注射は嫌い。
好きな人なんていないだろうけどさ。
予約をしていて良かったと思える混み具合だった、クリニック。
幼い頃から通っていたこの病院は、最近おじいちゃん先生から、若先生に変わったらしい。
最近来てないから見た事はないのだけど、幼馴染の、みっちょんがそう言ってたのだ。
かっこよかったよ。でも無愛想だったけどネ。
なんて、笑っていたのを思い出す。
「○○さーーん 中待合室へどうぞ」
がやがやした中でも、よく通る声が私を呼ぶ。
軽く会釈をして、中へと入る。
でもそのまま待つことなく、処置室へと案内された。
「ほな、肩出しておくれやす」
ぶっきらぼうに、そう言ったのは
例の若先生らしい。
どうやら、今日は、おじいちゃん先生が外来をしているようだ。
まぁこの混み具合だもんね。
「打ちますえ」
「いっ!!」
思ったより痛い。
非常に痛い。
一瞬の痛みなんてことはなく、針が抜けた今でも痛い。
「入浴はしてもええけど、強くこすらんこと。
30分ほどは様子見てておくれやす」
目を合わさずにそう言うと立ち去った若先生。
涼し気な残り香だけが私を取り巻いた。
なーーーんて、事はなく
注射は看護師さんがやってくれて
思わず、いったーー!って言った私。
笑われましたよね。
私がイタイよね。うん。
おやすみなさい。
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