悪性ラブドイド腫瘍という病名を告げられた時。

うちの子の場合、治療において最も重要なのは
腫瘍の切除だと言われました。
 
寛解は腫瘍を完全摘出できる否かにかかってくると。
 
私たちは主治医達から頂いた資料を読み込み、
素人ながら必死で悪性ラブドイドについて調べました。
 
得る情報のほとんどは、
希望に縋りたい私達を叩きのめすものばかり。
 
とにかく増殖力の強さと
悪性度の高さだけはよく分かりました。
 
だからこそ、完全に切除できなければ
あっという間に増悪し、命が助からない可能性が
極めて高いと思い知ったのです。
 
 
それらを踏まえた上で、
腫瘍が右腕の腕神経叢から発現している意味を考えた時、
私と主人は子どもが腕を失わざるを
得ない恐れがある事を覚悟していました。
 
 
子どもが癌だと分かった時から
ずっとずっと、ただひたすら
「生きていて欲しい」それだけを望みました。
生きていて欲しい、どうかいなくならないで欲しいと。
 
 
だから、もし子どもが腕を失う事になっても、
全てを支え、全て一緒に乗り越えていく。
そういう決意をしていました。
 
当時の主治医にもそう伝えていました。
 
だから、最初の病院で摘出手術は
出来ないと言われたのは
私たち夫婦にとって病名告知の次に
味わった2度目の絶望でした
 
化学療法が進んだ状態で言われた分、
出来ることの伸びしろが無くなった分、
それは正にドン底でした。死神の気配すら感じました。
 
 
死なせない
死なせたくない
 
その一心で、私たちは腕の切断もありきで
セカンドオピニオンを始めたのです。
 
 
摘出できるなら腕の離断手術も厭わない。
”命を助けるため”にできる全てのことを教えてくださいと。
 
そして、僅かな可能性でもそこに賭けて下さる
お医者様を探していました。
 
そして、最後のセカンドオピニオンで
そういう方と出会うことが出来たのです。
 
 
悪性ラブドイドという腫瘍の悪性度から考えると、
腕の機能温存にこだわって不完全な摘出に終われば、
救命は困難になると予想されます。
 
化学療法は奏功していますが、
腫瘍は依然として腕神経叢を中心に存在しています。
 
その中を鎖骨下動脈が貫通し、神経に絡みつき、
浸潤もしていると考えられます。
徹底的に摘出する為には、これらを犠牲にせざるを得ません。
 
つまり、鎖骨・肩甲骨を含めた右肩から遠位を切除(切断)することになります。
 
そこまでしても予後的に厳しいものがありますが、
ただ、そこまでしないと救命は困難である判断します。
当院であれば、積極的切除を考えます。」
 
 
手術は出来ますよ。
これだけ化学療法が奏功してるんですから、
命を救う為にやってみましょう。
頑張ってみましょう。
 
そう言って下さるお医者様を見つけました。
 
腕を失ってでも生きていて欲しい。
親のエゴかもしれません。
はたから見たら酷い親だと思われるかもしれません。
 
いつか子供に、なんでこんな選択をしたんだと恨まれるかもしれません。
この選択をしたことを後悔するかもしれません。
 
 
でも、みすみすこのまま
死なせたくありませんでした。
腕を失うことで生きる可能性が
見出せるかもしれないなら、
それに賭けたい!
どうしても生きていて欲しい。
 
それが正直な思い。
私と主人の出した答えでした。
 
生きてさえいれば、
良い義手や介助用具が開発されるかもしれない。
生きてさえいれば、
今は思いつきもしない様々な可能性が生まれて来るかもしれない。
 
完全摘出のための右肩甲骨帯離断。
つまりは右肩から腕を切断すること。
私達はその道を選び、手術を受ける為転院しました。
 
家族みんなでこれからも生きていく為に。
わずかな可能性を信じて。