痛みにひどく弱いので、妊娠したあかつきには無痛分娩を検討すべきなんじゃないか…という思いがずっとありました。
ただ、実際に妊娠し、今の病院で分娩することに決めてからは、無痛分娩を選択するかどうか、迷っています。

というのも、今の病院だと無痛分娩を希望する場合は計画分娩となり、陣痛促進剤を使っての出産になります。また、計画の日より前に産気づいた場合には、日中ならば対応してくれる可能性もありますが、夜間や院長先生不在の場合は無痛分娩ではなくなります。

そのため「計画より早く産気づいて無痛分娩できなかった」場合には、痛くないお産の予定だったのに普通のお産になってしまった!とショックを受けそう。それならば、はなから痛いことを想定しておいたほうがダメージが少ないかも…と思えてきました。


そして、このほかにも無痛を迷う理由はたくさんあります。


まず、麻酔が痛いらしいのがひとつです。
採血の針ですら大嫌いなので、いくら陣痛より痛くないとはいえ「痛かった!」という声がある麻酔、後悔しないだろうか……と心配でもあります。
陣痛は出産するために経験する必要のあるものだけど、麻酔の痛みは経験しなくても良いものなので、悩みます。

それから、無痛分娩で産んだ方の声の中に「赤ちゃんが出た後、胎盤を出すときには麻酔は効いていないので、それが痛かった」という声もありました。
これもまた、痛くないはずだったのに想定外に痛かった記憶となるのでは…と恐ろしい。

無痛分娩で産んだ友人がしきりに「無痛でも痛いんだよ!!」と言っていたのも気になります。
彼女の場合は、自宅で陣痛を我慢しすぎて麻酔が効くための時間が足りなかったのが理由のようなのですが……
いずれにせよ「無痛だと思っていたのに痛い!」というのは精神的にダメージを受けそうです。

さらに、母の「陣痛促進剤は嫌よねぇ」のセリフも気になっています。なぜ嫌なのかは聞いていないので分からないけど、母の言葉を重視してしまう私は「嫌よねぇ」と言われただけで「そうなのか、促進剤は嫌なものなのか」と思ってしまいました。繰り返しますが、理由はさっぱり分かっていません。ただ、中期流産などで分娩した方の話を読むと、促進剤やバルーンが痛かったと書いてありました。もしかすると、まだ来ていない陣痛を促進剤で人工的に起こしているということは、自然な分娩よりもさらに痛いのかもしれない、とも思います。これについては調べたわけではないので正しいのかは分かりません。でも痛いなら嫌だな…。

また、無痛分娩について夫に意見を求めた時「麻酔はリスクもあるよ」と言われたのも気になっています。産婦人科でも助産師さんからチラッとだけ話を聞きましたが、やはり母体に負担がかかりやすく、血圧(だったかな?)などを見ながら進めていくそうです。
私は自分の体に起こる変化に敏感なので、ただでさえ出産は大仕事だというのに、変に身体に負担をかけるのは逆にストレスかもしれない….とも思えてきます。

最後に、これが結構大きいのですが「陣痛を経験してみたい」という好奇心があります。
痛いのは大嫌いだけど、「みんなが経験してる陣痛ってどんなもの?」という好奇心が…。
「耐えられないんじゃないか」「痛いの怖い」という気持ちはあるし、陣痛が来た時の自分を想像すると、パニックになって呼吸が浅くなり心臓がバクバクしているところまで想像がつくのですが…。うーん、そうなったらきっと、変な好奇心なんて待つんじゃなかった!と後悔することになるんだろうなぁ……。
でもやっぱり、妊娠のラストにくる陣痛も経験してみたい、という気持ちも捨てがたい。。。

ちなみに、母はこんなことを言っています。
「みんな陣痛が痛いっていうけど、私の記憶じゃ痛いって感じじゃないのよねぇ」「生理痛の重いやつみたいな感じよ」
4人産んだ母です。産んだあと痛みは忘れてしまうそうなのですが、次の子を産む瞬間になって「そうだった!陣痛ってこれだった!」と思い出すそうです。
正直、母は言うことがアテになりません。「痛くない」と言っていたくせに、その場になれば「痛い!」と平気で意見を変えられる人です。「だって痛みは忘れちゃってたんだもん。もう一度経験したらやっぱり痛かった!」とか言える人です。
でも、どういうわけか私の中では母の言葉は重くてですね……。
「生理痛の重いやつで、痛いのとは違うんじゃないか?」という思いも拭えないでいます。そして、だからこそ体験してみたい、とも思う………。

いや、多くの方が「痛い」と言ってるんだから、「痛い」ほうが正しいのでしょうが………

いずれにせよ、そんなこんなで、無痛分娩にするかどうか迷っています。というか、自然分娩に傾きつつあります。

でも、ネットで調べていると、1人目自然分娩→2人目無痛分娩の方とかもいて。「1人目の時は辛いだけだったのに、2人目は無痛で『こんなにもお産って楽しいものだったの!?』と思った」なんて書いていらっしゃるのを読むと、やはり無痛にすべきか…と思ってしまいます。

いや、しかし………「陣痛を経験してみたい」という思いがな………余計な好奇心かもしれないが、しかしやっぱり一度は経験してみたいとも思う………


こんなことを考えていると、京都の伏見稲荷大社の「おもかる石」を思い出します。
願いが叶うかどうかが分かる石で、お願い事をしたあとに石を持ち上げて、石が軽いと感じれば願いは叶う、石が重いと感じれば願いは叶わない、というものです。

まだ父が生きていた頃、私は当時、東大卒の男の子とデートを重ねていて、彼とうまくいくかどうかを石に聞きました。お願い事を呟いたあと、心して石を持ち上げました。が、その石は見事に「重」く………。
その彼とは、その後しばらくして、あっさり終わってしまいました。

後から思うと、あの石は持ち上げる者の中にある「覚悟」を試しているような気がしてなりません。「その彼と付き合う覚悟はできているの?」「彼を受け止める覚悟はできている??」と。

あの「おもかる石」に陣痛のことを聞いたら、石は重く感じるでしょうか。それとも軽く感じるでしょうか。
なんとなく「重」く感じてしまいそうで怖い私です。だって、母の言葉を鵜呑みにして「陣痛は痛くないんじゃないか」とか思っちゃってる私ですから……「覚悟」ができているとは思えない。。。実際に陣痛を経験しながら「ママの嘘つきぃー!!!」と叫んでいそうな気もします。

………うーーーん、やっぱり無痛分娩なのか………?
いや、でもなぁ………


心は自然分娩に傾いてはいますが、まだもうしばらく悩む時間はありそうなので悩んでいたいと思います。
なにしろまだ安定期入ったばかりですしね。
……………うーーーん、陣痛………悩ましいですね………