前回」に引き続き今回も「灘」です。

今回は「MEDUCATE」の動画から灘高校の一端を見ていこうと思います。

元ネタは細井先生の母校 「千葉大学医学部」についてです。 全部で5本のシリーズですが、その3~5の動画です。

登場する先生の1人が「灘高校」出身の加藤先生、もう1人が千葉県の「市川高校」出身の唐鎌先生です。

加藤先生は東大理Ⅲ志望でしたが現役時代は1点足りず不合格となりました。 大阪で浪人し再度、理Ⅲを受験しましたが5点足りず不合格となり後期で千葉大学医学部に合格しました。

唐鎌先生は現役で千葉大学医学部に合格しています。 市川高校から千葉大医学部はトップ生が進学するレベルだそうです。

「MEDUCATE」(細井先生)の動画ということを念頭において読んで(動画を見て)ください。

 

加藤先生の学年は、灘高(220人)から東大理Ⅲに約20人京大医学部に約20人多くの人が東大理Ⅰ・理Ⅱに進学しています。 だから加藤先生はその他大勢になります。

灘高での千葉大医学部の認識は”千葉の大学”というものです。 千葉というところにあるらしい(by 細井先生)。

灘高生から見た大学ランキングは、「東大理Ⅲ」は「凄い」。 上位50人の中から誕生します。 

「京大医学部」は「おぉ すごいな」。 京大医学部は理Ⅲを目指していたが受けれない人が行く。 受けれない人とは”浪人が怖いわ”という人です。 理Ⅲと京医の間には明らかな上下関係があります。 京医の中にも理Ⅲに受かるだろうの人もいますがそれでも京医に受かった人の極一部。

「大阪大医学部」は「まぁ すごい」(すごいと言えばすごい)。 阪大医学部に行くのは真ん中よりちょっと上くらい。 70~80番くらいの人が行く感じ。

「東大理科一類」は「人」。 (井上弁護士も理Ⅰは”無色透明”。 頑張った感、受験のドラマ性がない、と言っています) 理Ⅰに合格しなければ「どうしたんだろう?」と言われる感じです。 理Ⅰに行くのは90番~半分かもうちょっと下から頑張って成績を上げた人もいます。

「東大理科一類以下」は「日陰」。

(ここまでの話は前回 澤井さんの”灘高ピラミッド”と合致します)

市川や渋幕で理Ⅲが一人出たら「すげぇ!」ってなるけど灘だと「すごいなぁ」ではあるが普通です。 (理Ⅲの合格者数が)一桁になると「どうしたんだろう?」となる。

市川高校で千葉大医学部に合格するのは上位5~10番くらいになります。

(加藤先生) 理Ⅲに何点足りなくても落ちた人間は落ちた人間です。 所詮落ちた人間は一緒です。

(細井先生・唐鎌先生) 僕らもそういう環境にいたらもっと成績が上がっているよね。 周りに理Ⅲに受かる人がバンバンいて、あと1点というだけでも宇宙人だと思うけど”桁違い”がいる。

毎年理Ⅲのトップ合格は灘高出身(噂です)。

学年にも”桁違い”はいたが頭の構造が違っている。 「数学」の出来が違う。

細井先生が理Ⅲを受けたとき、試験が終わった瞬間「6完や」って言う人がいたけど、絶対”灘”だと思った。 灘は東大の試験会場で集まる。 東京の民(たみ)たちを牽制してくる。

中学受験でそもそも賢かった人が大学受験でも賢い人が多い。 ただ、一番下の方から上まで頑張って、理Ⅲに行ったというパターンもあるので、入ってしまえば結局”努力”も関係ある

(細井先生) 灘にはセンター試験(数学)を10~20分で解く人がたくさんいる。

(加藤先生) (模試で)数学を逆から解く遊びを聞いたことがある。

(細井先生) 苦笑。

加藤先生はセンター試験・数学が30~40分で終わるそうです。

唐鎌先生の市川中高での成績は中1から真ん中よりは上であったからトップではなかった。 高校に入って部活が終わるころから成績が上がっていった。

灘高から千葉大に行くのは1学年に1人いるかいないかです。

市川高から理Ⅲに行った人はいなかった。 東大・千葉医が最上位くらい。(ちなみに東大と理Ⅲ、京大と京医、慶大と慶医は別カテゴリーです)

