私が子どもの頃は雨の日は嬉しかった。
なぜ?って
田舎で農業をしていた両親は
いつも忙しく働いていて、
家に居る日といえば雨の日だけでした。
雨の日だけは、学校から「ただいま~」と帰ると
母はお布団を縫ったりして家に居たからです。
そのお布団に寝転がっては甘えたものです。
お天気が良い日は
誰も居ない家に帰るのが寂しかった。
「働いても働いても我が暮らし楽にならざる」
両親は苦労して父の妹3人を嫁に出し、
私たちの学費、そして私を嫁に出し、
やっとやり終えたと思ったとき
父は病であっけなく逝ってしまいました。
母は時々こんなことを言いました。
将来、私を田舎ではなく町に嫁がせたい…と。
嫁いだ先は田舎ではなく、母の願いが叶ったのでした。
しかし、私は雨が降ると幼い頃過ごした田舎の生活を
懐かしく思い出します。
人は苦労した分、強くなれる。
人は涙を流した分、優しくなれる。
幸せだと感じた日には
自分を創った人と
自分を今日まで
生かして下さった人に
まず、感謝したい
(ひろはま かずとし)