前回書いたように私は越智啓子先生の過去生療法を受けに、10月の頭、沖縄へ行くことになった。
何があるか分からないから念のため前の日から沖縄入りし、次の日余裕をもって越智先生が住む恩納村に向かおうと計画を立てた。
沖縄、というのが私には鬼門だった。
9年前にも私は越智先生の過去生療法を受けに沖縄へ行った。
が、このときは主人と一緒だったため何とかなった。
でも今回は主人が仕事の都合がつかず、予定の日程だとどうしても私一人で行くことに。
私は強い日差しを浴びると肌がヒリヒリしたり頭痛や吐き気がしたり、熱を出して寝込んでしまうこともある。
この症状はそのときの体調にもよるので日差しが強くても平気なときは平気なんだけど、去年の夏は信じられないくらいの暑さだったこともあり、結構応えた。
それでも9月の終わりぐらいからだんだんと楽になってきていたんだけど、沖縄はどうだろうか。
10月の頭だとまだ気温も高いし日差しも強いんじゃ…と懸念したんだけどもう過去生療法の予約は取ってあるので仕方ない。
UVカットパーカー、アームカバー、日傘を持参し、帽子をかぶって通常の日焼け止めの他、予備の日焼け止めも持った。
念のため、アイスノンも持参した。肌が熱を帯びて辛くなったら冷やすためだ。
肌にこもった熱を放置すると、そのまま熱を出して寝込む可能性があるのでそれは避けたい。
ホテルの冷凍庫に入れておこうと準備した。
小さな心配を放置してそれが現実になると一気にわーっと心配が雪崩のように起きてくる。
心配事項はそれだけではない。
私は車の運転ができない。免許は持っているけどもう20年以上車の運転はしていない。
沖縄はゆいレール以外には電車は走っていないので、車の運転ができない私はバスかタクシーでの移動になる。
土地勘もない上に方向音痴。
それからだ。
私は不安障害があり、過去、パニック発作と言われるものを何度か起こしている。
今でも不安になるとうっと喉が詰まり息ができなくなる感覚になるときがある。
急激に不安になったりパニックになったりすると出やすい。一人で飛行機に乗りよく分からぬ土地をバスやタクシーを乗り継いで移動できるのか?
もともとが割とパニックになりやすい気質なのだ、いったん脳内で不安が高まると普通の人は大丈夫なことでも私は世界が恐ろしくなる。
それに移動中、強い日差しを浴び続けたらダウンして越智先生の診察に行けないのでは?
診察を受けることができたとして、その後に熱出したら発熱者ってホテルに泊まれないんじゃ、どうしよう、という不安。
もう不安しかない。
越智先生の予約を取ることができてから実際に沖縄に行くまでの間にも、不安のあまり寝ているときにハッと飛び起きることもあった。
けどあきらめられない。
越智先生の予約ってなかなか取れないのだ。
今回はあきらめようなんて見送ったら次にいつ予約が取れるか分からない。
もしかしたらこの先予約を取ることができないかもしれない。
私は心療内科に行き、そのクリニックの先生に沖縄に行く予定だけど色々と不安がある旨を話し抗不安薬を処方してもらった。
それから以前働いてたクリニックのO先生に相談した。
O先生はホメオパシーの処方もしているので、不安になったらアコナイトというレメディを取るといい、と助言してくれた。
(ホメオパシー云々いうとエセ医療とかやばいと言われがちだけど、今まで処方してもらって私はものすごくよく効いた。エネルギー治療という観点からだとすごく納得ゆく。)
どうしても越智先生のセッションを受けたかった私は、いくつもの不安を抱えたまま、飛行機に乗り込み飛び立ったのだ。
前回は、不安を受け止めてくれる主人がいた。
沖縄に着いてからもレンタカーを借りて沖縄にいる間中、主人が車の運転をしてくれたので移動についても心配はなかった。
でも今回は一人だ。不安も移動も自分でなんとかするしかない。
私なりにできる準備はすべてやったのだ。
もうあとは行くしかない。
人ってどうしてもどうしても叶えたいことのためならば、諦めるよりも何とか行ける方法を探すのだな、とこのときつくづく思った。
そしてホメオパシーのレメディは取ったけど、行きも帰りも抗不安薬は飲まずにすんだ。
でもこれで抗不安薬が無駄だったという訳ではない。
自分なりにできることはすべてやって、現実的に安心できる術を手に入れておくということも大事だからだ。
それからすごい役に立ったのが、呼吸法のインストラクターの方に教わったことだ。
この旅行の数ヶ月前のこと、呼吸法のインストラクターのYさんとzoomで雑談していたとき、
動作を丁寧にすると、波動があがるのだと教えてくれたことがあった。
物を乱雑に扱ったり、焦ってバタバタして荒々しい動きをすると余計にバーッと気が上がって波動が下がるんだけど、その反対にいついかなる時でも一つ一つ丁寧に動くことで気を落ち着けることができるのだ、と。
私はいいこと聞いたと思った。
そして旅行の時、実践したのだ。
例えば空港でスーツケースを預けようとした直前、その中にすぐ使うものがあるのを思い出した。
ただでさえ心臓がバクバクして不安な状態なのに、あ~もう、と脳内がパニック状態になりそうになったけど
ふ~と息を吐いて、ゆっくりスーツケースを開けて、荷物を取り出して手に持つリュックの中に入れた。
沖縄に着いたときも、一瞬どうやってホテルまで行くんだろう?と不安に思った瞬間、沖縄の生暖かい風を吸い込んで、うっと息が詰まりパニック発作を起こしそうになった。
けれど、そこでもゆっくり呼吸して、あえて丁寧にキャリーケースを引いて、一旦隅っこによけてメモに書いておいたホテル場所と行き方を確認した。
道に迷ってもせわしなくキョロキョロしたり小走りしたりせず、まず息を吐いて次にすることを落ち着いて考えるように心掛けた。
これはともて効果があった。
気が焦っているときに、バサバサと落ちつかない動きをすると焦りが倍増するのだなということを身を持って実感。
逆に気が上がっている状態でも、体から落ち着くよう動作を鎮めていくと心もそれに同調するんだなと。
まあ、また日常生活に戻ったらまたバタバタしちゃうときあるんだけど、この経験は大きな学びになった。
それにしても道のりが遠い。
東京の家を出てからここまで来るだけでも一苦労。
でも沖縄まで来れた。
越智先生にもうすぐ会える。
聞きたいこと、たくさんある。