千葉県はレベルの高い高校が渋幕、東邦、市川とあるがそれでも灘の下から50番くらいかもしれない。

どんな集団にもできない人はいるが灘高にもいる。 多浪もあるが引き篭ってしまうパターンもある。

(細井先生) 鳴り物で入っても化け物だらけの所だったら”自信を失う”。

千葉大医学部の出身別割合は県立千葉か渋幕がトップ。女子は桜蔭、 女子学院、豊島岡、白百合が多い。 都立から来る人もいる。 灘以外の珍しい高校ではラ・サールがいる。 理Ⅲ落ち千葉医パターン。

 

千葉医は成績開示されませんが、加藤先生はダントツ1位ではないといえば嘘になる・笑(「MEDUCATE」です)。 唐鎌先生の手応えは真ん中より下くらいです。 (細井先生) 結局”同じ学歴”です。

加藤先生の高1の頃は一番中だるみの時期でした。 部活ばかりやっていたので成績はあまり良くなかった。 上から60~70番くらい。 偏差値は70くらい。 最終的にその辺が理Ⅰに合格するので偏差値はそうなるのかなと逆算。

中だるみしない勉強大好きな人もいる。 (細井先生) 勉強に全然ストレスを感じない人もいる。

高3の始めの頃は上から40~50番目くらいまで上げた。 結局、上の層が厚いので順位は変わらない

東大模試など難しい模試になると偏差値90がいる。

高3春段階で理Ⅲは”C判定”でギリギリ。 高3最後の模試では学年順位は変わらない。 全員伸びていく順位は変わらないけどみんな実力がめちゃくちゃ付いてくる灘高生の高3のブースト力はめちゃくちゃヤバイ現役は特にヤバイ。 それまでも偏差値は70あるのに77くらいまで頑張って上げていく。

現役に理Ⅲに届かなかった敗因は、「英語」が得意じゃなかった。 その年の試験は英語が難しく数学が簡単だった。

(細井先生) 1点は誤字・脱字のレベルなので何も言えない・笑。 東大の「国語」は漢字が1問2点・笑。

加藤先生は漢字は全問正解です。 漢字ミスの禍根は残さない・笑。

浪人して灘以外の環境で勉強してみて、他の学校にも賢い人はいて世界が広がった。 灘にいると灘の世界しか見えていないので”自分らの方が賢い”みたいな奢り昂ぶった気持ちがある。

浪人中はかなりサボった。 友達増えますし。 恋愛とかね・・・。

(細井先生) 浪人中は特に男子校からするとめちゃ楽しい。 女子がいるし。

成績は伸びて、模試では全部”A判定”でした。 蓋を開けてみると5点差で理Ⅲ落ち。

浪人で理Ⅲに不合格となった敗因は、より一層「数学」に磨きをかけ数・理を完璧にしたら、「数学」だけではなく「理科」も簡単になっていた。 苦手の「英語」が普通に難しかった。 「英語」は80点弱(120点満点)。

(細井先生) 「英語」で100点以上取れる人は強い。 リスニングが意味不明。 音響設備もイマイチ。 「英語」は帰国子女が圧倒的に有利。

「英語」が苦手な人は「数学」が勝負。 「数学」が難しい年だと灘高の理Ⅲ合格も多い

「数学」は本番で”4完”ぐらいでした。 簡単だった割にミスが多かった。

反省点としては浪人には善し悪しがある。 真面目に勉学に励むべきだった。

「環境の変化がプラスになる人とマイナスになる人がいるので自分の特性を考えるべし」 

(ここからは市川高の唐鎌先生です)

