おはようございます。さくららこです![]()
今日は3記事上げるよ![]()
※これはあくまでも解答例です。合格解答ではありません。
丸写しや類似した内容は不正とみなされ不合格になる可能性
がありますのでやめてください。
児童サービス論は、その場で解答を作るのが難しいような問題が多かったので、
あらかじめいくつかの解答を準備しておきました。
・読み聞かせとは。読み聞かせを行う際の配慮。
読み聞かせとは、声に出して本を読むことをいう。図書館で行う読み聞かせには、フロアサービスの一環として一人ひとりの子どもの要求に応えて読む場合と「おはなし会」などで複数の子どもを相手に読む場合とがある。複数を相手にする読み聞かせには、絵本や昔話、短編のお話など、耳で聞いて楽しめるものを取り上げることが多い。
図書館で行われている「読み聞かせ」では、絵本が最も多く利用されており、選ぶ絵本でその評価が決まるといっても過言ではない。絵本を選ぶ際の留意事項としては、「読み聞かせ」をする対象(発達段階)に合わせて選書する、何度も重版され何年も読み継がれてきた評価の定まった本を選ぶ、絵本の場合は絵が遠くからも見やすいものを選ぶ、絵と文が一致している絵本を選ぶといったことが挙げられる。また、子どもの想像力をふくらませるために、あえて絵のない本を選ぶというのもひとつの方法である。
「読み聞かせ」を行う前には、本の下読みをしっかりしておくことが必要である。言葉のイントネーションや間の取り方を考えながら読んでおき、本番は物語に集中して読めるよう準備しておくことが望ましい。また、読み聞かせを始める前に、お話の途中でおしゃべりしないなどの約束事をしておくことや、「読み聞かせ」をする本をあらかじめしらせておくこと、飽きさせないように「読み聞かせ」の合間に「手遊び」や「なぞなぞ」などおはなし会のプログラムを工夫することも必要である。
実際に「読み聞かせ」をするときは、「リズム」、「間」、「テンポ」という3要素に配慮して「読み聞かせ」を行うことで、聞き手が満足する「読み聞かせ」を行うことができる。また、昔話などの本には、身体的な差別用語など見られることがあり、それをそのまま読むか、他の言葉に変えるかを検討しなければならない。そのまま読んだ場合には、その差別用語が今では使ってはいけない差別的なことばであるとの説明が必要である。
最後に、「読み聞かせ」の終わりには、本のタイトルを改めて紹介し、「おしまい」であることを必ず伝えなくてはならない。そして読み聞かせをした本は図書館で貸出ができること、おはなし会などでは紹介した本のリストを参加者に配布するなどといった配慮がひつようである。
読み聞かせは、本や物語を通して、言葉や会話に触れることは、語彙を増やすだけでなく、生活に必要な知識や、新しいことを知ることで、子どもの興味関心を広げることにつながり非常に意義がある。また、文字を読めない子どもや文字が苦手な子どもがこれをきっかけに本に触れて読書の喜びを知ることもでき、児童サービスの重要な役割の一つである。
・児童文学の中から、中学年から高学年向きの物語、高学年以上向きの物語をそれぞれ一冊ずつ紹介。
児童文学とは、一般的に子どもを読書対象とする文学の総称である。
児童文学の中から低学年向けに紹介したい本は、『大きな1年生と小さな2年生』(古田足日・作 中山正美・絵 偕成社)である。この本は1970年に刊行され、50年以上も読み継がれてきた本である。この本に登場するのは、体は大きいけれど弱虫の1年生「まさや」と体は小さいけれどしっかりものでけんかも強い2年生の「あきよ」だ。
