2019年春シーズン第17戦対Nomads戦 | エジプトでソフトボール Rising Sun

2019年春シーズン第17戦対Nomads戦

RS通信20190520 Nomads戦 担当:だん】

 

今日の月例は十六。ほぼ満月である。十六夜(いざよい)。

「十六夜はわづかに闇の初め哉」(松尾芭蕉)

満月からほんの僅か欠ける十六夜を闇の始まりに例えたのである。

歌人の永田和宏は最愛の妻河野裕子が癌に侵され、残り少なくなった命を慈しむ心をこんな歌にした。

「一日が過ぎれば一日減ってゆく君との時間 もうすぐ夏至だ」(永田和宏)

夏至=そこから先は日が短くなっていく、という恨みなのだ。

 

古来日本人は盛者必衰、会者定離、満つれば欠ける、といったもののあはれを感じてきた。こういう感覚はアメリカ人にはない。ピザとビフテキばっかり喰ってでかくなるアメリカ人はよろず大雑把で、思い切り投げて思いっきり打つという単純な野球をするというのが定説で、それは決して悪いことではない。今日引退表明をした上原浩治で一番印象に残っているのは、巨人のエースだったシーズン最終版に松井秀喜のホームラン王をアシストするために本数を争っていた対戦相手のヤクルトのペタジーニの敬遠を命じられた時、後続を打ち取ってベンチに引き上げる時に涙を流して監督の長嶋茂雄に無言の抗議したのだった。上原がメジャーを目指したのはよろず大雑把な野球に憧れたからなのである。アメリカ気質はおおむねカイロのCASLにも当てはまっていた、7年前までは。それが変わったのは2012年春ノルディ監督率いるRSがポン汰、牛といった170センチに満たない選手が躍動してスモールベースボールでトーナメント優勝してからだ。アメリカンスクールのグラウンドで、1塁走者が3塁を陥れる、外野手がすぐに内野に返球するといったRSの基礎戦術を反復練習し始めた。その後両チームは好敵手といっていい緊張感あるゲームを戦い続ける。2015年春、RSのリーグ戦初優勝、トーナメント完全優勝の時の「勝った方が優勝」の相手はNomadsだったし、2シーズン前はリーグ優勝のRSがリーグ戦4位のNomadsにトーナメントでの下剋上を許した。ほかのチームと対戦するときとは違ったリスペクトがNomads にはある。この日、勝った方が決勝進出という大事な試合、十六夜の照る1塁側には17人の選手が集まっている。ピッチャーは老練モンテ。本気モードで勝ちに来ている。先手必勝だ。

 

先攻はRS。前にランナーがいない時の打率は高いヒカルがレフト前にポテン、快足飛ばして2塁打。山内は左中間を深々と破る3塁打で先制。ノルディ、ガリバー、ミッチー、オマル、アニーと連続ヒット。立ち上がり不安定で単調になっているモンテを初球打ちで攻めてていく。無死2,3塁のゴロゴーの場面でオレンジはショートゴロ。1点入るがショートが少しお手玉したのを見てアニーは3塁に走り憤死。もったいなかった。二死1,2塁てヒカルはサードゴロ。前にランナーがいなきゃヒットなのに…でチェンジ。6点とったもののランナーを溜めて山内にまわせない。

 

その裏Nomads、3連打で2点取って無死1塁。次打者アフリカ系巨人のライトセンターへの凡飛球で一走はタッチアップ。セカンドにヘッドスライディングしてセーフ。気合入りまくってる。ミッチーはアフリカ系筋肉を投球術を駆使して三振に打ち取るも下位打線にセンターに打ち返され6-6の同点とされる。

 

二回以降モンテは立ち直る。前後の出し入れ、追い込んだ時の低い球、投球間隔を自在に操り老獪なピッチングでRSに決定的なチャンスを作らせない。一方のミッチーの投球も冴えるが軽打で当ててくるNomadsに得点を積み重ねられる。頭を越える大きな打球はない。ベンチのゴンザレスとだんが「外野もっと前」と叫ぶが、その間をライナーやゴロで抜かれて長打になってしまう。外野の守備位置は難しい。アウトを取ることだけを考えたら前進守備の方がいい。でもそれは長打を食らうリスクがある。それでも2回無死23塁、3123塁、4回無死23塁というピンチをそこからゼロで押さえる。ミッチー我慢のピッチングで耐えてRSの反撃を待つ。4回終わって912。ワンチャンスでひっくり返せる。ところが5回表はモンテに翻弄されて0点。そしてその裏、水も漏らさぬ守備を続けていたRSに綻びが出る。センターのポロリ、ショートの捕ってりゃ大ファインプレイのレフト前飛球ポロリ、悪送球。必死に粘るが7失点。残り時間も少なくここで事実上勝負は決した。

 

力勝負で負けた感じのする十六夜決戦。ハイタッチではSee you Friday!と言ったがそのためには水曜日のPBC戦に勝たなければいけない。さあ次負けると終わり。「散るぞ悲しき」とならないようになんとか粘って勝ちをもぎ取りましょう。DAIGO最終戦。11シーズンに渡って活躍し、初優勝の時の1番セカンドダイヤモンドグラブが印象に強い。お疲れさまでした。

せーのっ!ライジングサン!

 

MOM) 山内(4-4、前の試合から9打席連続ヒット)

ガキデカ) ガリバー(グローブ忘れ)

 

チーム名

1回

2回

3回

4回

5回

6回

RS

11

Nomads

1

×

18