このブログでは、漫画「薬屋のひとりごと」5巻に対する感想を書いています。
こちらは後編その3となります。
前回のブログを未読の方は、「薬屋のひとりごと 5巻 後編その2」をご覧ください。
ネタバレ注意です。
後編がまさか「その3」まで長くなるとは…だけど、それだけ内容が充実してるってことだもの。
漫画を読んでくれればその充実っぷりが分かるはず!
てなわけで続きです。
羅漢からの頼まれごとを調べるために、お望み通りのマオマオが出動です。
亡くなった羅漢の知人というのが、宮廷御用達の彫金細工師で、三人の息子が弟子としていたのですが、後継者を指名しないまま亡くなってしまったそう。
その三人のうちの誰かが次の御用達に選ばれるだろうと言われているが、父親は秘伝といえる技術をその誰にも伝えていない。
残した遺言がその技術への手がかりだとは思うが果たして…という内容。
内容を壬氏から聞いたマオマオは、その秘伝と遺言の謎を明かすべく調査開始です!
遺言の内容は、まず三人それぞれに、形見分けの品が書かれていました。
長男には離れの作業小屋。
次男には細工の施された家具。
三男には金魚鉢。
そして一言、
「皆 昔のように茶会でもするといい」
………ぃゃわからーーーーーーん!!!
お父ちゃん分からんよ!その遺言!どういう意味?!?!?!
三人兄弟みんなでこれからも仲良くしてねってか?!?!?!
なんじゃそりゃ?!?!
当然それだけで遺言の真意が分かるはずもないので、その場所に行くことに。
現地調査ですね!
当日のマオマオのお供は、前回、有毒な海藻で倒れた役人の家に行くときにもいた武官。名前は馬閃(バセン)と言うそう。
相変わらず不愛想です。
現地に到着すると、案内してくれたのは末っ子。
長男が相続された作業小屋の中に入ると、家具などが独特の配置で置かれています。
その中には、次男が相続された箪笥も、なぜか床にしっかりと固定された状態で置いてありました。
これでは動かすこともできません。
しかも、一つだけ残されていた箪笥の鍵は、箪笥中央の引き出し用のはずですが、穴に何かが詰まっているようで、鍵が入らず開けません。
箪笥上部の引き出し3つは同じ鍵で開くようですが、肝心の鍵の在りかが分からず開けられない…。
これじゃあ相続されても売れない・使えない、で次男はご立腹。
とりあえず遺言通り皆でお茶を飲み始めると、マオマオはあることに気付きます。
不自然な位置にある窓から差し込む一筋の日差し。
そのひかりの筋を辿ると…
そこでハッと気づくマオマオ。
すぐに三男が相続された金魚鉢に水を入れ、定位置に置いてもらいます。
すると、日差しが金魚鉢のガラスを通り、細い細い光に変わります。
そしてその光が、太陽の動きと共に移動して、次男の相続された箪笥中央の引き出しの鍵穴へ。
しばらく待ち、光が鍵穴から外れたタイミングで触ってみると、そこは太陽の光で熱されてあつくなっています。
マオマオに促された次男が、入らなかったあの鍵を鍵穴に通すと…開きました!
そして引き出しを開けるとそこには、鍵の鋳型が、金属が流し込まれた状態で置いてありました。
恐らく、鍵穴に詰まっていたものは金属で、それが太陽の熱で溶けだして、引き出し内の鋳型に流れ込み、鍵を作り出したようです。
なんちゅー仕掛け…
そして出来立てほやほやの鍵は、箪笥上部の引き出しの鍵穴にピッタリ。
開けるとそこには3つの金属が。
これがどうやら遺言の全貌。
ですが、三兄弟のうち、上の二人は
「結局親父の悪戯に振り回されて終わりかよ!」
「まったくやってらんねぇ!」
と怒ったり呆れたり。
そんな中、末っ子だけは、引き出しの中に残されていた三種類の金属をじっと見つめています。
兄弟の中で一番ひどいやけどの跡。
(きっと死んだ職人が意図したことを理解できたのは この末っ子だけだろう)
マオマオはそう感じました。
金属は、数種類を混ぜ合わせることによって、本来個々で溶ける温度より低い温度で溶けるようになる。
今回残された3種類の金属を混ぜあわることで、新しい金属ができるとすれば…。
のちに、三兄弟の中で頭角を現し、今後の宮廷御用達になるだろう、と言われたのはやっぱり末っ子。
調査をしたマオマオも、そしてこの謎解きを依頼した羅漢も分かっていた様子。
「やはりあの三兄弟 一番できるのは末息子だったようですね」
ニィっと笑いながら言う羅漢。すでに分かってたのに何でわざわざ調査を依頼したのか、壬氏はその真意をつかめません。
さらに羅漢はこう続けます。
「最後に先代が作った細工は素晴らしかった」
「あれは単なる金具でしたが 祭具にあの細工を使うと映えるでしょうな」
これに対して壬氏は「そうですね」と答えつつ、
(嫌らしい男だ)
(本来私の立場に祭具など関係ないとわかっているだろうに)
…本来、『宦官壬氏』に祭具は関係ない。
にも関わらず、わざわざそんな話をする羅漢。そしてそれに嫌な顔をする壬氏。
つまり、壬氏は本当はその祭具に関係のある立場の人間で、それを隠して宦官として後宮にいるけれど、その正体を羅漢は知っている(もしくは気付いている)って事?
まぁ~…でしょうね!!
前にも言ったけど分かってる!絶対にただの宦官なわけないもんね。
本当にこんなイケメンが玉無し(←言い方コラ)だったら全女子が泣くもん!
暗に正体を知ってるよ~ってニヤニヤする羅漢にはイラつきつつ、だけどその才能には一目を置いている様子の壬氏。
胡散臭い男だが人を見る目がある
その采配により現在の地位に上り詰めた人間だ
ある意味頼りになる人物だと言えるが、それ以上に厄介な面が多い
と評しているくらいだし。
前に話していた、妓女の希少価値を下げた方法について、ようやく答えをもらおうとしたのに、結局のらりくらりとかわされてしまいました。
食えない男、羅漢。
これにて「薬屋のひとりごと 5巻 後編その3」は終了!
いや~長かった!
けど、実際の漫画はもっと濃いから、気になった方はぜひとも漫画「薬屋のひとりごと」読んでね!!
次は「薬屋のひとりごと 6巻 前編」で!