1年生になったばかりのまさやはとてもこわがりで気が弱く、学校までの道が怖くていつもあきよ一緒に行ってもらっている。一方あきよは体が小さいけれど気が強く自分が正しいと思えば、相手が自分より大きくても勇敢に向かっていって相手を打ちのめしてしまう。そんな二人が関わり合いながら成長していく物語である。お話の中で、あきよはまさやといっしょにやっと手に入れたホタルブクロという花を3年生に踏みつぶされてしまう。そのせいであきよはまさやの前で初めて泣き、そんなあきよを見て、まさやはあきよのためにたった一人で遠くの森までホタルブクロを取りに行くのだ。とても弱虫だったまさやが勇気をもって一人で森に向かう姿はとてもかっこよく、この部分を読んだ子どもたちは自分でもがんばればできるかもしれないという気持ちを持つことができるだろう。いつもまさやを守るあきよをかっこいいと感じることができれば、身近な自分より弱いものを守ろうと思う気持ちが芽生えるかもしれない。また、人にはそれぞれ個性があり、いろんな人がいること、小学生になったからしっかりするのではなく、小学生になり様々なことを経験することによって人は成長するのだということがなんとなくでもわかってもらうことができるであろう。この本は166ページと長めのお話になっていて各章ごとにドラマがある。大人が少しずつ読み聞かせをしながら、各章ごとに子どもと読んだ感想を話し合うといったような楽しみ方もできる。この本を読んだ1年生、2年生の子どもたちがまさやとあきよの行動にハラハラしたり、ワクワクしたりしながら自分もがんばろうという思いを持ってくれたらいいなと思う。
児童文学の中から中学年から高学年向けに紹介したい本は『はれときどきぶた』(矢玉四郎・作/絵 岩崎書店)である。この本は1980年に刊行され40年以上読み継がれてきた本である。主人公は3年生の畠山則安くん。彼の自慢は毎日日記をつけていることだが、ある日お母さんが彼の日記を勝手に読んでいることに気づき腹を立てる。則安はお母さんをびっくりさせてやろうと、「あしたの日記」として現実には起こりそうもないことを日記に書き始める。ところがお母さんを驚かすどころか、日記に書いたありえないことが次々起こってしまうというびっくりするような物語である。題名からしてインパクトがあるが、内容は更にインパクトがあり、本が苦手な小学生でも楽しめる内容となっている。
子どもたちにはお母さんに日記を見られた則安くんの腹立たしい気持ちが痛いほどわかるだろうし、そこから感情移入して物語に入りやすい。ページをめくると日記が書かれていて、次のページをめくると日記に書かれたことが実際に起こってという繰り返しになっているので、次はどんな日記だろうと楽しみにページをめくることができる。そして「まさか」ということが本当に起こっていてその描写もとてもリアルなので読み進めるのも楽しくあっという間に読み終わってしまうだろう。読んだ後には自分だったらどんな日記を書くだろうなどと考え想像力も刺激されること間違いなしである。最初から最後までおもしろい物語が続くので、おもしろい本との出会いにはもってこいの一冊である。
児童文学の中から高学年向けに紹介したい本は『夏の庭』(湯本香樹実・著 新潮社)である。この本は1992年に刊行され、世界十数か国で翻訳出版されている。祖母のお葬式に行った友人の話をきっかけに、「死んだ人が見たい!」と12歳の少年3人が、「もうじき死ぬんじゃないか」と噂されている、ひとり暮らしのおじいさんを見張りはじめるという物語である。今にも死にそうなおじいさんが、3人の子どもたちに見張られていることに気付き、だんだん元気になっていく、そしておじいさんとの交流の中で少年たちが成長していくところがこの物語の一つの見どころである。小学校高学年頃は、それぞれの家庭環境の違いや性格の違いなどに気付き、自分と他人とを強く意識する時期でもある。この3人の少年もそれぞれに心の中にさみしさや他人には離せない気持ちを抱えている。そんな3人がおじいさんとの出会いの中でそれぞれの気持ちを消化させていく姿はたくましいものがある。3人に見張られたおじいさんは、3人と交流していくうちにだんだんと元気になっていき、身なりや家も整え、3人と楽しそうに果物を食べる。3人に洗濯の干し方を教えたり、言い合いをしたりするおじいさんはとても楽しそうだし、3人が少しずつ色んなことができるようになっていくのもおもしろい。この物語は最後おじいさんが亡くなることによって終わるが、「あの世に知り合いができた!」と強く生きる3人の姿には感動する。人間に必ず訪れる「死」というものを暗くならずに描いているが、「死」について深く考えられる作品である。「死」を意識しながら生きるということは、生きていく上で必ずついて回ることである。この本は、これから大人になっていく子どもたちが自分たちなりに「死」というものを考えるきっかけとなってくれるだろう。「死」を意識してよりよく生きる努力してほしい。
