最近「数学」のブログを書いているので『青チャート』か『基礎問題精講』かという選択に迷う人もいるのではないかと思っています。
ぼくは迷いなく『青チャート』をやりましたが(憧れの参考書でした・笑)、「武田塾」の参考書ルートにある『基礎問題精講』を最初に書店で見たとき、『青チャート』とは違う参考書だと思いました。
そういった点も踏まえて、今回は「武田塾」の2019年3月の動画を2つ紹介します。
2つ共同じ時期の動画になります。 2つ目の動画が先にあり、1つ目の動画がまとめのようになっています。
非常に多くの示唆に富んでいます。
「武田塾」は1年程度の受験勉強を目処に参考書ルートを作っています。 これま「マナビズム」などにも言えます。
だから、まず「1年間」ありきです。 この「1年間」の中でどういった「受験勉強」をすれば合格を掴み取ることができるかが”参考書ルート”であり、”スケジュール”であります(ぼくは2つを合わせて”カリキュラム”と言っています)。
一方、「CASTDICE」は東大・京大・医学部をはじめ、難関大学を目標とする「受験勉強」に関する情報を発信してくれていいます。 「勉強」の情報ではなく、あくまでも「受験勉強」の情報です。
だから、「難関大学に合格するために必要な受験勉強」ありきです。 それは決して「1年間」で終わるものではありません。
中学・高校の6年間単位で大学受験を考えています。 最後の1年間(高3)を完全に大学受験対策(過去問・復習・演習)に当てるために高2中に最低限「英語」・「数学」の範囲学習を終えます(高い水準で)。 できたら高1中に「英語」・「数学」の範囲学習を終えます(高い水準で)。
2つ目の動画がまさに的を射ています。
「武田塾」に受験相談に来る生徒は「受験勉強」が上手くいっておらず、また、受験が目の前に迫っている状況の生徒が多いそうです。 当然、「数学」が苦手な生徒が多いようです。
『基礎問題精講』のキーワードは「最低限」です。
『基礎問題精講』からは『標準問題精講』につなげるのが一般的でしょう。 中森先生は『1対1対応』などにはつながらないと言っています。 ”参考書ドラフト”でコバショーさんも『基礎問』の次に『標問』を指名していました・笑。
”本人の実力”と”志望大・学部の難易度”との”差分”をいかに残り時間で埋めるかです。
何を勉強すれば”合格最低点”をクリアできるのか、何とか”戦う”ことができるのかを考えます。
全てをやるのではなく効率・効果があるものからやっていきます。
1つ目の動画で中森先生は『基礎問題精講』が『青チャート』に劣ることを認めています。 ただし、そんなことを心配するより、まずは『基礎問題精講』を完璧にすることを優先すべきだと言っています。
また、2つ目の動画の中で中森先生は「受かっている人は『チャート』をやっている」と話されています。
中森先生は一貫して「できるのなら『青チャート』をやる」ことを薦めています。
理系や難関大を目指すのなら『青チャート』をしっかりやって次の参考書・問題集に入るのが良いでしょう。
ただ、「数学」が苦手だったり、「時間」がなかったりするので『基礎問題精講』をやることになるのです。
また、中森先生は「『チャート』が出来る生徒は中学受験などで勉強をやってる」点を挙げています。 中学受験のための小学生の時の「算数」や「中学数学」がちゃんとできているのです。 コバショーさんも常に「数学」の”積み上げ”について言及しています。
