昨年2月から「もうひとつのおうち」の仲間入りをしました
公認心理師・臨床心理士のゆうきです。
せんせいになって2回目の春、柿の木坂教室の前にある桜が今年も綺麗に咲いています。
大学院を卒業してすぐに始まったせんせいとしての生活、2歳のお子さまと関わることが初めてだった上に、出会ったのは言葉で気持ちを表すことを練習中のお子さまたちでした。普段、メールや電話など言葉に頼ったコミュニケーションしかしていなかった僕は、まだ言葉でのお話をしないお子さまたちとどのようにやりとりをしたらいいのかわかりませんでした。
どうして泣いているんだろう?どうして笑ってるの?僕になにをしてほしいんだろう?せんせいだったらわかって当たり前のようなことも感じとることができなくて、「僕にせんせいは向いてないのかもしれない・・・」と思うようになったこともありました。
そんな僕の気持ちに気づいてくれたせんせいたちは、僕が言葉がないと思っていたお子さまたちも実は表情や目線、行動などの「見える言葉」でしっかり伝えてくれているということを教えてくれました。
「◯◯しよう!」と言われて反対方向に歩き出すお子さまは「やりたくない!」という気持ちを、「そろそろ帰る時間だよ!」と声をかけると座り込んで動かないお子さまは「もっと遊びたいよ!」という気持ちを行動で示してくれているから、もっとしっかりお子さまをみてみようよ、と。
言葉は「聞こえる言葉」だけではない。お子さまが発信している「見える言葉」をしっかりと観察して、前後のやりとりを振り返り、どんな気持ちを表してくれているのかを分析して、そのお子さまに合わせた共感の言葉がけや見通しを持てるような説明を心がけ、お子さまの立場に立ってみると、お子さまがどんなことを思っているのかがわかるようになっていきました。
自分の関わりによって、「ゆうきくんがわかってくれた!」、「そうそう!そうなんだよ!」というような驚いた表情で泣き止んでくれたり、笑顔になって最後には大きな声で笑ってくれたり・・・そんな瞬間が毎日あることがなによりうれしくて、もっといいせんせいになりたい!とたくさんの勉強して、お子さまの気持ちをもっとわかるようになりたいと思うようになりました。
この1年間は、大学院でお世話になっていた先生のADOS-2の検査に陪席したり、アメリカ在住のBCBA-Dの先生に隔週でスーパーバイズを受けたり、同じくBCBA-Dの竹島先生の研修を受けたり、SCERTSの先生から2日間に渡ってお話を伺ったりと入職1年目としては、贅沢すぎる環境を提供していただいたことで、不器用な僕ではありますが、僕なりに成長することができたように感じています。
1年が経ち、お子さまたちはみんな驚くほど成長されました。4月からは、保育園に所属されているお子さまは午前中はずっと保育園に、春に幼稚園に就園されるお子さまもご希望されていた園への入園が決まり、新しい生活がスタートします。
お子さまたちはみんなおしゃべりができるようになり、自分の気持ちを言い表せるようになったことで、毎日そのお子さまらしさを発見できるようになってきました。言葉だけではなく、トイレや着替えや食事などの身辺自立、色や数、長短・大小などの概念、お絵描きや積み木遊び、折り紙などの手先を使う作業、身体を動かす遊びなど、全ての分野で年齢相応に近い成長をみせてくれていて、感動です。
今日で今年度のプレスクールのお子さまたちとお別れ。中庭まで出てご挨拶をと思い、近づいてしゃがむと、そこにいたお子さまたちが走ってきて、僕を抱きしめてくれたんです。「ゆうきくん!」って可愛い声で言いながら・・・。その瞬間、しあわせな気持ちが溢れ、涙が止まらなくなってしまいました。
もうひとつのおうちのせんせいになって良かった!
そう今は心から思います。
まだまだ未熟ですが、僕は僕なりにお子さま一人ひとりに愛情深い関わりができるよう、4月からも頑張ってまいります。
明日から新年度、新型コロナウィルスのことで落ち着かない日々ですが皆さまにとって、
素敵な1年になりますように。
もうひとつのおうち
公認心理師・臨床心理士
ゆうき