・乳幼児サービスとはどのようなサービスであるかを詳しく説明。
乳幼児とは、乳児と用事を合わせた呼び名で、児童福祉法では生後0日から満1歳未満までを乳児、満1歳から小学校就学前までを幼児という。図書館における乳幼児サービスの対象は0歳からの乳児、幼児及びその保護者である。乳幼児サービスの目的は、早期読書教育ではなく、子育て支援の一環である。幼い子どもたちが、本や新しい情報技術、図書館サービスに接するためには、保護者の手助けが必要であり、保護者に本や図書館に興味を持ってもらい、図書館やそこにある資料、サービスが子どもの発達に重要であることを理解してもらうためのサービスでもある。以下、乳幼児サービスの内容について説明する。
乳幼児サービスの最初の取り組みとしてブックスタートが挙げられる。日本では、2000年の子ども読書年にイギリスのブックスタート活動が紹介され、公共図書館の乳幼児サービスへの関心が高まってきた。ブックスタートとは赤ちゃんと本の最初の出合いであり、赤ちゃんが初めて絵本と出合うという意味で非常に重要な意義がある。具体的な内容としては0歳児健診などの機会に、図書館の司書が出向いて、絵本やブックリスト、最寄りの図書館の利用案内、登録用紙などを配布する、絵本の読み聞かせを行うおはなし会を開くということが挙げられる。また、図書館に赤ちゃんとその保護者を招いて、そういったことを行う場合もある。ブックスタートを通して、保護者へ赤ちゃんと絵本を楽しむ大切さを伝え、図書館利用へと結びつけることが重要である。
次に各図書館で行われているおはなし会や乳幼児に向けた絵本リストの作成も乳幼児サービスの一つである。乳幼児の言語獲得において、話しかけ、歌いかけ、読み聞かせは重要な役割を担っており、子育て支援センターと連携して実践されることもある。また、図書館の司書が子育て支援センターや、保育園、幼稚園、子ども園などに出かけて、読み聞かせの実践を行っている地域もある。そしてそういった、読み聞かせ、歌いかけを家庭で保護者が行うことができるよう、読み聞かせに向く絵本の紹介を行ったり、ブックリストを作成し配布することもサービスの一つである。
その他、乳幼児にふさわしい資料の選定や乳幼児とその保護者が通いやすいような場所を提供することも乳幼児サービスである。資料選定の際には、質の高いもの、年齢にふさわしいもの、乳幼児にとって安全であるもの、公平かつ性差別のないものなど様々な配慮が必要である。また、さわる絵本など五感に訴える本や、障がいのある子どもたちに配慮した本をそろえておくことも必要である。そして、乳幼児とその保護者が入りやすいよう、ベービーカーに配慮したバリアフリー対策、授乳室・多目的トイレの設置など施設面での配慮も不可欠である。子どもたちが自分で本を選びやすいような子ども目線の書棚や、親子でくつろぎやすいカーペットスペースにおもちゃを用意したり、子どもたちが少し声を出しても迷惑にならないようなキッズスペースを作成することもサービスの一つである。
乳幼児サービスの目的は、乳幼児及びその保護者に対して、本と出合う機会を与え、図書館サービスを利用する方法を知ってもらい、それを活用してもらうことである。また、同じような年齢の子どもと保護者が集まり、共に過ごし、情報交換ができるような場所を提供することにもある。そして、図書館は、乳幼児の探求心、感覚、読み書きの要求を満たすような資料をたくさんそろえ、乳幼児とその保護者が興味を持って図書館に通ってくれるような乳幼児サービスを展開できるよう努力し続けなければならない。
