
深夜2時。寝室には君とりりの寝息。
枕に当たった左耳が、
自分の鼓動の音と涙が枕に落ちる音を脳に届けている。
妊娠8ヶ月、
君に背を向けて寝ることしかできなくなった。
からだの左側に置いた抱き枕に、
片膝と大きく重くなった腹をのせて。
仰向けになると少しずつ呼吸がしにくくなる。
右に向くと認識できない何かが押しつぶされていく感覚。
かといってダブルベッド真ん中に抱き枕を置いたら、
君との間に壁を作るようで。
たまに寝相でこっちを向いてくれるのが、
少しでもそばに来てくれるのが嬉しくて、
それを期待しながら毎夜眠気を待つ。
妊娠してめっきり触れ合うことが減った。
男性側からしたら怖いのかもしれない。
もともとやや細めだった私の身体が
変わっていくのが嫌なのかもしれない。
それでも触れて欲しい
と願うのはおかしいことなのか。
ひとの温もりが欲しい、
愛されている実感が欲しい、
妊娠していようとも妻として女として求められたい…
眠くなって欲しいのに、
腹の中のなにかが激しくうごめいたり、
要らぬことを考えたり、
スマホをスワイプする手が止まらなかったり。
色んなものに囲まれているのに
寂しいと思う自分が不思議で困る。
愛する人。
その遺伝子を持った腹の中のぬし。
寝付けない時も、
夜中に起き出してなにかつまんでいる時も、
ソファで横になっている時も、
泣いている時も常にそばにいてくれる愛猫。
ほぼ毎日LINEで話す母。
あまり話さないけれど楽しみにしてくれているのがわかる父。
たまにLINEをくれる義母。
そばにいてくれるものはちゃんとあるのに
満たされない寂しさをどうしたら良いのか。
あと2ヶ月と少し、我慢すれば良いのか。
我慢したとて、
その先1年は子と向き合う時間がほとんどの日々が待っている。
この寂しさが埋まるのはどれだけ先なのか、
想像できたものではない。
