2008/07/15
―翌日―
修斗達は地区の交流大会に出ていた。修斗達の地区では四大大会の一つだ。
「やっと、やっと試合が出来るぞ!」
修斗が満面の笑みで言う。
「いいか、絶対に勝つぞ…オッシャ!!」
一方、対戦相手島村高校
「今まで試合にも出たことない奴らや大差をつけてこい!」「ウッス」『こんな雑魚チーム余裕だっつーの!10人しかいねぇじゃねぇか』
試合が始まった。藤吉は相手の遥か上でボールをティップする。勝人がキャッチし、修斗にパス…『スパッ』―
―10分後、スコアは…28‐1、神山高校が圧倒していた。しかし…
「なんだ、あのファウルは!?お前交代だ。」「すみません!もう一度チャンスを下さい!」「…」「お願いします!」「嘉藤、お前出ろ」「ハイ!天野先輩、マークは?」「…4番だ」「分かりました。」
―その4番―
『何なんだよ、このチームは?オレは選抜にも選ばれてるんだぞ?ポテンシャルは明らかにこっちのほうが高いのに…』『ピーッ』
第二ピリオドが始まった。
二ノ宮がスティールした…しかし、外に…その瞬間、二ノ宮、嘉藤、修斗が飛び込んでいた。
『ガッシャーン』
誰もが余りの勢いに、呆然とした。
…藤吉と赤松を除いては。
二ノ宮が弾いたボールを赤松がキャッチし、矢のようにゴール下の藤吉にパスする。ディフェンスは190センチのセンターのみ。
藤吉はフェイクを入れる、ドリブルで一歩押し込む…急にリングに背を向けてしまった。相手が反応しようとした瞬間―『ボンッ』藤吉はバックボードにボールを当てていた。『パシッ』後ろから修斗が追い付き、アリウープを決めた。
―試合が終わった―「あっした!」「…あっした」修斗が4番に言う「相手をナメるなよ!」「はっ?なんでテメェなん…」「もうオレら友達なんやし!」「はっ?」呆然とする4番に、「じゃあまたな~」あっという間に行ってしまった。「あいつ何や?」4番が笑っていた。
「ヤッター!初勝利!「これで満足するな、相手の調子が悪かっただけかもしれんぞ!」「ハイッ」「さあ、練習だ」「オ~シ!やるぞ!」「オウッ!!」
対島村高校
最終スコア158‐3
バスケ!(2)
-修斗がパスを受けた瞬間、ディフェンスが群がりスティールしてしまった。
「クソッ」
スコアは-150対10 「こいつら弱っ!」相手が馬鹿にしたように笑っている。
『クソッ、でもどうにも出来ねぇ』
実は神山高校バスケ部は、修斗達が入学した年に出来たのだった。そして、相手は常に決勝まで進む鷹崎高校、神山は高校のスピードに圧倒され、弄ばれた。
試合が終わり、みんなが悔しさとふがいなさに茫然としているところに若林監督がやって来た。
「今の悔しさを忘れるな、さあ練習に行こうか。」
「ハイ!」駆け出す面々の目は決意に満ちていた。-
「あぁ、覚えてるよ。」勝人が答える。「でも、オーバーワークになっちまうよ。1時間30分走りっぱなしやぞ?」
「オーバーワークになるぐらいせなあいつらには勝てんやろ!?」
「もっとみんなのこと考えろよ!」
二人がつかみ合いになりそうになった時、「すみません、遅れました。」「二ノ宮か。」のんきな声に怒りがどこかへ行ってしまった勝人が拍子抜けして言う。勝人はもう少し離れた所で、ストレッチをしていた。「二ノ宮、毎日遅れてくるんどうにかならんのか?」「すみません。」「部活終わってからでいいやん。」勝人が割り込む。「明日は一年ぶりの試合だしな」『ハアハア』すっかり忘れられていた赤松が追い付いた。
「ナイスファイト!」さっきはあんなに冷たくした修斗も心から嬉しそうにしている。
-頑張る奴は認める。-
これが、このチームのモットーの一つらしい。
「ヨシッ、とりあえず終わり!明日に備えて各自でコンディション整えろ。」「おう!」
バスケ!
「暑っ!」ボウズの男の子が、ファイルでパタパタ扇いでいる。…汗だくだ。
「ホンマあつ~」またまた汗だくのツンツン頭が言った。
ここは神山高校、特に何の取りえもない普通の高校生が集まる。もちろん先程の二人も。
彼らが何故汗だくかというと…
-30分前-
『シュッ、…ゴンッ』「ちくしょう!」「全く入ってないぞ!」「イヤ、レイ・アレンに任せろー」
そう、彼らはバスケをしていた。…バスケが好きなのは確かなようだ。
それぞれ真剣な目でシューティングをしている。
「ダメダメ、リズム悪い!自然な流れで打たないかん!」
「オッケ」
『シュッ、…スパッ』
「ヨッシャ、次…」『♭♪』チャイムが鳴る。
「ヤベッ、みんな辞めろ」
周りにいたバスケ少年達も大慌てでボールを片付ける。
「調子良さそうやな、勝人」さっきのボウズが言う。
「そうか?普通やけどな」またまたボウズ、だがこっちは五厘に近い。
「お前はどう?修斗?」
「オレのシュートはレイ・アレン並やぞ!?」
「ハイハイ」
見た所全く普通、…かそれ以下の高校生たち。
『♪♭』
「おっしゃ!部活や~!」修斗が教室からあっというまにいなくなる。
「お願いします!へへっ1番乗り…」『ガチャッ』「おう、おせぇぞ」「か~っ、またお前がおるんかHR早過ぎだろ」「オレ、先走っとくぞ」『ガチャッ』
「チワッ」ひょろ長い子が入ってきた。『嘉藤か、今だにこいつは何考えてんのか分からん。(笑)』「ウ~ス」あっという間に服を着替えた修斗は勝人を追って外に行く。
途中で背の高い子と擦れ違った。細いが芯はしっかりしているようだ。
「急げよ藤吉」「おう!」
-そして、練習が始まった-
…走る、走る、走る、走る。…ただそれだけ。
「おっ」メガネがうずくまる。
「赤松休むならのけよ」修斗が冷たく言った。
「大丈夫です、キャプテン」
赤松が足を引きずりながら走る。…明らかにつっている。
それでも練習はさらに激しさを増す。
「オェッ」ツンツン頭が吐いた。「仲間が脱落か…」仲間ってのはツンツン頭の名前、一応。
今は吐いているが走る時に先頭にいたのは、この仲間と修斗、あと小さな子だ。小さな子に修斗が聞いた。「八畠どうや?」「まだ行けます。」修斗がニヤリと笑う。「じゃあダッシュ行くか」「ちょっと待て、ヤリ過ぎはいかんて」勝人が止める。「お前、『あれ』忘れたんか?」
-『あれ』とは何なのだろう-