私が子供の頃から使っている昭和を感じる柄の引き出しが壊れた。
母からネットで注文してと頼まれたが、指定されたサイズの引き出しで安価なものがなかった。
ちょっと高いなと思ったけど、車がないから仕方がない。配送料込みと考えればいっかと思った。
その引き出しが、日曜の朝に届いた。
母から
「組み立てられないから、組み立てて」とヘルプが来た。
母の部屋に入ると、中途半端に組み立てられた板と部屋中に広げられた部品と、袋から出された部品が目に飛び込んで来た。
「これじゃダメだ」
ネジを外して、全部バラバラにして、組み立て説明書を見ながら、組み立て直す。
すると途中で、
「この部品は使わないの?」と母が聞いてくる
「それは、まだ先じゃないと使えない。組み立てには順番があるの」と答える
板同士のネジ穴を合わせて、木ネジを止めようとするが、プラスドライバーとネジの頭のかたちが合わなくてネジが空回りする。
そして、脳梗塞の後遺症で握力がなく、最後までネジを押し込むことができない
「他にプラスドライバーないの?」
「電動ドライバーないの?」
「ない」「ない」
札幌で一人暮らしをしているとき、私は
DIYが大好きで、ホームセンターで2×4の木材を買ってきて自分で棚を作ったりしていた。
なので、工具類も大好きで結構揃えていた。工具箱にはプラスドライバーを何種類も持っていた。
(道具から揃えるタイプ)
組み立て家具を組み立てるのは久しぶりで、実は少しワクワクしていた。
しかし、そのワクワクは、すぐに落胆に変わった。
あんなに好きだったDIYができなくなっている。
基本のねじ止めができない。
片手で支えて、片手でネジを止めることができない。
料理を作るのも割と好きだけど、手の力が弱くて、フライパンを片手で煽ることができないし、シーチキンやトマト缶の蓋を開けることもできない。
そっか、DIYもできなくなっているのか
指先が不自由でつるバラを誘引するとき、薔薇の枝を麻ひもでトレリスに結びつけることもできない。でもそれは、園芸クリップで代用してクリアした。
買った組み立て家具はコレ。病気前はこれくらい簡単に組み立てていた。
大丈夫、大丈夫。
大したことじゃない。
これまで、できなくなっていたことも、いろいろ工夫して少しずつできるようになってきたじゃないか