主人公・由美子のもとに幼なじみのいとこ・昇一が訪ねてくる。由美子にはある暗い過去があり、その記憶をたどり2人は数日間の旅に出る。ぼんやりしていた由美子の人生は、昇一との旅の中で輝きをおびはじめる……。 最新書き下ろし長篇である本作は、新境地を示すばなな流ファンタジー。由美子とともに不思議な旅をする読者は、ラストで今まで体験したことのない、あたたかい魔法に包まれるはずです。
自らの過去を呼び起こしていく、ロードムーヴィーみたいな感覚で
静かに静かに、謎を解き明かせば、また違うほころびが見えて
というペースでお話は進んでいきます。
静かなのですが、決して、イライラとじらされる感じもなく
最初はファンタジーという印象は受けなかったのですが、
後半、どんどん不思議な感覚が強くなっていき
このまま由美子は自分を見つけることが出来るのか?
何故、昇一はこんなに穏やかにそれに寄り添えるのか?
そんな感じで、いよいよラスト、ま、大どんでん返しなのです。
あ~してやられた!という感じでなく、びっくりなのですが
非常にあたたかい感じを、余韻を残して終わる。
本当に不思議な、あたたかさを持つお話でした。
ちょっとばななさんの面白さを久しぶりに見直しました。
