私と雑貨屋さんの店長は、今でもたまに小説マカンマランについて語り合う。
→★
まず、この物語の舞台となるマカン・マランとはどこにあるんだろう?
と店長さんが発言した。
小説では、都心からは少し電車で時間のかかるところで、近年急速に開発が進み、タワマンが立ち並び始め、新しい形の富裕層が集まってくる。
ただ、駅の反対口には昔ながらのスーパーや小売店が立ち並ぶ、新しさと古さが不均衡に融合している街。
そんな設定だ。
私ははじめ、この小説を読んで、
うーん、ここは武蔵小杉かな~、
それとも川口あたりかな~、
と思った。
それを店長に言う。
店長もやはり武蔵小杉だと思ったそう。
それか、横浜あたりか。
なるほど。
横浜か~。
でも、それだとやっぱりちょっと納得できない部分もある。
シャールやジャダも登場する別の物語、銀色のマーメイドではこの街の名前は弓が丘となっている。→★
弓が丘は話の内容からしてローカルな印象をうけるので、横浜だとちょっと大都市すぎる感が否めない。
うーん、どこだ?
店長はぜひ、映像化してほしいそう。
それには、すごく大事なことがある。
マカン・マランの店主はドラァグクイーンのシャールだ。
身長180㎝を超える精悍な体躯、彫の深いハーフのような顔立ち、元は容姿端麗の秀才でエリート証券マンという設定だ。
こんな条件に合う人、誰かいるかな~と。
私はちょっと考えて、思いついた人が2人いた。
一人はオダギリジョーさん。
ハーフのようなきれいな顔立ち、背も高そう。
どうだろうか?
もしくはちょっと年齢が若すぎるんだけど松田龍平さん。
身長も高いし、ハーフのような顔立ちではないけど不思議な色気がある。
男でも女でもない性を生きる辛さや心の叫びのような痛みを感じながらも、それでも人生は時に信じられないくらい素晴らしい、ということを表現できる役者さんのような気がする。
妖艶な演技も凄みのある演技もできそう。
どうだ?
どうだって言っても、私に何の権限もないからどうしようもない。
私はお店へ行った際にその考えを店長に話す。
店長は、精悍な体躯で彫の深い顔立ちから阿部寛さんと思ったそう。
でも、ちょっと男くささが勝るかな、と。
福山雅治さんも考えたが、それだと柔和さが際立って逆に精悍な感じが薄くなりそう、とも。
色々知恵(?)を絞って考える。
話の途中で店長が意外な俳優さんの名前を出した。
滝藤賢一さん。
私は知らなかったが、意外に身長が高いそう。
でも…イケメンではないよね、と二人の意見は一致する。
私は滝藤さん、俳優さんとして結構好きだ。
「探偵が早すぎる」も、「古滝兄弟四苦八苦」も観た。
面白かった。
でもハーフのようなイケメンさんではない。
店内で、しばらく話し合ったが答えはでなかった。
それが、家に帰る途中、ピーンとひらめいた!
ガクトさんはどうだ!
いいんじゃないか?
と一人興奮したんだけど、さらに物語についての考えを深めていくと、ミッチーこと及川光博さんなんかぴったりじゃないか?
と思い当たった。
知的な感じもするし、男らしさも柔らかさもあるし、イケメンというより容姿端麗という言葉が似合う。
もうミッチーでいいんじゃないか?
これ以上の人選いないだろ。
一応、他の人選も考えた。
大森南朋さん、藤木直人さん、上川隆也さん…
みんな、素敵な人だけど。
うん、でもやっぱミッチーが一番いい気がする!
と、ここで私の脳内に中村俊介さんが滑りこんできた。
昔、ドラマの撮影中の中村さんをお見掛けしたことあるんだけど、色が白くてすごく端正な顔立ちをされていた。
うーん、うーん、でもまったく個人的な好みでミッチーを押したい!
あ~、答えが出るまで大変だった。
私は一人で満足した。
次にお店に行くときには、店長からある本を借りる約束をしている。
その本は映画化されているのをあらかじめ知っているから、今度は本を読んで配役についてこんなに悩まなくていいぞ!