市販されている汎用型太陽電池は、ほとんどすべてがシリコン半導体を用いたシリコン太陽電池です。しかし、シリコン太陽電池にもいろいろな種類があります。
■1【シリコン太陽電池の原理】
シリコン太陽電池の構造と原理は、もっとも基本に忠実なものといえるでしょう。
n型半導体は、14族元素であるシリコンSiに15族元素のホウ素BやアルミニウムAIを混ぜてつくります。この両方を接合してpn接合をつくり、それをITO透明電極とアルミニウムなどの金属電極でサンドイッチしてつくります。
透明電極を通して差し込んだ光は、薄膜のn型半導体を通過してpn接合面に達し、そこで電子と正孔を発生さ
せ、電流を発生させます。
■2【シリコン太陽電池の種類】
シリコン太陽電池は、用いるシリコンの形状に応じてさらにバルクシリコン太陽電池とアモルファスシリコン太陽電池(実際にはシリコン薄膜太陽電池と同じもの)に分類できます。
バルクは塊という意味であり、アモルファスは日本語では【非晶質固体】と訳されていますが、意味は固体であるが決勝ではない、というものです。簡単に言うとガラスです。
バルクシリコン太陽電池は、さらに単結晶シリコン太陽電池と多結晶シリコン太陽電池に分類できます。単結晶シリコンというのは、1枚の太陽電池半導体が1個の結晶からできているということで、これは宝石のルビーやサファイヤと同じようなものであり、高価このうえないようなものです。
それに対して多結晶シリコンは小さな結晶が寄せ集まったものであり、つくりやすく、廉価です。現在の太陽電池の多くは多結晶型です。


