由依side



今日は卒業式。
友達と写真を撮ったり、好きな人から第2ボタンを貰ったり好きな人に渡したりしている。


美波「由依ちゃ〜ん!りさおくんから第2ボタン貰ったの?」


由依「貰ってるわけないじゃん。」


りさおくんというのは学校で一番モテてる人。
そして私の好きな人でもある。3年間ずっと片思いしている。


美波「貰ってきなよ〜」


由依「無理無理。ほとんど話したことないし。」


美波「私も土生くんから貰ったよ?」


由依「2人は付き合ってるからでしょ。」


これだからリア充は…と思いながら周りを見渡すと、りさおくんと目が合ってしまった。


急いで目を逸らした。


織田「りさお呼んできてあげようか?」


由依「いいよ。女子に囲まれて忙しそうだし。」


そんなことを話していると向かうからすごいスピードで走ってくる人がいる。


まなき「由依!これ貰ってくれない?」


由依「え?まなき急にどうしたの?笑」


まなき「由依がこれ貰ってくれたら俺のボタン全部なくなるから!」


由依「はいはい。そういうことね。」


私は渋々まなきのボタンを受け取った。


まなきは私の幼馴染み。彼女はいないくせにボタンが全部なくなってる。
みんなに渡したらしい。決してモテているわけではない。


美愉「あ、織田くんいた。早く帰ろ〜もう眠い。」


織田「え?眠いの?じゃあ帰ろっか。送っていくよ。」


美愉「ありがと!」


織田「みんなじゃあな!由依頑張れよ〜」


見てわかる通り、織田と鈴本も付き合ってる。


この高校生活は、織田と土生くんとまなき、鈴本とみいちゃんと私で過ごしていた。


私とまなき付き合っているとか、付き合うんじゃないかとみんなから言われていたが、実際私もまなきも好きな人がいるから有り得ない。


美波「ねぇりさおくん帰っちゃうよ?」


まなき「え?りさお?おーい!りさお〜!」


由依「は?あんたバカなの?」


まなき「え?なんか用事あるんじゃないの?」


由依「別にないし!ほんとにバカ!」


なんてバカな幼馴染みなんだろうか。
空気が読めてるのか読めていないのか。


りさお「なんだよ。まなき。」


まなき「お前ボタンなくなったのかよ!」


りさお「まぁ…笑」


やっぱりボタンは残ってないのか。早くりさおくんから貰えばよかった。
そもそも私なんかにくれるわけないか。


まなき「モテる男は違うよなぁ笑」


りさお「俺そろそろ帰ろうと思ってたんだけど、まなき一緒に帰らない?」


まなき「俺今日いろいろ忙しいんだわ。」


りさお「絶対忙しくないだろ笑」


まなき「そりゃモテモテな渡邉さんと比べたら忙しくないですけど〜」


りさお「うざ笑笑」


そう。私はこうやってりさおくんが笑ってるところを見ていられればそれだけでいい。


そう思いながら3年間過ごしてきた。


美波「由依ちゃんごめんね。この後、土生くんとデートするから帰るね!頑張って〜」


じゃあそろそろ私も帰ろうかな。


りさお「あの……小林さん…?」


由依「え……あ…なんですか?」


りさお「なんで泣いてるのかなって…」


は?泣いてる?
目に手を当てて確認すると確かに泣いていた。


由依「すみません…なんでもないです…」


好きな人に泣いてるところ見られるとか最悪。
早くこの場から立ち去りたい。


まなきに帰ろうと言おうとしたらもういないし。
なんで帰るのそんなに早いんだよ。あいつ。


りさお「俺、好きな人が泣いてたらほっとけないです。」


好きな人?私が?
りさおくんの好きな人が私なの?嘘だ。


りさお「俺小林さんのこと好きです。ずっと……3年間思い続けてて…」


由依「え?どういうこと…」


りさお「ごめん。ほとんど話したことないのに急にきもいよね。」


由依「全然そんなことない。私もりさおくんのこと好き。3年間ずっと好きだった。」


りさお「え!ほんとに!?」


由依「うん。嘘なんてつかないよ。」


りさお「やった!これ貰ってくれる?」


りさおくんの手にあったのはボタンだった。


由依「りさおくん全部渡したんじゃないの?」


りさお「小林さんのために第2ボタンだけ残しておいた。他の人にとられるのが嫌で最初から外しておいたの。」


由依「なんでそんな嬉しいこと言ってくれるの…」


りさおくんからボタンを受け取った後、気づいたら私は涙を流していた。


そしてりさおくんの腕の中にいた。


りさお「これからは俺が小林さんを幸せにする。だから絶対に小林さんを……いや、由依を泣かせないよ。」


この後に聞いた話だけど、織田、土生くん、まなき、鈴本、みいちゃんは実は帰っていなくて私たちの様子を見ていたらしい。


みんな私の気持ちもりさおくんの気持ちも知っていたらしく、早く付き合えって思っていたんだとか。


ちなみに、まなきもずっと好きだった友梨奈と付き合えたらしい。




卒業した今でも、この時の第2ボタンは私の宝物。





久しぶりに書いたら少し小説のレベルが下がったような気がします…笑


もう入学シーズンですが、少し前は卒業シーズンだったので、今回は卒業をテーマにしてりさぽんで書いてみました。
卒業といえば第2ボタンですよね。
皆さんは第2ボタン貰ったこと、渡したことありますか?
ちなみに私はないです!笑
最後に、少し遅くなりましたが、卒業した皆さんおめでとうございます!!