目指していたバイパス術ができないと知った夫。
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落ち込んでいると思うのに、あまり気持ちを吐き出さない。
気分転換に、昨日、家に外泊に出掛けた。
病院から家までは車で約5分と近い距離だけど、家に着いたらちょっとグッタリ。
レスキューのアブストラルを使って少し休んだ。
その後、お気に入りのソファーで寝るまでの約5時間もテレビを観たり孫が遊んでいるのを見たりして過ごす事ができた。
病院ならほとんどベッド上で横になっている。しかも痛み止めのレスキューを何度も使いながら。それなのに薬も使わずにいられるなんてビックリ。
でもちょっと❓❓と思う事があった。
私が夕食の支度をしていたら夫が
「少しご飯食べてみようかな。少しは食べた方がいいよね?」と言った。
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「でも今は食べれないよね?だから鼻にチューブが入ってるよ。」と言うと
「あ、そうか。」とすぐに納得。
結局スープだけを出したが、いつもはソファーに座ったままだったが、昨日に限って自分からダイニングのテーブルのいつもの席に座って飲んだ。
飲みながら夫が
「じゃあビールでもちょっと呑もうかな。」と言った。
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私が「え?ビール?」と聞き直すと
「じゃあまぁいいわ。」
確かに夫は元気な頃からお酒好き。
抗がん剤を始めてからもがんセンターの主治医はお酒も大丈夫ですよ、と言っていたので、ほどほどに呑んでいたが、食欲がなくなった夏頃からは呑んでいない。
何で急に❓と思ったが、すんなり諦めたので気にしなかった。
その夜、いつものレスキューも使わず早めに眠り出した。
でも…
夜中に急に起き出して
「仕事に行く。」と言い出した。
まだ夜中だから、と話すと一旦は横になるが、また起き出して仕事に行く、と言い出す。
それを何度か繰り返し、朝になった。
朝になって目が覚めていてもやっぱり仕事に行く、と言い出す。
そして、ご飯を食べると言う…
真剣な表情で…
これはまたせん妄症状だ…
夫は、夢と現実の中を彷徨いながら、仕事をし、食事をしている…
夫のやりたい事なんだなと思ったら涙が止まらなくなった…
私にはどうしてあげることもできないから…
結局、お昼になっても落ち着かず病院に戻った。
主治医が来てくれ、この状態は、麻薬のせいか、または肝機能障害からくるものか…と説明があった。
また週明けに採血をしてみる事になった。