連休明けの月曜日
ほぼ通勤スタイルで
おのれのふんどしを締め直す
イエローシャツ UNIQLO
ベスト ZARA
パンツ 自作
黄色いシャツなら
雨の暗い月曜日も
少し明るくしてくれるような気がした
朝のうちは少し寒くて
ベストを重ねて温度調整
朝からどんよりザーザー雨の降る日は
あの日の思い出が甦ります…
【アイドルの思い出】
短大卒業後アパレルメーカーに入社した私
一年間の池袋勤務を経て
サブ店長として
当時まだ新しかった錦糸町マルイへ異動となる
錦糸町店は広々としているのに
都心と比べてさほど混み合うこともなく
同じフロアに同会社のレディスブランドが
すべて入っていて(計4ブランド。他フロアにメンズ3ブランドもあった)
家族的に仲のよい錦糸町マルイは
居心地よく楽しい職場でした
その日は朝から雨がザーザー降る
暗い日曜日…
店長が休憩に行って店は私ひとりでした
今日はひまだなぁ…と思いながら
お畳みなどしていると
赤いニットを着た女の子が入ってきました
私『いらっしゃいませー』
見た感じ15才くらいの女の子
近くで見ると赤いニットは毛玉だらけ
とてもなにか買いそうな感じはありませんでした
しかしふと通路のほうを見ると、
彼女の連れとおぼしきおじさんが
店から少し離れたあたりで
彼女を待っているではありませんか
私『お父さんかパトロン的なおっさんかな…』
そう判断した私は彼女に接客を始めました
私もまだ21くらい
まあ若かったですし、
話しているうちにすぐ打ち解けて
あれこれコーデし…
『着てみる』
彼女はとても幼いのでタメ口です
女の子『うん着てみる』
私『試着するって言ってくる』
女の子『ううん大丈夫。待ってるから』
接客している感じで冷やかしではないと
わかりましたし、そのまま試着室に通しました
私『おつかれさまでしたー』
大きな鏡の前に並んで
私『うわ可愛い…本当に可愛いね』
毛玉だらけのニットを脱いで
上から下までおしゃれコーデに身を包んだ彼女
本当に衝撃的なくらい
見れば見るほど可愛く変身していました
あまりにも可愛い、可愛すぎる
これは腕の見せ所
帽子を被せたり靴や小物までコーデして
さながらシンデレラのように変身
鏡の前で
私『本当に可愛いよね…アイドル歌手みたい』
全然お世辞じゃない真実
なにしろ見れば見るほど可愛いのです
その可愛さは小動物的な…リスとかそんな感じ?
彼女はニコニコするばかり。
しばらく二人であれこれ楽しんで
しかし待たせっぱなしのおじさんも気になり
私『どうする』
彼女『うんぜんぶ買う』
私・内心ラッキー
ひまだったのもあり私も楽しんでいましたが
まさかぜんぶ買うとは思いませんでした
トータル20万以上です
私『じゃあ外の人呼んで来ようか着替えてる間に』
彼女『うんじゃ着替える』
ま、こんな感じで接客は終わり
カウンターに二人を座らせ
お会計とお包みをしていました
その間も雑談をしており…
私『本当に可愛いよねの○ピーに似てるって言われない』
彼女『うん…本人なんです』
おい
アゴ外れるやないかい
これまた衝撃でしたが、いまさら後には戻れない
私『あ…そうそうだったんだ』
『どうりで可愛いと思ったんだよね…』
『の…の○ピー語って本当に話してるの』
なにか話さなければと必死です
の○ピー『ほんとに話してる…』
私『全然使わなかったよね』
どうでもいい返しでのりピーを追いつめています
の○ピー『ふだんは話してるけど』
私『へぇー…そうなんだ…』
気まずくなりそうでした
お包みも終わり帰りがけ
私『じゃ雑誌とかなんかでも着てね』
のりピー『そういうのは着るもの決まってて自分では選べないの』
私『あ、そうなんだ…じゃふだんにたくさん着てくださいね』最後くらい敬語だったと思いたい
当時錦糸町マルイでは
3周年記念かなんかで毎週日曜日
屋上でイベントをやってたんですよね
そのためにのりピーは来たのだけれど
雨で中止になり、
時間ができてたまたま寄った店で
私が接客したという事でした
少し年下だから
当時16か17才くらいだったのかな
マジでこりすのように可愛かったです
マンモスうれぴー
時が流れ、彼女はアイドルとして大成
さらに時が流れ、逮捕され…
あのときのお姉さんである私は
ひっそりと応援していますよ
服は捨てただろうね
可愛くした時の可愛さがすごい
星の金貨は観たよねーチイ兄ちゃん
幸も不幸も呼ぶものなのでしょうか
今でもあの
見れば見るほど可愛かった
あの女の子のことは
強く印象に残り
忘れられない思い出なのです…
※おじさんはマネージャーだったかと思われます