このブログでは、漫画「薬屋のひとりごと」6巻に対する感想を書いています。
前回のブログを未読の方は、「薬屋のひとりごと 5巻 後編その3」をお読みください。
ネタバレ注意です。
この6巻では、マオマオがこれまでに解決してきた数々の事件に、ある繋がりが見えてきます。
様々な事件や事故が起こったのは、単なる偶然ではなく、ある目的があったようで…?
という感じ。ここまでの集大成のような巻になっています。それではどうぞ!
ある日のこと、マオマオは壬氏(ジンシ)から化粧をしてほしいと頼まれます。
ただでさえ麗しいイケメン宦官なのに、そこにさらに化粧を施してほしい…と?
素材そのものに性別の垣根を超える美しさがある壬氏に化粧なんてしたら…
「国でも滅ぼす気ですか?」
と真面目に問うマオマオ。
「なぜそうなる!」と壬氏は焦るけど、いやあんたの顔にさらに化粧なんてした日にゃあ、傾国の美女ならぬ傾国の美男になっちまうわい。
詳しく話を聞いてみると、化粧は化粧でも別人に見えるように「変装」という意味での化粧だったよう。
そういう事ならば、と仕事はキッチリこなすマオマオは張り切って準備します。
そうして出来上がったのが、髪はバサバサで肌はくすみ、目の下にはクマのできた、ぽっちゃり体形のただの一般市民・壬氏。
元の素材が良すぎたため、ここまでしても2枚目が2.5枚目になった程度だけど、やんごとない身分の人間には見えないでしょう。
その格好で出かける壬氏に、なぜかお供として一緒に外に出ることになってしまったマオマオ。ちょうど1泊里帰りの予定だったから、同じ方向に行くついでに、と高順(ガオジュン)から頼まれたのでした。
仕方なく、壬氏と共に街に出るマオマオ。
目的地までの道中、出店の串焼きを二人で食べたりと、仲良しさん。
途中、養父について尋ねられたマオマオは、自慢の養父について語ります。
おやじどの、どうやらとても優秀な人で、西方に留学経験があり、漢方のみならず、西方の医術の心得もあるのだそう。わお。さすがマオマオの師匠。
そんな話をしながら、ふと壬氏は、変わり者軍人・羅漢(ラカン)の言葉を思い出します。
「あぁ 妓女の価値を下げる方法ですか」
「そういうことは その世界を知る者に聞いたほうが早い」
花街で生まれ育ち、妓楼である緑青館の中で薬屋を営んでいたマオマオならば、その方法を知っているかもしれない。
聞く内容が内容なだけに迷いつつ、でもやはり聞いてみることにした壬氏。
「妓女の価値を下げるにはどうすればいい」
その言葉に少し固まるマオマオ。
「不愉快なことを聞きますね」
そう言いながらも答えます。
「いくらでもありますよ 特に上位の妓女ならば」
売れっ子妓女の中には、あえて価値を高めるために、身請けまで客に一度も手をつけられない場合もあるそうです。
(花を最初に手折るのは自分でいたいと願うのが 男の浪漫というものなのだろう)
「手つかずの花だからこそ価値があるのです」
「手折ればそれだけで価値は半減」
「さらに 子を孕ませれば価値などないに等しくなります」
そう、なんの感慨もなく言うマオマオですが、なんとも言えないしんみりした表情がそこにはありました。
つまり羅漢が過去、気に入った妓女にとった「価値を下げる方法」とは、そういう事だったのでしょう。
…ん?子を孕ませた?妓女に?
ではその妓女は今どこに?そしてお腹の子どもは…?
マオマオはその話を終えると、壬氏を目的地に送り届け、すぐに花街へと向かってしましました。
と、前編はここまで。
羅漢のやった方法、本人も「少々汚い手」とは言ってましたが本当に汚い手だったね…最低だぜ羅漢…。
続きは「薬屋のひとりごと 6巻 中編」へ!