・読み聞かせに向く絵本を一冊紹介。その紹介した本を使った読み聞かせの手順について説明。読み聞かせの対象者、目的、役割、効果、課題についても述べる。
読み聞かせとは、読み手が本や絵本を読んで聞かせることである。読み聞かせには、本や物語を通して、言葉や会話に触れることは、語彙を増やすだけでなく、生活に必要な知識や、新しいことを知ることで、子どもの興味関心を広げることにつながり非常に意義がある。また、文字を読めない子どもや文字が苦手な子どもがこれをきっかけに本に触れて読書の喜びを知ることもできる。
読み聞かせに向く絵本として『くれよんのくろくん』(なかやみわ さく・え 童心社)を紹介する。10本のくれよんたちが順番に思い思いの絵を描いていくが、途中けんかになったり、黒いくれよんを仲間外れにしたりと、色々なことがありながら最後はみんなで一つの絵を完成させるというストーリーである。
読み聞かせの手順としては、まず本の下読みをしっかりしておくことが必要である。言葉のイントネーションや間の取り方を考えながら読んでおき、本番は物語に集中して読めるよう準備しておくことが望ましい。
次に、読み聞かせを始める前に、本の内容を紹介し、くれよんたちが最後にどんな絵を仕上げるかをあらかじめ考えさせて、想像力をふくらませながら聞いてもらうことで、子どもたちが物語に集中しやすい環境を整える。
実際に読み聞かせをするときは、「リズム」、「間」、「テンポ」という3要素に配慮して「読み聞かせ」を行うことで、聞き手が満足する「読み聞かせ」を行うことができる。特にこの本は、ページをめくるごとに少しずつ絵が完成していくので、ページをめくるタイミングやテンポに注意しながら読み進めると更に子どもたちの興味を引くことができる。
最後に、読み聞かせの終わりには、本のタイトルを改めて紹介し、「おしまい」であることを伝えた上で、読み聞かせをした本は図書館で貸出ができることを伝えることが必要である。この本はシリーズで他にも3冊出版されているため、他のシリーズを紹介したり、ブックリストを配布し、他のシリーズも読んでみたいという気持ちにさせることも読書を推進させるという意味で大切である。
この本の読み聞かせを行う際の対象年齢は、3歳から小学校入学前の児童としたい。この本の読み聞かせの目的は、本のページをめくる楽しさを味わってもらうこと、次のページに何が描かれているか想像力をふくらませること、皆で一つのことを成し遂げることを疑似体験してもらうことにある。物語は途中、黒いくれよんを仲間外れにしてしまうシーンがある。しかしながら、最終的には黒いくれよんが重要な役割を果たし、一つの絵を完成させる。人にはそれぞれ個性があり、役割があり、どんな人も必要であるということが描かれており、人間関係を学ぶといった点で重要な役割を果たしている。自分や友だちにも、得意不得意があり、それぞれがそれぞれの役割を果たしているということを理解させる効果も考えられる。くろくんを仲間外れにする場面があるため、読み終わった後には、お友だちを仲間外れにしないよう注意を促す必要がある。また、本を読んだ後、絵を描きたくなる児童もいると思うので、その気持ちをどのように導くかが課題である。おはなし会のプログラムとして読み聞かせの後に絵を描くといったワークショップを行うことも一つの方法である。
自分が図書館員になった際には、読み聞かせが終わった際に、また参加したい、自分でも本を読んでみたいと思ってもらえるような読み聞かせを行えるよう努力したい。
・ストーリーテリングとはどのような活動か。ストーリーテリングの手順を具体的に述べる。ストーリーテリングと読み聞かせの違いを説明。
ストーリーテリングとは、昔話や短編などのごく短いお話を覚えて、本を見ずに語ることである。図書館などでは、おはなし会などで行われており、日本で昔から伝えられてきた語りもストーリーテリングの一つである。
ストーリーテリングの手順としては、まずお話を選ぶことから始まる。聞き手が耳で聞いて理解できる内容であるか、聞き手が聞いて集中できる時間の長さあるかなどを検討して物語を選ぶことが重要である。
