ある日、大怪我をしました。

自分の不注意でしてしまった大怪我。

私は、決してやってはいけない事をしました。



母に彼氏ができました。
これまでも沢山いましたが
祖父母に紹介までしていて本気で再婚を考えていたようです。

二人の時には出てこない
母の手作り料理が出てきたり
母はいつも笑顔で幸せそうでした。

母の幸せを嬉しく感じながらも
私の心に広がるのは孤独でした。


作り話を用意するほど嬉しかった

『今日は学校どうだった?』

その一言はもう聞けなくなっていました。


母は私を見てくれなくなっていたのです。



大怪我をした日。
嘘を吐きました。

“母から心配されたい”
“母に私だけ見てほしい”
自分の為に友達のせいにしたのです。

家族同士の問題に発展しました。

私が加害者に仕立てあげた子の家族は
手土産と現金を持ち全員で謝りに来ました。

私の心には“罪悪感”の三文字はありませんでした。
私が願ったのは、

“この子が本当の事を言いませんように”



幼いときに母に心配されたくて吐いていた
かわいい嘘の蕾は、
いつしか取り返しのつかない
大きな嘘へ花を咲かせたのでした。