1986年、THE ALFEEの春ツアーに参加


コンサートが終わり、家に帰った私は母に
「ALFEEがね、東京湾でコンサートやるの。お願い!行かせて!」


何も言わない母に
「夏休みだし、お姉ちゃんのところに泊まらせてもらうから!いいでしょ?」


さすがに10代半ばの学生が、北海道からコンサートのために東京に行くのは許してもらえないか…


母は大きくため息をつきながら言いました
「あなた、その前に手術があるのよ」



右手首に腫瘤ができ、神経を圧迫
痛みとしびれに悩まされ、治療中でした


腫瘤がどんどん大きくなり、痛みが強く、右手で鞄を持てない、引き戸が開けられない、体育の授業もできないことが多い…
筆記用具すら持てなくなり、摘出手術をすることになっていました



「手術が無事に終わったら、行ってもいい?」

母は何も言いませんでした


手術の説明を受けた時、主治医から
「腫瘤がかなり奥深いところにある。手術で神経を傷つけると指が動かなくなることもある」


おそらく母は、その言葉が引っかかっていたのだと思います

もちろん私も引っかかっていたけれど、とにかく痛みを取って、普通の生活がしたい…それだけでした



ALFEEのコンサートから数週間後、入院、手術


腫瘤がかなり奥深いところにあり、予定の手術時間を大幅に超えてしまったものの、無事に終了しました


手術の翌日、回診に来た主治医が「指を動かしてみて」と言い

私が親指から一本一本、ゆっくり折り曲げると

「動くね!大丈夫だね!よかった!」

あの時の主治医と看護師さんたちの笑顔は忘れることができません




つづく