高1の成績はそこまで良くなくて50位に入るか入らないかぐらい。 市川の50位は偏差値でいうと60いくかな・・・?。

灘の50位は偏差値70です。 渋幕で60強くらい。

高3の始めは順位はキープしたままで偏差値は65弱全体が上がっている

夏の模試で偏差値70前後

高3の春から夏で伸びた秘訣は、全然基礎を知らなかったので基礎をやったら上がった今まで点在していたものがベースを確認することでつながって 点数になり始めた

高3最後の模試の成績は、偏差値は72くらいで”B or C判定”。 高3の始めは”D判定”。

高3で一気に成績を伸ばした秘訣は、部活(剣道)を辞めて一気に成績が伸びた。 バリバリの体育会系で勉強は合間でコツコツ積み重ねていた。 加藤先生はラグビー部、途中で怪我して早めにリタイア。

(細井先生) スーパーマンみたいな奴がいる。 運動神経が抜群で頭もバリイイ、しかもカッコイイ。

灘にも一人いた。 バスケ部でイケメンで勉強ができて東大に行って”ミスター東大”ファイナリスト。 市川にもいた。

センター試験の得点率は、加藤先生が95%唐鎌先生が90%。 加藤先生のミス5%は文系科目・笑。

私立受験は、加藤先生はなし。 私立は国立より下だというイメージが関西だと強くて・・・。

 

(加藤先生) 慶応は関東だと”めちゃくちゃ賢い”という感じだが、慶応医学部は前哨戦。 「慶医取ったわ」みたいな。

(唐鎌先生) 市川だと慶応医学部に受かったら万々歳。 唐鎌先生も私立は受験生していません。 お金がきついので。 

(細井先生) 私立5~6校受ける人は本当に金持ちだなって思います(私立医学部の受験料は1校あたり6万円が相場。 入学金は100万~200万円が相場)。 2人とも私立医学部に合格しても、親が入学金を収めてくれない家庭です。 これが普通の家庭環境です。 親から私立に行くなら医学部に行かなくていいと言われて頑張って国立に行く。 家庭に迷惑をかけてまで行く場所ではない。 私立大学に合格して「やったー」って喜んでいる人がいるけど、細井先生は親に殺されるのではないかと思う。

(唐鎌先生) 家がなくなります。

(細井先生) 背水の陣で国立に行くしか医者になる道がないからやるしかない。

細井先生) センター95%あれば千葉大医学部後期合格は確実? 

(加藤先生) どこでも出せます。

(唐鎌先生) 後期は秋田大学に出願しました。 90%なら千葉大医学部はきつい。 93%くらいは必要。

細井先生) (千葉大医学部の)同級生の学力レベルは?

(加藤先生) 下・笑。

(唐鎌先生) 同じくらいの人が多い。

(細井先生) 中間層は偏差値70くらいで、理Ⅲ落ちからするとワンランク下。

(唐鎌先生) 理Ⅲ落ちと言っても1点。 ほぼ理Ⅲ。 

(細井先生) ぼくら(千葉大医学部・偏差値70)でも 一般の人から見たら”天空人”だけど上には上がいる。

細井先生) 偏差値75を超えるのは生まれ持った才能? 

(加藤先生) 生まれ持った才能も半分はあるが 本人の努力が最終的には効いているのかもしれない 賢い人が勉強しているから、当然賢くなるという当たり前の話

(細井先生) 自分たちも勉強していてすごく四苦八苦・試行錯誤する。 社会的には偏差値が上がっていてスゴイと思われるが、自分のことをスゴイを思ったことはない。 周りに同じような人がいるし、上には上がいるし。 勉強ってなんだろう?って思うときがある。 上には上がいて、勉強は終わりなき旅理Ⅲに行こうが千葉医に行こうが給料は変わらない

(加藤先生) そこが救いです・笑。

細井先生) 受験生生活を振り返ると楽しかった? 

(唐鎌先生) もうやりたくないです。

(加藤先生) やりたくないです。

細井先生) 目標をどこに定めて勉強をしていた?

(唐鎌先生) 医学部ならどこでも入れればいいと思って勉強していました。

(加藤先生) 理Ⅲをずっと目指していたのでやらされてる感がありました。

細井先生) 幼少期の親は教育ママだった?