定期テストで8割や9割取れれば良い点数でしょう。 しかし、1割・2割はできていないのです。 その出来ていない点をそのままにして前に進んでいませんか。
「中学数学から大学受験数学の基礎まで眺めてみると」に書いたとおり、公立中学校から公立高校に進む生徒であれば、中学生の間に『入門問題精講』に入り、「中学数学」とつなぐことができれば「中学数学」の「復習」をすることができます。 「中学数学」のその先に進むことにより、「中学数学」で学習したことの意味が分かります。
公立校では中学校と高校とが分断されています。
『青チャート』と『基礎問題精講』を使う前提(実力・残り時間など)が違っています。
残り時間の中で、志望大学・学部に合格する力をつけるためのルート全体の中の参考書のひとつです。
どういったルートを通って目標に向かうのかという大きな道のりが見えていないといけません。
単に参考書1冊を完璧にすることが目的ではありません。
(1つ目の動画)
- 青チャート vs 数学 基礎問題精講 -
【結論】 全部できるなら『青チャート』、終わらないなら『基礎問題精講』
[問題数(例題)の差]
青チャート 基礎問 差 比率
・ 「数学Ⅰ+A」 329題 145題 184題 44%
・ 「数学Ⅱ+B」 420題 167題 253題 40%
・ 「数学Ⅲ」 293題 125題 168題 43%
『基礎問』は『青チャート』の40%チョットしか例題数がない
『青チャート』の例題は『基礎問』より難しいものもある
→ 『基礎問』は『青チャート』の2~3レベル程度が中心
→ 『基礎問』の網羅度は6割程度、演習量も少ない
[違いについて]
・ 『青チャート』 ・・・ 最終的に身につけて欲しい結論が簡潔にまとまっている
→ そのまま覚えたら使える
→ 裏を返せば、その説明で理解できないともう少し詳しく掘り下げないとダメ
・ 『基礎問題精講』 ・・・ 解説がわかりやすくかみ砕いた説明
→ ”指針”・”CHART”が”精講”になっていて、話口調でかみ砕かれている
→ ”そのまま覚える”というよりは”分かりやすい説明”
解答も丁寧で途中計算の説明などもある
字が大きい
『基礎問題精講』は初学者向き
『青チャート』は難関大志者向き
「武田塾」の参考書ルートは”短期間で終わるもの”を選んでいる
→ 受験を1年間で何とかしようとしている
POINT : 最終的に覚えて欲しいのは、『青チャート』の解答
[「数学Ⅰ+A」が終わるまでの期間]
・ 『基礎問題精講』 ・・・ 1日10題 3週間(「4日2日」のペース。 週40題程度)
・ 『青チャート』 ・・・ 1日10題 2か月
→ 『青チャート』の方が問題(1題あたり)が短いのでかかる日数は1.5~1.8倍程度
Q : 『青チャート』が扱っていて『基礎問』が扱っていない範囲があるが本当に大丈夫?
こんなに問題数が違ったら致命的な問題もあるだろう?
A : あります (by 中森先生(いまは”塾長”です))
→ 『基礎問』でカバーできていない範囲はある → その後の参考書でフォローする
(中森先生) 『基礎問』ができない人が、そこを気にする必要はあるの?
→ 後で考えよう!
