時々、「私だけが一生懸命なのに、相手はそうではない」とか、「付き合っているのに、彼はなかなか連絡をくれない」という声を聞くことがありますが、この考え方は少し違うかもしれません。

 

 

 

恋愛におけるギブ、つまり与える行動は、自分から自発的に行うものなのです。

 

 

 

対等な交換を期待するのではなく、自分が何を感じ、何を与えたいかを大切にするのです。

 

 

 

相手から何かをもらうことを期待しても、それが返ってくるかどうかは相手が決めること。

 

 

 

期待していただけで、それが叶わなかった時に落ち込んだり不満を言ったりするのは、見苦しくなります。

 

 

 

例えば、「このイチゴ、食べてみて」と言って、相手が「ありがとう、美味しいね」と言った後に、「だから300円払ってね」と言うのは、少し違和感がありますよね。

 

 

 

もちろん、食べたからといって、必ずしもお金を払わなければならないわけではない。

 

 

 

これは、自分から与えたのに、何かを求めるのは筋が通らないということを示しています。

 

 

 

恋愛においても、同じです。

 

 

 

"お付き合いをする"という契約には、見返りを与えることは含まれていません。

 

 

 

そのため、見返りを求めるのは筋違いとなります。

 

 

 

"お付き合いをする"という契約に含まれているのは、"お互いを恋愛対象として見る"ということだけです。

 

 

 

"休日を相手のために使う"や"マメに連絡をする"、"1日5回は好きと言う"などは、お付き合いの契約には含まれていません。

 

 

 

相手が自分の求めるものを満たしてくれることを当然と考えると、相手は不満を感じ、窮屈さを感じてしまいます。

 

 

 

それが原因で、「それが当然というのであれば、契約の続行は不可能です」となることもあります。

 

 

 

恋愛は無条件の契約なので、契約を破棄してもペナルティはありません。

 

 

 

付き合い始めたばかりの時に、「彼氏なんだから、もっと~~してよ」とか、恋人としての権利を主張し始めるのは、少し考えものです。

 

 

 

つい最近まで他人だった人に、いきなり全力で甘えられても、相手も戸惑うかもしれません。

 

 

 

しかし、お互いの愛情が同じレベルであれば、それでも上手く行くことがあります。

 

 

 

大切なのは、相手がどれくらいの愛情を受け止められるか、その準備ができているかを見極めることです。

 

 

 

相手が用意している愛情を超えるような愛情を注ぐと、それはただ溢れてしまうだけです。

 

 

 

相手があなたの愛情を理解し、先回りして面倒を見てくれる人なら、それは問題ありません。

 

 

 

むしろ、たくさんの愛情を注いでくれる人を求める人も多いです。

 

 

 

しかし、相手がまだそこまでの愛情を持っていない段階で、全力で愛情を注ぐと、相手はそれを重圧と感じ、疲れてしまうかもしれません。

 

 

 

相手がゆっくりと愛情を育んでいくつもりなら、そのペースに合わせて少しずつ愛情を注ぐことが大切です。

 

 

 

一気に大量の愛情を注ぐと、それはちょっとした暴力行為になってしまうかもしれません。

 

 

 

そういうバランスを考えて、少しずつお互いの許容量を増やすのが、マトモな歩み寄りのあるお付き合いというものです。

 

 

 

コップからバケツに、バケツからシンクに、シンクから浴槽に。

 

 

 

自分の中で理想の付き合い方を思い描くのは自由です。

 

 

 

ただし、相手にその理想をいきなり押し付けるのは、少し考え物です。

 

 

 

自分だけが突っ走るのではなく、相手の許容量を見て、少しずつお互いの理想に近づけるように努力することが大切です。