ゲスな歌詞でおなじみ「どぶろっく」の「もしかしてだけど」というネタの中で
暗い夜道を歩いていたら♫
前を歩いてた女が振り返って
急に歩くペースをあげたんだ♫
もしかしてだけど もしかしてだけど♪
もしかしてだけど もしかしてだけど♪
俺を招く為に部屋を 片付けたんじゃないの?♫
という歌詞があった。
夜道で女性の後ろを歩き、怪しまれたモテない男が、身勝手な妄想を抱く、という歌詞に爆笑したが、ふと、昔一人暮らしをしていた時の事を思い出した
僕の住んでたアパートは福岡の植物園の近くだったが、大通りから離れていた為、暗い坂道を100m程度歩かなくてはいけなかった。
ある夜、仕事から帰りバスから降りると、その坂道を一人のバアさんが歩いていた
そのバアさんは変わった人で、僕のアパートの横に住んでおり、一人暮らしで誰とも交流が無く、家の外壁には無数の御札が貼ってあった。
ヤマンバのような白髪で目つきが悪く、人の顔をみるとピシャっと窓を閉める程人嫌いなバアさん。
僕は通りがかりに何度かブツクサ文句を言われた事があった。
何を言っているのか分からないので聞こうと近づくと家に逃げ込みピシャッと戸を締める。
また、別の日には意味もなく水を掛けられた事もあった。
最初は僕が何か悪い事でもしたかと思っていたが、後に他の人にも同じようにやってる事が分かった。
話は戻るが
そのバアさんが、坂道で僕の30mくらい先を歩いていたが、僕が後ろに居る事を確認すると、痴漢を怖れる女子大生のように早歩きしだした。
「けっ 誰がバアさんを襲うかよ」
僕はイラっとした。
そして、ふと、イタズラ心に火がついた
「そうだ、いつもの仕返しをしてやろう」
僕はバアさんに気付かれないよう、音を立てずバアさんよりちょっと早く歩いた。
バアさんは何度も振り返り僕との距離を確認する
段々近づいている事が分かるとバアさんは歩く速度を上げた
僕はさらにスピードを上げた。
するとバアさんが急に走り出した。
僕は面白くなり追っかけて走り出した。
そしてプレッシャーを掛けるように、意味もなく
「オ~ッホイッ オ~ッホイッ」と奇声をあげた。
坂道の途中の家でカーテンをシャーッと開ける音がするが、僕は気にしない。
端から見たら異様な風景だったに違いない。
青年がバアさんとおっかけっこをしている。
しかし僕はすぐにバアさんの身体能力に驚いた。
ガニ股で脇を開いてユーモラスに走るバアさんだったが、見かけより20歳は若い走りをしていた。
「や、やるな!」
僕は予想以上に本気になり走ったが、後30mというところでバアさんは自分の家に逃げ込んだ。
「ハァ・・・ハァ・・・くそ~・・・やるじゃねぇかバアさん」
僕は、肩で息をし、苦笑しながらバアさんの家の前を通ってアパートへ向かおうとした。
しかし、その時・・・・どこからか視線を感じた
街灯が無いのでよく見えないが、バアさんの家の玄関の戸が少し空いている
よく見ると
バアさんが隙間から僕を睨みつけていた
「うわぁ~っ」
僕はそれに気付くと、怖くなり、声を上げた
すると突然玄関の戸が開きバアさんがこっちへ向かってきた
「オマエェ~%&$#%&’&@;:」
何と言っているかはわからなかったが、僕は
「わぁ~~~~ε=ε=ヽ(;;゚Д゚)ノ」と
一目散にアパートへ走った。
僕は生涯これだけ速く走った事は無いというくらいの速さでなんとか逃げ切った。
なにするんじゃババア・・・・メチャクチャ怖かったじゃんか
それからというもの、バアさんの家の前では、どんなに疲れていても猛ダッシュで走り抜けるようになった。
