孤高の鷲に捧ぐ

貴方は、Space Oddity に始まり、
貴方は、自作自演の複数のキャラに別れを告げながら、
貴方は、Ashes To Ashes で幕を閉じた。
そして、貴方の才能も閉じられた。
貴方は、ロックの英雄時代の終焉を諦観していた。
貴方は、70年代最後のダイアモンドだった。
貴方はHEROESの中で、こう歌っていた。
1日だけなら時間を取り戻せると。
1日だけなら英雄になれると。
1日だけなら私とあなた達は一体になれると。
そんなもの只の夢と判っていても、
夢に賭けようとした貴方だったと、ファンは今でもそう信じたい。
貴方の悲痛な叫びを 欺瞞に満ちた目で決して見やしない。
何時だって、羨望と憧憬の眼差しで見上げていたのだから。
貴方が信じる限り、可能な夢かも知れないのだと想い描きたい。
ああ!でもDB、
全てはトリップの仕業だったのか?
一時代を担ったビートルズのような”唯一絶対の神”は、もう居ない。
70年代のロックの多様化と人々の価値観の多様化が、それを必要としなくなった。
承知していた貴方は終に覚悟を決め、
80年以降、ジルコニア・ダイアモンド・スターで埋もれる前に灰となり、
嘗ての、ライフラインを失ったトム少佐の身体を借りて、宇宙の彼方に漂うことを選んだ。
Rock 'n' Roll Suicide - HAMMERSMITH '73
ロックンロールの自殺者
今、貴方の信者は、夜空を見上げてこう言う。
「ほら、今光ったでしょ?!。あれが嘗ての ZIGGY STARDUST だよ。」
「彼は帰ったのさ。永久のインナー・スペースに…。」
そんな信者でも、リアリティーは失わない。
「今じゃどうだ?!、猫も杓子もカリスマだらけ。」
「彼の今も、真のカリスマこと生き長らえるロックスター。生きる屍さ。」
貴方を知ったのは、私が15歳の時でした。
ラジオから流れてきた<HEROES>でした。
それは私にとって、神の啓示だった。
私は一生貴方について行くのだな…と思った。
容姿も何も知らなかったのに。
そのたった1曲で。
顧みれば、その啓示とは、皮肉にも、遅れて私に届いた知らせだった(意味深)。
(以下は、Station To Station より引用)
「感謝するには、あまりに遅い。
再び遅れるには、あまりに遅い。
憎むには、あまりに遅いんだ!」
(以上)
貴方が歌うその意味が、
理解できる年齢になったのかも知れない。
遅れてやって来たロックスターの憂鬱…。
HEROSにも、貴方の諦めにも似た想いが歌われていた。
貴方の歌う歌が私にとって黙示録になることは有り得ない。
わたしもね、
貴方を捨てるにはオバサンに成り果てた。(自爆)
貴方を選ぶには未だ若過ぎた。(Rockを知らない小学生)
”どうしようもない今”をやり過ごしてきました。
遣る瀬無いとはそういうことだから。
それでもね、
15歳の時に貴方の存在を知ったおかげの今がある。
そして今では、いつ飛び立とうが、今生にもう悔いは無いのです。