癌の治療は、抗がん剤や手術をして病院を退院したら、病気前のように普通の生活に戻れるものだと思っていました。


癌治療前に知っていたのは、抗がん剤で脱毛した頭髪が生え揃うまでウィッグが必要になること、肌がカサカサになる、爪が黒くなる、ぐらい。


しかし、それは知識不足ということを思い知りました。


私が経験した、癌治療後の2年間、そして今でも次のような不具合がありました。


◯半年の入院と手術と療養で下半身が弱くなり、自力では立ち上がれなくなった。

2年経っても、床に座ったら何かに捕まらないと立ち上がれません。

バスが揺れた時、両足で踏ん張れません。


◯抗がん剤の副作用で心不全を起こして、心臓の働きが弱くなり、3ヶ月くらい歩行禁止になった


◯抗がん剤の副作用で、甲状腺低下症になり、治療後もずっと甲状腺の薬を服用している


◯癌の影響によるトルソー症候群で脳梗塞を発症。副作用で両手の握力が弱くなり、指に麻痺が残った。ペットボトルの蓋が開けられない。爪を切れない。力が入らないので重いものが持てなくなった。

米5キロ、猫砂も待てない。


◯肌が弱くなり、テープかぶれやアルコール負け、化粧品で顔が赤くなったり、かゆみが出るようになった。虫刺されの跡が残るようになった


◯巻き爪になるようになった。巻き爪を回避するために深爪するようになり、慢性的に陥入爪をくりかえしている


◯子宮体がんの腫瘍が浸潤した結果、直腸の一部も切除後、人工肛門になりました。手術後のストーマケアの失敗で、皮膚がかぶれて痛くなったり、下着や洋服の着替えが必要になることがある。

ストーマケアに慣れれば失敗は減る


◯水分をしっかり補給しなかったり、繊維質をちゃんと食べなくて便が硬くなるとストーマが痛くなる


◯癌の影響で、肺に血栓ができて、脳梗塞を防止するための血液をサラサラにするヘパリン自己注射の副作用で、注射後の内出血により血の塊ができてしまい激痛。足と腹部を切開して、血の塊を全身麻酔で切除。足と腹に手術跡が残った。


◯発声障害で、短期間ですが、話せなくなった。


人それぞれの癌のステージや進行状態や症状によって違うのでしょうが、私の場合、癌の治療をして退院すれば終わりというわけではなかったということです。


私が使った抗がん剤は、パクリタキセル、カルボプラチン、いわゆるTC療法を約3ヶ月間と

キイトルーダ、レンビマによる免疫療法を3ヶ月間です。


キイトルーダとレンビマの免疫療法は、副作用による嘔吐がひどかったのと心不全になったので、抗がん剤治療を中止しています。今は、定期検診で癌再発の兆候がでたら治療を再開するという経過観察中です。