こんにちは
2年生最後の授業参観も終わって
もうすぐ3年生なんだと驚いています
この前入学したような気がしてたけど
(↑いやいや、それはちょっと大袈裟か・・笑)
来年度からは理科や社会も始まって
勉強も難しくなりそう・・ 大丈夫かな
さて、今日はちょっと演劇の絵本を紹介します
特に大人に読んでほしい絵本です
(落ち込んでる大人?人生に悩む大人?に)
『オフェリアと影の一座』
文: ミヒャエル・エンデ
絵: フリードリヒ・ヘッヘルマン
訳: 矢川 澄子
この絵本はすごく昔に買ったもので
今ではたぶん入手困難なんです・・・Amazonですごい金額
だからこちらに載っているものを読むのがいいですよ
絵は少ないし違う人の絵ですが、文はまったく同じなので
こちらには「小学4、5年以上」が対象と書いてありますが
大人こそ読むと良い物語だと思っています
大女優になるように「オフェリア」と名付けられた女性。
声が小さすぎて女優にはなれず、それでも芝居好きだからと
プロンプター(台詞を囁いて役者に教えるスタッフ)を長年務め
今ではすっかりおばあさんに。
しかし働いてきた町の劇場は時代の流れで閉鎖が決まります。
そんな最後の公演後の舞台上で、ある「影」と出会って以降
「誰のものでもない影」や「誰のものにもなりたくない影」が次々と
やってきて、皆オフェリアさんの影になりました。
どんなものにも変幻自在の、行き場のない影たちが
喧嘩せずお互い仲良くできるようにと
オフェリアさんは世界の名作悲劇喜劇を教えてあげたのでした。
しかし影と暮らすオフェリアさんを
周囲は「頭のおかしな変わり者」と思い
とうとうアパートを追い出され、影たちとあてなき旅に出ることに。
すると影たちは「ぼくたちのせいだ」と相談を始めて・・・
というお話です なんだか悲しいことばっかりですが
影たちが一体何を始めるのか、続きは本で
オフェリア(オフィーリア)といったら、知らない人はいない
シェイクスピアの戯曲『ハムレット』の登場人物ですね
その名をつけられるなんて親の期待がいかに大きかったか・・・
それなのに裏方で老いてどんな気持ちだったでしょう
そうして失業した、人のいいおばあさんが
次々身寄りのない影たちの身元引受人になったせいで
迷惑を被る話みたいな感じですよね
でもこの影、一体誰の影 本当に持ち主はいないの
「世間には、だれのものでもない影や、
だれのものにもなりたくない影がごまんといるんです。
ぼくもそう」と最初の影は言いましたが、
本当はこの影たち、ちっとも影じゃなくて(・・というか変化した?)
いろんな感情や想い出だったりします
後半少し怖い展開になるけれど、その運命を受け入れられるのは
オフェリアさんが影たちと本当に仲良くなれたからなんです
絵本版でしか味わえませんが
ヘッヘルマンの絵がまさに舞台を観ているような感じで、
芸術的で、内容ととてもよく合っています
影が暗い色合いから徐々に明るくなり
やがて光に包まれていきますが
その変化と奥行きがすごく癒される表現です
光に照らされ浮かび上がる劇の影は走馬灯のよう・・
いろんな人に見てほしいので
絵本版が再販されるといいのですけど
著者のミヒャエル・エンデは誰もが知る有名作家ですね
彼は演劇学校を卒業した演劇好きです
役者として舞台に立ったこともあったし、戯曲も書いたし、
最初の結婚も女優とでした
そんなエンデの演劇への情熱と、人の一生への問いかけが
この物語を作ったんですね
自分の持っているものを積極的に生かそうとすること、
(↑自分で意味を与え、評価すること。愛すること。)
いくつになっても何かにチャレンジする気持ち・・大事
その先に自分の人生への納得・満足感があるんですね
何かに落ち込んでる時やこれからに迷っている時などに
ぜひ読んでほしい物語です
エンデの物語はいつもいろんな悩みに答え
人に希望を与えてくれますから