子宮体癌の抗がん剤治療で最初に入院した時、血栓が見つかって、数日の入院が1ヶ月半近くになり、6人部屋の大部屋に長いこと滞在していた。

抗がん剤治療で、3-4日でどんどん周りの人が退院していくので、気がついたら、大部屋でも古株になっていた。

今日からNHKで始まったドラマ「お別れホスピタル」を観ていて、その時のことを思い出した。お別れホスピタルは、余命残り少ない患者が、療養病棟に入ってきては、次々といなくなっていく、人間模様を描いている。

私が入院していたのは療養病棟ではなく、婦人科病棟だったが、若い人から80歳を超えたおばあちゃんまで、いろいろな人がいた。ほとんどが癌患者だった。

抗がん剤の点滴入院を何回も繰り返している人、数日おきの放射線治療のため通院ではなく入院している人、手術を受けるために入院している人、癌の副作用で腹水を抜くために入院している人、子宮内膜症で緊急入院になったアジア人の若い女性などなど、バックボーンはさまざま。

札幌市在住の人だけではなく、北海道内の各地から入院していた。

廊下を歩くと、抗がん剤治療の複数回の入院で仲良くなった顔見知りの患者さん同士が立ち話しているシーンも何度か見た。

私は、抗がん剤の点滴は3クール(1ヶ月に1回、1クール4日)だけだったのと、脳梗塞で緊急入院した時は、絶対安静で個室となり、患者同士の交流は、あまりなかったので顔見知りはできなかった。

いや、1人だけあったな。
隣のベッドのご婦人が多彩な趣味をお持ちの方で、入院中、ずっと押し絵キットをやっていて、退院する時に花の壁掛けをプレゼントしてくれた。


その方は、婦人科で子宮癌のロボット手術を受けた後に、肺癌の切除手術を受けるそうだが、初期の癌で手術の恐怖は全く無いと言っていた。

それよりも、がん保険に入っていて、保険金が300万円もらえるので、それが楽しみと言っていた。

お別れホスピタルのお別れは、「死」を意味するのだが、入院中、私の周りには治療可能な癌患者しかいなかったので、患者の死に直面することはなかった。

だが、アメブロの闘病ブログを見ていると、ブロガーさんの死を目にする機会があって、「手術をしなければあと半年の命」と言われたあの時を思い出します。

手術できたので、こうして生きています照れ