捨てる神がいれば
拾う神がいる
どんなクソみてぇな奴でも
拾ってくれる人間がいつしか現れる
世の中ってもんは
そんなもんだ
夕方になると
いつものあのロータリーに
あの男がくる
今日も雨だ
特にやることもねぇし
男のギターを聴きに
ロータリーに足を向ける
その何も考えず
男を眺めていると
「お前いつも1人なのか??」
突然男が喋りだした
深く呑み込まれてしまいそうな声
言うなれば
一匹オオカミ
初めて聞いた声だった
「よかったら、俺んとこ来いよ。
お前見たいのがいっぱいいるからさ」
軽く笑った
・・・
「俺コウジってゆーんだ」
と言いながら
白い硬い何かを渡す
名刺だ。
株式会社RIP
取締役社長 永末 宏次
Kouji Nagasue
キレイに刷られた名前と
埼玉県深谷市×××ー×
○○コーポ303
ボールペンで走り書きした住所
この男は何者なんだ??
・・・
・・・
「まぁ
気が向いたら遊びこいよ」
その男はそれだけ言うと
去って行った
・・・・・
なんだかわかんねぇし
捨てた
雨に濡れて
その紙切れはふやけていった