物語が決まったら、次は物語を覚えて練習することが必要である。言葉の意味する場面や状況、人物の行動などをきちんと押さえ、それがどのような表現で語られているかを確認しながら覚えることが大切である。そして練習の際は、ゆっくりしたテンポ、しっかりした声を意識しながら語ることが重要である。何度も声に出して練習し、お話を自分のものにできてやっと聞き手の前で語ることができるのである。
実際に語る際には、緊張から早口や小さな声になってしまうこともあるので気を付けたい。お話の冒頭は、主人公や設定など大切なことが書かれていることが多いので、聞き手にわかりやすいよう特に丁寧に語る必要がある。またお話は語り手が一方的に行うものではなく、聞き手があって初めて成り立つのであり、聞き手の反応をよく見て、それに応えながらお話を進めることが重要である。
ストーリーテリングと読み聞かせは、いずれも子どもたちに読書に対する興味を持たせるということを目的とする点では共通しているが、読み聞かせが本や絵本が書いている通りに読んで聞かせるのに対し、ストーリーテリングは語り手が物語を自分の言葉で語るというところに違いがある。ストーリーテリングは同じ物語でも、語り手によって違った味わいを持たせることができたり、聞き手の反応を見ながら語ることもできるのが特徴である。また、読み聞かせは図書館員だけでなく、保育施設の先生や、子どもの保護者など本さえあえば割と気軽に誰でもできるのに対し、ストーリーテリングは、ある程度訓練が必要である。
・赤ちゃん絵本とはどのような絵本であるかを述べ、赤ちゃん絵本について具体的に1冊の書名とそのストーリーを紹介し、その本を読む対象者に対してどのような役割や効果をもたらすか説明。
赤ちゃん絵本とは、0~2歳ぐらいの年齢に向けた絵本で、赤ちゃんが手に取ってめくりやすい大きさで、けがをしないよう角が丸くカットされているといった工夫がなされている本である。絵がはっきりしていてわかりやすく、ことばのリズムがよいのが特徴であり、内容は身の回りの食べ物、動物、乗り物などを題材にしたものが多い。また、生活習慣を身につけることを目的とした、しつけをテーマにした絵本もよく見られる。
具体的な赤ちゃん絵本として、『ノンタンもぐもぐもぐ』(キヨノサチコ作・絵 偕成社)を紹介する。赤ちゃん版ノンタンシリーズの絵本の中の一冊で、通常のノンタンシリーズより一回り小さく、角も丸くカットされていて赤ちゃんにも扱いやすい形である。1987年に初版が発行され、35年にわたり読み継がれてきた人気の絵本である。ノンタンとそのお友だちの動物たちが順番に出てきて、口をもぐもぐさせている様子が描かれ、次のページで何を食べているか発表するという繰り返しの絵本である。「ノンタンもぐもぐもぐ。何食べてるの?」「おいしいおいしいバナナ。」といった会話が繰り返されるため、リズム感があり、次はどんな食べ物が出てくるかなといった想像力を発達させるねらいもある。食べ物に興味を持たせる、食べ物の名前を覚えるといった効果や、問いかけに対して答えるといった会話を学ぶといった効果も考えられる。言葉を話し始めた1歳ごろからは、最初の部分を母親が読み、子どもがなんの果物か答えるといったように会話の練習としてもその役割を果たすことができる。そして、この絵本の最後は、ノンタンが口をゆすいでおやつの後には口の中をきれいにするといった習慣を促す仕組みになっており、食べたら口をきれいにするといったしつけの役割も同時に担っている。
赤ちゃんが言葉を習得するためには、親をはじめとした周囲の積極的な語りかけが必要であり、ことばが離せない間もその耳で言葉のリズムや響きを習得している。親の膝に乗り、または添い寝をしながら、絵本を読み聞かせることは言葉を習得するといった目的だけでなく親子のコミュニケーションを実現するものである。子どもが人生で初めて出会う赤ちゃん絵本には、ものに名前があることを伝え、言葉の響きやリズムの楽しさを伝えるといった大きな意義があり、たくさんある絵本の中から、より良い絵本を選ぶサポートをすることも児童サービスの重要な役割である。