなければなりません。
計算も同様に実際に手を動かしながらパターン化していきます。
「手が覚える」とはよく言われる言葉です。
効率的な思考過程と素早い処理能力。これらを正確に行います。
武田塾の参考書ルートにもCASTDICE の参考書フロー・ルートにも『合格る計算』は随所に登場しています。
きちんと時間を取って計算練習をすることが大切です。
1つ目の紹介動画:武田塾
■計算練習の重要性■
数学の勉強において「計算」は大事です。
計算練習の大事さとオススメの勉強法を話していきます。
[計算練習の重要性]
高:伊藤先生は計算練習をしていましたか?
伊:1・2年生の頃は「数学は理解が大事でしょ」と思っていた。
あまり計算練習をしていませんでした。
普段の定期テストだと気づかないのですが・・・
→ 模試を解くようになってからは解き終わらず、計算でいつも間違える
特に顕著だったのが数Ⅲになると、微積の計算が複雑になってきた。
→ そうなったときに、この計算のスピードだと到底 戦えないと思った
計算練習は大事だということで・・・
→ 主に微積や複雑な関数の計算などを練習しようということで対策した
高:そこのスピードの差はすごく顕著に出ますし、計算ミスが多い人がいると思うのですが・・・
そういう人は計算の練習が不足しているから正確性が低くミスが頻発
高:生徒を見ていると特に思うかもしれないですね。
伊:もったいないと思う。
→ 「考え方はわかっているのに、そこで計算ミスをしてしまうのか」
「その変形で間違えるミスは、この前もやってたよね?」
取れる点数が取れないのは一番もったいないし・・・
受験で差がつくのも実はそういうところです。
高:考えながら計算をしてしまう人は、「まだまだだな」と思うことが多い。
→ 「ここの計算どうするんだっけ・・・」
難関大の合格者にそんな人はほとんどいない。
→ 計算は手で覚えている
自動的にできるという感覚の人が全員という印象なのですが・・・
伊藤先生から、当たり前のレベルを高校生たちに伝えて欲しい。
伊:考えないと変形や次の計算ができないのは三流。
私も最初は三流でした。
覚えるのが嫌いで「三角関数の変形とか導出すればよくない?」
「わからなくなったら書いてみて考えればよくない?」と思っていた。
実際にそうすると全然 進まない。
→ みなさんも感じていると思いますが・・・
しかもその時間はすごく無駄。
高:考え方を学ぶために数学の参考書を勉強しているのに計算でつまずいていたらもったいない。
伊:しっかり覚えたり、手で身につけるまでやっていれば0~1秒で書けるところを・・・
その度に3~10秒と時間を取られたら、それは他の受験生とめちゃくちゃ大きな差が出る。
高:導くよりも覚えてしまうということですね。
伊:数学で覚えることはそんなに多くないので、覚えようと思えば覚えられますよね。
そこの甘えが受験の1~2点を左右する。
同じような甘さがどんどん積み重なっていって・・・
気づいたときには大きな差になっていると思います。
受験勉強全体において・・・
そういう細かい所まで気を配れて「自分に厳しくできますか?」という所が問われている。
甘く見ないでしっかり覚える所は覚える。
計算練習はしっかりして、考えなくても変形や計算ができるようになる。
高:数学の基礎体力みたいなところですよね。
数学の参考書『基礎問題精講』『青チャート』『1対1対応の演習』・・・
そこで学ぶのは数学の考え方や解き方であって・・・
計算の練習は別でしないといけません。
考え方を学ぶことに集中したい・・・
細かい式変形の計算で手間取って欲しくないので・・・
基礎体力をつけるという意味で計算練習は必須だと思いますし・・・
難関大でスピードでも差がつく部分だと思うので・・・
特に共通テストの数学は計算力がないと終わらないと思います。
伊:高1・2のとき共通テストを解いた場合、あまり公式を覚えていなかったので・・・
「微積でこれは何公式だったっけ・・・」といちいち止まり半分くらいしか終わらなかった。
高:迷いが生じたんですね・・・
伊:共通テストは迷っていたら一瞬で周りに置いて行かれるので・・・
計算がいかに重要かまだ実感が湧いていないのなら、共通テストを解いて欲しい。
共通テストを時間を計って解いて、自分の計算力で本当に解ききれるのか確認する。
高:数学において計算力は大事という話をしました。
[オススメの勉強法]
高:ここからオススメの勉強法について話していきます。
(高田先生のオススメ)
計算練習の目安として1日30分 計算練習の時間を作る。
オススメの参考書が何冊かあって『合格る計算』シリーズが一番 王道の計算練習の教材です。
『試験時間と得点を稼ぐ 最速計算』シリーズ。
学校で配布される『4STEP』『サクシード』など教科書傍用問題集を使いながら・・・
自分の苦手分野をピックアップして欲しい。
一番最初の因数分解や展開から始まりますが「そこはさすがに自信あるよ」という人も多い・・・
計算が苦手な分野を選んで印をつけておき、1日30分ひたすら計算して苦手を潰す!
