ルース•エインズワースというイギリスの方が書かれたお話。
【あらすじ】
一人暮らしをしている貧しい老人が唯一楽しみにしているのが、一週間に一度、ミルクとパン、そして羊の肉をごちそうとして食べること。
ある土曜の夜、痩せ細り、ずぶ濡れた姿で訪れた黒ねこにミルクを与え、パンを与え。
次々と欲しがる黒ねこに自分の分まで与え、そして羊の肉やその骨まで全て食べさせてあげます。
お腹がいっぱいになった黒ねこは、今度は暖炉の前で暖を取り始め、老人は黒ねこの為に残り少ないまきを使い、一緒に暖炉の前で時を過ごし。
自分は空腹だけど、満足そうな黒ねこを見て老人は幸福感を感じます。
翌朝、外に出た黒ねこは老人に『なぜあなたの食べ物もまきも全部使わせてしまったのに、わたしをおいださなかったのか』と問い、老人は『おまえが困っていたから。それに今じゃ友達じゃないか』と答えます。
老人と黒ねこは別れ、老人はさみしさを感じながら家に戻ったところ、溢れんばかりのミルクやパン、そして羊の肉が。
まきもたっぷりとあり、それから黒ねこには二度と会えなかったけれど、それらが切れることはなかったそうです。
【感想】
なんだか日本のかさこ地蔵みたいなお話です。
自分よりも他人を優先し、相手が幸せそうで良かったと満足する人に恩返しをされるという。
ただ、おじいさんもあげるときに自分の分がなくなっちゃう…でもこんなに欲しがっているし、と多少なりとも葛藤している所が人間くさくて好感が持てます。
また黒ねこが二度と姿を現さない所が、一期一会を大切にしようという教えが含まれている気がしました。
読んでいて、なんだかほっこりするお話でした
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