(唐鎌先生) そこまでではなく、自分がやりたいことをやれという感じ。

(加藤先生) 完全に鬼のような親・笑。 気づいた頃には塾にいた。

(細井先生) トンネルを抜けたら塾でした。 灘に入ったら理Ⅲって言われる?

(加藤先生) 兄が理Ⅲだったので。 永遠に神童と比較される日々でした。 兄は高2の段階で理Ⅲ”A判定”でした。

(細井先生) お兄ちゃんは灘で何位くらい?

(加藤先生) 上位5人ですかね。

(細井先生) 神5(ファイブ)。

(加藤先生) それもあって自分のことを優等生だと思ったことはない。 身近にいるので。

(細井先生) お兄ちゃんは頭いい?

(加藤先生) またペンを持たせれば、もう一回理Ⅲに受かってもおかしくない。

(細井先生) レベルが違う?

(加藤先生) 努力がスゴイ。 努力に次ぐ努力で完璧な頭脳を作ったのではないかと思う。 ガリ勉でした。

(細井先生) 本当に頭が良い人は理Ⅰの数学科に行くとかたまに言うけど、医者というのは頭の回転だったり地頭の能力ってそこまで必要ないので、超優秀な頭をただの一般臨床に使うともったいない印象がある。 むしろ化学系とか物理系とかに行って多大な発見をしてくれた方がもしかしたら意義があるかもしれない。

 

 

灘高卒の加藤先生の口からよく出てきた言葉は”努力”です。

元々頭の良い人が一生懸命努力しているので凡人には追いつくことができません。

そして元々頭の良い人も小学生の時から塾に通っているので”才能”なのか”努力”なのか分からないと思います。

ひょっとしたら元々頭が良いのではなく、ずっと”努力”しているのかもしれません。

コバショーさんは「CASTDICE」にゲストが来た際、学校全体が受験モードに入るきっかけを必ず質問しています。 体育祭なのか文化祭なのか部活をやめたタイミングなのか。

学校全体が受験モードになればみんな受験勉強をします。 2人の先生が同じことを言っています。 偏差値は上がっていくが学校内の順位は変わらないみんなが勉強することの恐ろしさです。

学校内に限らず、全国の高校生・受験生が一斉に受験勉強を開始するとみんな伸びるので順位は変わらない現象が起こります。 本来”逆転”は難しいはずです。

中高一貫校であれば範囲学習は終わっています。 そこから過去問演習と復習です。

全国の先頭を走っている灘高生はここからさらにブーストします。 

唐鎌先生の話も示唆に富んだものがあります。 高3の春から夏にかけて成績が伸びた(偏差値が上がった)要因として”基礎のやり直し”を挙げています。

これを細井先生が上手い表現で解説しています。 

今まで点在していたものがベースを確認することでつながって 点数になり始めた」

まず「今まで点在していた」です。 ”点在”です。 既に頭の中に知識として存在しているのです。 ただしバラバラにです。 だから”やり直し”です。 

次に「ベースを確認することでつながって」です。 基礎から再確認することで頭の中にあるバラバラ知識が体系的につながり整理されます。 例えば「英文法」なら不定詞・動名詞・分詞を勉強し直すことにより、違いや使い方を整理し直し理解することだ思います。 あるいは「英文法」と「英文解釈」をつなげることもあると思います。 2つは同じようなことを学びます。 つながってくると覚えることが少なくなり小さくなっていく感覚がありました。

最後に「点数になり始めた」です。 整理し覚えたことを問題演習などで使えるようにしたのだと思います。 覚えることが目的ではありません。 使えるようにして得点に結びつけなければなりません。 どのように使うのかを問題演習の中で覚えます。 また得点につなぐための知識の使い方を覚えます。

あかもんの澤井さんも「英語」は中学レベルからやり直した話がありました。 灘高生なのでそんなに時間はかかってないはずです。

 

開成卒のコバショーさんが別格扱いにする「筑駒」と「灘」ですが、

これまでに登場した灘生は、弁護士の井上先生が「理Ⅰ」、あかもんの澤井さんが「文Ⅲ」、加藤先生が「千葉大医学部」に進学しています。

次回は地方出身の”天才” 現役「理Ⅲ」です。

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。

 

 

 

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