柿なら食べれる | ひより plus

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パピヨン三姉妹との日常。

食欲のない日々は続いていましたが、毎年この時期になると吉野の柿を口にする機会があり、柿が好きな私には嬉しい到来物でした。

吉野の物でなくても、柿なら今の私でも食べられるかもと思いましたが、病院の食事では、みかんやバナナは出ますが、柿はメニューにはありません。
旦那さんに次にきてくれる時は柿を持ってきて欲しいとメールしました。

その日は病院にはこれない日だったはずなのに、面会時間ギリギリに顔を出した旦那さん。
カバンから取り出したタッパーには、ガタガタに剥かれた柿が入っていました。
結婚してから包丁を持った姿を見たこともなく、今回の入院にもお茶を沸かさなくていいようにたくさんのペットボトルを用意していた私。
多分不器用に剥いたのだろうなと、ほんわかした気分になって持ってきてくれた柿を食べました。
食べられました。
今まで何を口にしても砂を噛む様とはこの事かと味を感じなかったのに、ほのかに甘く歯ざわりの良い柿は美味しかった。

「美味しいよ」といった私に、満足そうな旦那さん。

それから時間を作っては柿を届けにきてくれるようになりました。
柿の味を感じてから、少しづつではありますが病院食にも手が出せるようになりました。
メニュー選択ができる病院だったのですが、リクエストは何も考えずにAメニュー選択だったのが、ほんの少しだけ食べられる方を考えるようになりました。

柿は今でも大好きで、我が家に食卓にはよく上ります。
愛犬たちも大好きで、私たちが柿を食べていると頂戴とアピールしてきます。
私一人の好物から、家族全員の好物になりました。