今回はプロ野球選手になる上で絶対に避ける事が出来ない『トライアウト』について書いていきたい。その中でも、今僕がプレーしているアメリカ独立リーグの1つ、エンパイアリーグでプレーするまでに受けたトライアウトを2回に渡って紹介していきたい。この記事ではアメリカのトライアウトについて。次の記事では、日本の独立リーグ(BCリーグ)と台湾プロ野球(CPBL)のトライアウトについてだ。
まず初めに、アメリカのトライアウト事情に着いて確認したい。アメリカでのトライアウトは大きく分けて3種類がある。「ショーケース」「ウィンターリーグ」「スプリングトレーニング」だ。
アメリカではあまりトライアウトと言わず、showcase ショーケースと言われる事が多く、アメリカ国内の高校や大学で野球部に入るには全員このショーケースをパスしなければならない。
僕はその中の2つを経験した。エンパイアリーグの「スプリングトレーニング」とカリフォルニアで行われた「ウィンターリーグ」だ。
メジャーリーグ、マイナーリーグやアメリカ独立リーグでは、春季キャンプをスプリングトレーニングと呼ぶが、これも一種のトライアウトである。キャンプに招待した選手の中から、一定数サバイブに残った選手がシーズンを迎える事ができる。そして、サバイブに敗れた者は下のリーグでまた挑戦する事になるのだ。
僕の所属するエンパイアリーグは、6/5からキャンプがスタートし、200人近くの選手が120人のロースターの枠を争った。その後も、シーズン途中で各チームのロースター枠が22人から20人に一度減る。さらに、上のリーグからレベルの高い選手が落ちてくるため、どんどん枠が減っていくのだ。まさに今僕はサバイブの真っ只中にいる。
このキャンプについては、こちらで詳しく説明しているので確認していただきたい。
次に「ウィンターリーグ」と呼ばれるものについてだ。これは主に冬季に行われる、各国のプローリーグのことを指すが、冬季の長期参加型のトライアウトの名称でもある。今回は後者について書いていく。
アメリカ国内だけでも、カリフォルニア、ハワイ、テキサス、アリゾナなどで独立リーグやメジャー傘下と契約を交わす為に行われるウィンターリーグがある。
僕の参加した「カリフォルニア ウィンターリーグ」では、約1ヶ月のシーズン内で250人以上の選手が参加し、約50人程度が契約を掴んだ。その中でも、メジャー傘下と契約出来る人数は、毎年1人いるかいないかの割合だ。
1ヶ月の期間の中でほぼ毎日試合を行う。リーグよって、契約を交わすと翌日からそのリーグに合流する場合も少なくない。その為、昨日までいた選手が今日いなくなるケースも多々ある。当時の僕は、この選手の移動するスピード感がアメリカ野球独特のものだなと、強く感じた。ここに関しても、詳しくはここののリンクから見ていただきたい。
アメリカでのトライアウトはアジアでのトライとは違い、ショートシーズンの中での結果を求められる場合が多い。1つの結果に一喜一憂している暇はなく、常に平常心でいられるマインドが必要だ。上に上がるチャンスが多い分、落ちる確率も高い。ウィンターリーグやスプリングトレーニングを通して、アメリカ野球を垣間見る事ができるが、序章に過ぎない。少しでも、興味がある方は是非トライアウトに参加して契約をとり、アメリカ野球を肌で感じてほしいと思う。