→ ex. 三角関数が苦手・・・数列のΣの計算が苦手・・・
二次関数の平方完成でつまずいている人がいたらちょっとヤバイかも・・・
伊:そこまで難しくないし覚えることは1つだけですし・・・
意外とみんなに解かせてみると・・・
「平方完成ってどうやるんだっけ?」「何でそんな形にするの?」というのがわからない・・・
(伊藤先生は)計算練習するとき闇雲に計算するのではなく・・・
まずは理解してから・・・式変形には意味と理由があるので・・・
「平方完成はこういうためにやるのね(理由)」・・・
「こことここはこれを表しているのね(内容)」・・・理解してから計算練習をする。
※ ここでも”理由”と”意味(内容)”です。
→ 「なぜですか?」「どういうことですか?」
高:自分の不安な分野をピックアップして・・・
迷いなく自信が持てるレベルまで繰り返し解いていく・・・
そういう練習を積んで欲しいと思う。
他にアドバイスはありますか?
伊:ルーティーン化することはオススメです。
計算は朝 暗記は夜。
朝 頭が働いていてまだ元気なときに計算練習をした方がいいと思うので・・・
朝 勉強していない人は30分早く起きて、その30分に計算練習をする。
朝 きつい人は昼休みなど、どこかの時間で30分だけでもいいので・・・
1週間の計画を立ててルーティン化し計算練習をするというのが身につけて欲しい習慣。
高:計算練習は勉強の中で気軽に始めやすいものだと思います。
(1日の)最初の勉強を計算にしておくとハードルが低くていいと思います。
頭を起こすのにもすごくいいと思います。
[今回のまとめ]
・計算練習を疎かにすると周りと差がつくので
① 考えずに計算できるようにする ② 1日30分苦手を潰す勉強をする
③ ルーティーン化して計算練習の習慣を作る
以上の3つを押さえて勉強を進めていこう
2つ目の紹介動画:CASTDICE
■計算力を侮るな おすすめ計算参考書6選■
計算力特化の問題集を紹介。
計算なので数学の話になる。
いままでも『合格る計算』『最速計算』などを紹介してきた。
改めてそれぞれの特徴、今まで紹介していない参考書など。
全ての根源は計算。
『合格る計算』(ⅠAⅡB / Ⅲ)(文英堂)
計算参考書としてはNo.1
数学Ⅲまであるのが地味にありがたい。
ただ計算の練習をしていくのではなくて・・・
→ 意図を持って練習することができる
→ 「数学ができる」人がどういう思考回路で計算をしているのかを言語化している
→ 何となく計算していて、自分は何んで周りより計算が遅いんだろう?
