1階K列
「中村勘三郎」へのオマージュ
と野田秀樹さんはコメントしている。
セリフ回しは野田節炸裂で、言葉に言葉を重ね織りなしてストーリーが進んでいく。
分からない、難しいという人も多いだろうが、野田さんの作品は理解をするよりも、
音楽を聴くように感じるものだと思っている。
舞台に立つ役者さん達から伝わってくる力を感じると、自然に涙が出てくる。
宮沢りえさんの美しさと力強さ。
妻夫木聡さんの実直さ。
古田新太さんの変化球と色気。
佐藤隆太さんの伝えようとする力。
鈴木杏さんの妖艶さと可愛らしさ。
池谷のぶえさんの安定感と一癖ある感じ。
すべてが舞台の上で生きている。
舞台の中で起きていることは嘘になる。剣も嘘で、死も嘘である。
サルワカが描いた筋で、無限はなくなり、そして命が生まれた。限りある命が。
そして、役者が舞台の上で死ぬことを喜ぶシーンにはもう涙しかない。
また新しい筋を書いて生き返らせるとサルワカは言う。
限りある命は生き返らない。が、舞台の上では嘘も本当になる。
亡くなった人を、舞台の上に生き返らせることはできる!と感じ取ったし、
現に観ていた私の心の中に勘三郎さんが思い出された。
一代目、二代目・・・十八代目というセリフも号泣もの
これからどんどん変わっていくだろう。あと2回観る予定なので、さらに楽しみにしています。