→ まずは『基礎問』を完璧に
→ 『基礎問題精講』が解けない人は、まだ気にする必要はない
[次にやるべき参考書]
・ 『基礎問題精講』 ・・・ 薄くてレベルが分かれているものを必要なレベルまでやっていく
→ マセマシリーズや『標問』など
・ 『青チャート』 ・・・ 手堅く手厚い参考書を進めていく
→ 『1対1対応』、『重要問題集』など
【今回のまとめ】
自分の状況をふまえて、コスパのよい『基礎問題精講』か、力のつく『青チャート』かを決めるべき
→ 「数学」を武器にしたいのか、どれだけ時間を使えるのか、入試までに終わるのか、・・・
(2つ目の動画)
- チャート式(青・黄)と基礎問題精講の違い -
【高田先生の言い分】
[2つの参考書の大きな違い]
・ 問題の数
・ 難易度
『チャート式(青・黄)』 ・・・ 基礎問題から入試レベルの問題で、幅の広さと問題数が多い
『基礎問題精講』 ・・・ 基礎のレベルに絞って、問題が厳選されている
→ 『Ⅰ・A』 145問、『Ⅱ・B』 167問、『Ⅲ』 125問
学校でチャートとかを配られて失敗してきた人をたくさん見てる・・・
数学が苦手、残り1年で国公立理系を目指す場合
→ 『チャート式』の「Ⅰ・A」~「Ⅲ」の3冊を仕上げるのは、残り時間を考えたら無理
→ 逆転合格するならば厳選された問題の『基礎問題精講』
問題数が少なくて心配な人がいる
→ 高田先生は、『チャート式』は問題数が多すぎて挫折 → 『基礎問題精講』(「Ⅰ・A」、「Ⅱ・B」)に切り替える
→ 仕上げたらセンター試験で7割取れた → (参照 : 「大学受験は高1からスタートです(早く始めましょう)」)
→ 京大・文系数学で9割取れた → この通りちゃんとやれたらば点数は取れる
【中森先生の言い分】
「武田塾」のルートは受験学年から「数学」を始める場合の視点
『チャート式(青・黄)』 ・・・ 分厚い網羅度の高い参考書 → 終わりさえすれば最良の”武器”になる
難関大学の理系数学にも対応するのに身につけた完成度の幅が広い
やるならば終わらせる → 間に合わないのなら『基礎問題精講』
(中森先生) 高田先生の目線は”文系数学”・・・
”理系数学”だと「数学」の重要度が全然変わってくる
→ 『チャート』が使いこなせないレベルで本当に理系難関大学に受かるのか?
『基礎問題精講』 ・・・ 厳選された問題を徹底的に繰り返し、”最低限”の力で乗り切る
→ 必要なレベルで止める、難易度を下げたものを使う、1問だけ解く → ありとあらゆる削減手段を使う
→ 薄い参考書で志望大学にピンポイントで必要なぶんだけやっていくという戦略になる
終わればどっちでもいい → ”時間”がかかるので早くやってね(始めてね、終わらせてね)
後の教材にも影響を与える
→ 『1対1対応の演習 数学』や『重要問題集』 → 『基礎問題精講』をやった人にはオススメできない
→ 基礎を身につけた人向けではなく、『チャート式』・『Focus Gold』をやった人向け
→ 難易度の高い参考書を使う下地として、『チャート式(青・黄)』、『Focus Gold 4th Edition 数学』をやる
『基礎問題精講』は”最低限”、『チャート式(青・黄)』は”武器” → そもそも”ゴールが違う”
→ 「数学」に苦手意識があるか、「数学」を武器にしたいかで話が噛み合わない
(高田先生) 『チャート』で失敗してきた生徒を見てきたからこその意見
→ 「武田塾」の受験相談に来る生徒jは受験勉強が上手くいっていない
→ 上手くいっている生徒は自分で勉強している → 受験相談に来ない
(中森先生) 受かっている人達は『チャート』を使っている
→ 『チャート』を薦める人が多いのは絶対ある
→ 本人にとて受かるか受からないか、あるいは「数学」をどこまで仕上げるのか
(高田先生) 間に合うのなら『チャート』を使うのもありだと思う → 多くの生徒が間に合わないのではないかな・・・
一度 計画を立ててみる → 理系志望で「ⅠA」、「ⅡB」、「Ⅲ」を仕上げる → その上の参考書をやる
『チャート式(青・黄)』をやる場合、
→ 難易度の高い参考書の追加も、スケジュールが入試まで間に合うのならGO!
→ 間に合わなければ別の手段として『基礎問題精講』
『チャート(青・黄)』ができる生徒はもともと中学受験などで勉強をやっている
→ 貯金の差がかなり大きい → 「算数」+「中学数学」
→ 環境の差もかなり大きいかも・・・
【今回のまとめ】
『基礎問題精講』と『チャート式(青・黄)』は”最低限”か”武器”にするかの選択
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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