数学ができるようになっているのに、計算のスピードは周りに負けている
→ こういう人が『合格る計算』をやれば力を伸ばせる可能性がある
その分野の知識がないのにやっても意味のない参考書になってしまう。
→ 最低での『基礎問』レベルができるになってから着手して欲しい参考書
コ:『合格る計算』の問題は、計算問題ではあるが少し問題の要素を取り込んでいる。
→ 計算の訓練をしながら、数学的なことの底上げも図れる
CASTDICE の難関大志望者にはほとんどやってもらっている。
『試験時間と得点を稼ぐ 最速計算』(ⅠA / ⅡB)(旺文社)
ルートに入っている参考書
非常にコンパクト。
計算に必要なエッセンスはきちんと含まれている。
きちんと練習もできる。
難易度的に初学者でもやり易い。
→ 『合格る計算』との違い
→ 『合格る計算』にボリューム的に劣る部分もある。
計算は早い段階(時期)で速く(スピード)しておくことがすごく大事。
→ 『最速計算』を早い時期にやっておくことで数学の進捗が速くなることもある
新高1の人は、高校入試が終わった段階で・・・
→ 『最速計算 ⅠA』と『入門問題精講 ⅠA』をやっておくだけでも非常に有利になる
『基礎からのジャンプアップノート 計算 演習ドリル』(ⅠAⅡB)(旺文社)
かなり基礎的な参考書
立ち位置は若干『最速計算』に近め。
より硬派かつより簡単。
教科書的な参考書。
→ 『最速計算』は小倉先生が書いているので塾的
学校の授業について行くのが厳しくなったときにやる。
→ 先にやっておくというよりは、授業について行くのが厳しくなった段階でやる
→ 学校のついて行きやすくなる
数学ⅠAⅡBしかない。
→ 数学Ⅲをやりたい人は他をやる
『カルキュール 基礎力・計算力アップ問題集』(ⅠA / ⅡB / Ⅲ)(駿台)
伝統ある計算参考書
解説が充実しているわけではない。
問題数は結構ある。
→ 計算のやり方はわかったが身についていない
→ スピードアップするために練習が必要な人
『合格る計算』『最速計算』をやった人がプラスアルファでやる参考書。
数学Ⅲがあるのがありがたいポイント。
計算が明確に苦手な人はやらない方が良い。
→ 時間の浪費になる
→ ある程度コツが掴めたのでもっと練習を積みたい人向け
『数学の計算革命』(駿台)
駿台の清先生の参考書
26テーマあり、それぞれ1週間分 7つのテストがある。
→ 導入+7つのテスト
→ それぞれ制限時間がある
暗算でテストする参考書。
鉄緑会の参考書程 鬼畜な時間設定ではない。
1~7個目までのテストがある。
→ 1個目はかなりユルユル
→ 7個目は結構 難しいし時間的にも難しい
→ 難関大学を目指すならやれた方が良いレベル
独学で勉強していて、どれくらいのスピードで計算できればいいのかわからない・・・
→ 学校などで周囲の人と比較できる人はいい・・・
→ そうじゃない人はこの参考書をやって自分のレベル感を掴む
『鉄緑会 基礎力完成』(ⅠAⅡB)(鉄緑会)
非常に難易度の高い参考書
東大や難関医学部を目指す人はやっておいてもらいたい。
一般感覚からすると理不尽な気もするほど厳しい時間設定。
コ:鉄緑会の生徒に聞いたが「できません」と言っていた。
ナ:鉄緑会の頭がいい生徒に聞いたら「みんな終わる」と言っていた。
→ 理Ⅲが狙える上のクラス
コ:問題そのものと解説は優れている。
→ 制限時間を気にせず勉強するのには使える
ナ:制限時間を1.2倍くらいにして最初の講義部分を読んでみるだけでもかなり使える参考書。
コバショーさんからの紹介
『ドラゴン桜式 数学力ドリル』(ⅠA / ⅡBC / Ⅲ)(講談社)
非常に薄い。
今回紹介した中でも圧倒的に簡単。
本当に普通の計算問題。
→ 「この工夫でスピードアップ」というのはない
「ⅡBC」まである。
→ 新課程版
→ 学校の授業が終わったら家に帰って解く
→ 塾で授業を受けたら解く
→ スタディサプリを視聴したら解く
高1生や理系の人。
計算や網羅系は計画を立てて勉強することが重要。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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