前回の記事で書いた通り、私たちと親しくしていた友人たちも、審理委員会のような牧羊を受けました。

 

私たちも友人たちも、誰も日頃長老たちから注意や助言を受けたこともなかったのに、どうして突然あのような牧羊を受けたのでしょうか。

 

私たち夫婦は、新しく入れ替わった長老団に、過去の会衆の状況や以前の長老による困った状況に関して話しをしたことがありました。(ブログ記事、長老団との話し合い①〜④)

 

しかし「よく話してくださいました。」と言われたのみで、その後3ヶ月ほど何の音沙汰もなかったのに突然あの会合が始まったのです。

 

日頃からあからさまに反抗的な行動を取っているとか、繰り返し長老たちから助言されているならまだしも、そうした会話を長老たちとしたこともないのに、なぜみんな一斉に取り調べのような牧羊をされたのでしょうか。


 

新しい長老団は、会衆の雰囲気が大変悪いことの原因をいろいろ考えていたのかもしれません。

 

それでまずは過去の長老たちの問題を報告した私たちのことを、長老に不信感を持つ要注意人物とマークし、私たちが親しくしている友人たちのことも要注意とマークしたのでしょう。

 

そしてその頃からなんとなく気になっていたのですが、集会後などに私たちが友人たちと話しているところに、ふと気づくと近くにある姉妹がいるということがよくありました。

 

数人の古くからの開拓者の姉妹たちや長老の妻が、会話に加わるわけではないのですが、なぜかよく近くにいたり、よくそばを通るんです。

 

掲示板のところでじっと掲示物を見ているような様子で、聴き耳を立てられているのを妻は何度も経験していました。

 

思い過ごしではないかと思われるかもしれません。

 

しかし20年ほど前のこの会衆が大変な時に、当時からおられたその数人の姉妹たちが「スパイ活動」をしていたという話があったのです。

 

「長老たちとの話し合い①」の記事でも書きましたが、当時の独裁長老が反対派を次々といじめたり無視したりして、多くの若者たちが離れていった時期がありました。

 

その独裁長老は自分に付く開拓者の姉妹たちを使ってスパイ活動のようなことをさせていたそうです。

 

独裁長老派の姉妹たちは表向きは中立の振りをして、反対派の人たちの話を親身に聞いたり、姉妹たち同士の会話を聞き取って得た情報を、全部独裁長老に伝えていたようです。

 

その情報を元に、独裁長老は反対派を次々と割り当てを外すなどしていたようです。

 

反対派とみなされ辛い思いをしながらも会衆に留まった姉妹たちが、口を揃えてそう話していました。

 

信頼して話したことが全部筒抜けだったようです。

 

そしてその時に独裁長老に家族で特別扱いされ可愛がられていた当時の若者が、例のM長老です。

 

MTを出て国内外のいくつかの会衆を回り、長老が必要になった地元のこの会衆に戻ってきた形です。

 

当時被害者といえる反対派の人からしたら、M長老は見たくもない存在であり、それが会衆の雰囲気の悪さの原因でもあったのです。

 

私たちや友人たちが長老たちに批判的な種を蒔いているというのは勝手な想像で、的外れです。

 

実際今回の会合の中でも、私たちは長老たちに話していないのになぜか伝わっているな、ということがいくつもありました。

 

例えば私の妻が長老の妻にしか話していない内容が持ち出されました。

 

長老は自分の妻を通して聞いた話を、私の妻から聞いていたのだと勘違いして口を滑らしたようですが、私の妻が「私はその件は兄弟にはお話ししたことはありませんが」と言うと慌てていました。

 

それにしても、基本的に私たちも人がいるところであからさまに批判的な話をしたりすることはありません。

 

集会後の会話には気をつけていましたが、たまたま聞こえた一部分だけを切り取られると、批判的に聞こえたのかもしれません。

 

そんな不確かな情報を元に、私たちを批判的で分裂をもたらす人たちだと決めつけるのはどうなのでしょうか?

 

誤解だったらどうするのでしょうか。

 

会合の中で何度も長老たちに、何を根拠にこの資料から話し合おうと思ったのかと尋ねましたが、「霊的福祉のために」としか答えませんでした。

 

本当に一部の姉妹たちがスパイのような行動をしていたとは考えたくないのですが、過去に起きたということと、今回の会合の不自然さを考えると、可能性が高いように思います。


 

どうしてそのような行動をとるのでしょうか。

 

学校であれば先生に、職場であれば上司や社長に、JWであれば長老に、嫌われるよりは気に入られたいと思うことでしょう。

 

しかし、自分を曲げてまでそうしてしまう人たちが、残念ながらどの組織にもある程度いるのだと思います。

 

他の人を陥れたり評判を落とすことによって自分の評価を高めようとしたり。

 

権力者に情報を提供して大事にされ、この組織で言う「用いられる」ことで承認欲求を満たそうとしたり。

 

しかしその姉妹たちを見てきて感じる一番の動機は、「恐れ」のように思います。

 

20年前の分裂時代、その独裁長老に嫌われていじめられる側になると、自分の特権も無くなってしまう、子供たちは離れてしまう=滅ぼされてしまう…そういう恐怖心があったのだと思います。

 

結局そうしたいじめをしていた独裁長老自身も、自分の横暴が暴かれ立場を失うことへの「恐れ」、自分が一番の中心、権力者でいられなくなることへの「恐れ」などが、そうしたスパイ活動を行わせる動機となっていたのではないでしょうか。

 

この組織は、愛や喜びや希望というものよりも、「恐れ」が行動の動機となっている人が多いように見えます。

 

ハルマゲドンで滅ぼされることへの恐れ、どこで何をしていても神に見られているという恐れ、会衆内での立場を失うことへの恐れ…実際私も自分を振り返ってみてそう思います。

 

独裁長老の横暴を許し、多くのいじめられた姉妹たちやその子供たちを守れなかった当時のもう一人の長老も最近になって、「私も自分や自分の家族を守るために、(その独裁長老に)つくしかなかった。」と述べたと聞いて呆れてしまいました。

 

そういう生き方が(スパイ的な活動をしてしまう)姉妹たちの土台になっているのかもしれません。

 

覚醒前からそのような姉妹たちにはどうも違和感を感じていたとよく妻が言っていました。

 

大して親しくなってもいないのに、すぐに何か探るような質問をしてくる傾向がありました。

 

その流れで妻が自分の少し深い気持ちを話すような機会もあり、普通そういう機会を通して距離が縮まったり親しくなったりするものですが、全然そういう感じにはならないのです。

 

次会った時にはもう他人のようなよそよそしさ、という感じです。

 

その姉妹も本当に相手に関心があるからではなく、情報を集めるようなくせが付いていたのかもしれませんね。

 

この組織の人々によくある、親しみがあるように見えても何かにつけて感じられる「よそよそしさ」には、このような背景も関係しているように思います。


 

さて、会合が終わって2週間ほどして、私は第二会場に呼び出され、長老たちに奉仕の僕の削除について告げられました。

 

その時の様子をまた書きたいと思います。